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悪役令嬢な私が、あなたのためにできること  作者: 夕立悠理
一章

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4/40

怪我

「~~っ!!」

 さきほどのことを思い出して、あまりの嬉しさにじたばたとベッドの上で暴れてしまう。


 リッカルド様にエスコートされた帰り道はそれはそれは、幸福なものだった。それに。リッカルド様の笑みも何回も見られた。


 私たちが結婚してからは一度として見られることがなかった笑み。


 あの笑みを、今度こそ守るんだ。












 そうして、三ヶ月が過ぎた。

「今日も、だめかぁ」

 今日の成果もゼロだった。


 最初は魔獣は放っておくと人に害をなすとはいえ、生き物の命を奪うのに躊躇いを感じていたけれど。


 このころになると、慣れも出て来はじめていた。


 夜、魔獣の森へ出かけて、数体ほど魔獣を狩って、朝の日が上る前に、学園に戻る。


 そんな生活も少しずつ定着してきた。


 けれど、魔獣の心臓は一向にたまらない。

 今の時点で三十は悪魔に渡しておきたいところだけれど、私が渡せたのはその半分の十五個だけだった。


「っ……!」


 立ち上がったところで、ズキン、と右腕が痛むのに気づいた。


 みると、右腕は結構な損傷を受けていた。

 まぁ、回復魔法を何度も何度も重ねがけすれば、治るでしょう。


 制服も、血に濡れちゃったけれど、まぁ、いいか。どうせ、この時間に起きてるのなんて、私くらいだ。


 それに、夜だし、目立たないだろう。



 そう思って学園の中に帰る。

 早く寮に戻って、血を流してしまいたい。


 そんなことを考え寮へと帰る道を歩いていると。黒い瞳と目があった。

「! え、」

「そ、フィア嬢!?」


 えっ、えええええー!

 なんで、こんな夜中にリッカルド様が外を出歩いてるの!? って、そうだ私もそうなんだから当然か。魔獣騎士科には門限はないのだ。


 だから、彷徨いていても、不思議じゃない。不思議じゃないん、だけど。


「血まみれじゃないか! 大丈夫!?」

 リッカルド様は、慌てて私に駆け寄ると、洗浄魔法をかけると、夜でも開いている医務室に連れていこうとした。


「大丈夫ですよ。これくらい。回復魔法をかければ──」


「回復魔法は多用しすぎると、寿命を早める危険がある。授業で習ったと思うけれど?」


 リッカルド様は、少し怒った声でそういった。


 ……しってる。でも、私はどうせ、悪魔の贄となるのだし、いずれは人の理からは外れるのだ。寿命が延びようが、縮もうが関係なかった。


「っ、とにかく。ソフィア嬢、医務室にいこう」

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