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俺の心が晴れた時  作者: おじゅん
4/5

彼女の心が晴れる時

「準備はできた?」

そう彼女は俺に聞いてきた。

「うん、ちょっと怖いけどね」


そう、昨日、時雨を手に入れて三日月を…みんなを助けるって言った後、「霊界はとても広くて危険なの、霊界に行くまでに少し準備をさせて欲しいの」と言われてその日は解散となった。

その後、三日月からラインが来た。

「明日、朝の6時にうちに来て」

「うん、わかったよ」

「ごめんね、色々巻き込んじゃって」

「巻き込まれた、なんて思ってないよ」


正直、勢いで言っちゃったけどまじで生きて帰れるか、心配だ。

俺が戻って来れなかったらみんな死んじゃうんだよな…


そんな事を考えながら家に着いたけど、親になんて言おう…「俺、明日死にます」とか絶対言えない…どうしよう。

そっとドアを開けた

「ただいま〜!」

「お帰り、優 今日、お父さん帰り遅くなるって」

「そうなんだ、お父さんも大変だね」

「私たちでご飯先に済ましちゃいましょう!」

「うん、そうだね」

「今日は、お父さんがいないから優の大好きなオムライスだよ〜」

「おおおお、美味しそう、ありがとう!母さん」

母さんのオムライスを食べられるの嬉しいけど、最後ぐらい家族みんなと食べたかったな。

「あんまり、美味しくなかった?」

やべっ、顔に出てたかな?

「そんな事ないよ、ちょっと色々あったからさ」

「優、隠し事してない?」

「母さんにはおみとうしなんだね」

「何年あんたの事見てると思ってるのよ、なんでも話してみなさい」

俺は、今まであった事を全部話した。

「信じられないかもしれないけど、全部ほんとなんだ」

「あんたこれから死ぬの…」

「うん…ごめん母さん、俺、あいつを救いたいんだ!」

そう言うと、母さんの瞳から一滴の涙が溢れた。

「自分の子供がピンチの時に、何もできないなんて、情けない…」

「そんな事ないよ、今まで育ててくれたことに感謝してる、思春期の時は色々助けて貰ったし数えきれない物をたくさん貰ったよ!」

「優…」

母さんはそう言って、俺の事をずっと抱きしめてくれた。

正直、めちゃくちゃ恥ずかしいけどめちゃくちゃ嬉しかったし、心を締め付けてた物が解けていったのがわかった。


朝になって出かけようとした時、母さんに呼び止められた。

「母さんも一緒に行く!」

「母さんと一緒に行く事はできないよ」

「親にできる事を最後ぐらいさせて」

「俺が言うのも変だけど、母さんは俺の帰る場所を守っていてよ、俺の帰る場所はこの家しか無いからさ」

「絶対、帰って来なさい!」

「うん!」


今、思い出すとめちゃ恥ずい!!

「八代くん、顔赤いけど大丈夫?」

「全然、全然、だっ大丈夫だよ!」

そういうと三日月は、俺の手を引いて俺を一つの小部屋に連れていった。

その部屋には、よくわからない文字がぎっしり一面に書かれていた。

「八代くんが霊界に行って困らないように、出来る限りのサポートさせてもらうよ」

「ありがとう、三日月さん」

「このぐらい当然だよ、ちょっと説明させて貰うね、この結界は時雨の場所をナビしてくれる役目と、私が霊界でもサポート出来る役割を担っているの、ここまでしか出来ないけど絶対戻って来てね」

「うん、絶対に戻ってくるよ」

そういうと、三日月が顔を赤くして俺の手を握って何かを渡してきた。

「これお守り、それも霊界できっと役に立つと思う」

「うん、大事にするよ、じゃあ…行ってくるよ」

そう言って俺は、村正を出して意を決して腹に刺した…

グサッ…


目が覚めるとそこは、自分の家だった。

「聞こえる、聞こえる、八代くん!」

三日月の声だ!

「うん、聞こえるよ!」

「良かった、無事に霊界に行けたみたいだね」

「うん、それはいいんだけど、なんで俺の家?」

「基本的に、霊界って言うのはその人が一番好きな場所が集まってる場所なんだよ、だから君の場合は自宅って事だよ」

「俺は、どのくらい自我を保っていられるの?」

「良くて、一時間くらいかなそれ以上行くと…無理かもしれない…だから、早く時雨を見つけて戻ってきて!」

「わかった、それで時雨への行き方って、この光を辿っていけば良いんだね」

「うん、それで大丈夫だよ」

よしっと意気込んで、俺はドアを開けた。

そうして見た、霊界の世界を表すなら混沌だった。

当たり一面は、血で染まっていてとてもじゃないが正気でいられるとは思えなかった。

「八代くん、周りの事は気にしないでその光だけを見て!」

「うん、わかったよ」

覚悟はしていたが、ここまでとは思わなかった、それでも行かないとな…


ちょうど、三十分くらい経ったくらいからデカい門が俺に立ち向かっていた。

「三日月、この門って…」

「この門は、精神の門だね」

「精神の門?」

「そう精神の門…この門は通る者を選ぶの」

「選ぶってどう言う事?」

「そのままの意味だよ、この門に触れた物はこの門に住む何かと戦って勝利して門の鍵を手に入れないといけないの…」

「まじかよ…」

でも、ここまで来て怖気ついてたまるかよ!やってやるさ!

「八代くん!私も出来る限りサポートするから頑張ろう!」

三日月といるとなんでも出来る気がする…


よし、行くか!

俺は目を閉じて、門の鍵穴に手を当てた。

そうすると、白い光に包まれてさっきいた場所とは違うところにいた。

目の前には、白い竜がいた。そのなんとも形容し難い体に一言、言うなら…モンスターハンターだろう

やべ〜勝てる気がしないんだけど

なんて考えていると、龍が喋り出した。

「貴様は、何を思い力を求める?」

「俺には、助けたい人がいるんだ!俺にはその力が必要なんだ!」

「そこまでの思いがあるならば、我を倒して力を手に入れてみろ!」

話だけじゃ上手く行かないよな…

「八代くん!村正を急いで召喚して!」

「おう!こい村正!」

そう言うと、俺の手の中に一本の剣が現れ始めた

「霊界の中での村正は何を代償に力を得るのかわからないから気をつけて!」

「ああ、わかった、行くぞ村正!俺に力をよこせ!」

そう言うと、この前戦った時とは違う感覚が俺を襲った…その感覚は、自分が自分で亡くなって消えてしまうような感覚だった。

「八代くん、それ以上はダメ!あなたの魂がどんどん薄くなってる!」

「え、それってどう言う事?」

「下界では、肉体のエネルギーを吸収してたけど、霊界では肉体が無いから魂を糧にするみたいなの、多分そのモードを使って5分も持たないと思う…」

「マジかよ、5分で決着つけろって厳しすぎる…」

でも、やるしかない!

「おりゃぁぁぁぁ!、喰らえ!」

龍は、俺の剣撃を簡単に躱していた。

そんな事をしていたら、残り時間は半分を切っていた…

畜生!これじゃ埒が明かない!一体どうすれば…

その時、密かに三日月の声が聞こえた。

「八代くん、私があの竜の足を拘束するからその間に思いっきり決めて!」

「わかった!」

俺は、あの時の様に刀に力を込めた…

刀から胎動が聞こえ始めた、その音は徐々に強くなっていた


「バインド!!今だよ!八代くん!


その胎動は今、爆ける!


「食らえ!!最後の一撃!!!」


「うわぁぁぁ!」


竜の断末魔が聞こえた瞬間には、竜の姿は無く一つの鍵が落ちていた。

「これが、鍵か…」

そう言って鍵を手にした瞬間、俺は門の場所に戻っていた。

よし、これを使って門を開ければ…

「八代くん、行こ…」

「うん」


ガチャ


目の前には、一本の輝く刀が置いてあった。

「やったね!八代くん!これで私たち助かるよ!」

「おう!本当によかったよ!あとは、この剣を抜いてっと」

そう言って、刀を抜こうとした瞬間…


グサッ


俺の胸元を見てみると、誰かの腕が俺の胸を貫通していた。


「グハッ、オエッ」


「八代くぅぅぅぅぅぅん!!」

そんな三日月の声と共に後ろを向いたら、奴がいた。

「いや、いや、助かったよ(笑)君たちがあの門を開いてくれたから助かったよ(笑)」

「お、お前は…あの時の…」

「よく覚えていたね!そうだよ!僕は、名前を忘れた怪物さぁ(笑)」

「なんでまだ生きてるの!?」

「そこの安全な場所で話してるのは三日月ちゃんかな(笑)」

「その疑問に答えてあげよう!、あの時の僕はだたの分身に人の生命力を注ぎ込んだ、ただの人形さ!本体の僕はずっと君たちを観察してたんだよ」

「そんな…嘘だろ…」

「嘘じゃないさ(笑)、ほんとさ(笑)アハハハッ!!」

 

こんなところで、終わるのかよ…


結局、何にも出来なかった。ただ、無駄に人に夢を見せただけかよ!!

俺は、誰も助けられなかった…誰も……


「そんな事ないよ!!、優!お前は、俺を救ってくれただろ!」

そんな声が俺の心に響いた。

「お前は…拓海!!」

「久しぶりっかな?」

「拓海ぃぃ(泣)」

「再開を喜びたいところなんだけど、今は時を争うよ!」

「おうよ!」

「今、奴にバレないように優の心の中に話かけてるんだけど、もう時期、優は死ぬだから今から、天国から力を送るから、頑張って奴を倒してくれ!」

「拓海、ありがとう!お前には助けて貰ってばっかりだな(泣く)」

「泣くのは早いよ優!さぁ、頑張って!」

「おう!!」


「ふははは、この刀の力があれば僕は最強になれる!!」


「ごめんね、八代くん(泣)私が行ってれば…」

「あやまんじゃねーよ!」

「八代くん!!」

「待たせて、ごめん!」

「もう!心配したんだから!本当にもう会えないと思ったよ!」

「悪りぃ、悪りぃ」


「性懲りもなく、来たかクソガキ!!」

「ああ、お前を倒しに来たよ!」

「分身の時の僕とは、桁外れに強さが違う事を教えてあげるよ!」

そう言うと、奴は思いっきり俺の心臓めがけて拳をねじ込んできた。

「この力は、霊界のものじゃない!まさか、天界だと…」

「ああ、悪いな、これは俺の親友がくれた力なんだ」

「ぬ、抜けない!ま、拙い」

「お前に俺の持つ力全部、ぶつけてやる!!イクスティンクションバースト!!」

「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ」


光の大爆発によって、あいつの存在は跡形もなく消えていった。

そして、時雨を手に取った。

その瞬間、俺には時雨の本当の力がわかった。

「三日月…今まで本当にありがとうな」

「どうしたの、そんなにかしこまって?」

「あのさ、時雨の本当の力って時間遡行みたいだわ」

「え、それって今まで起きた事を全部やり直せるって事?でも、それって私は三日月くんの事とか今まであったいろんな事を忘れるって事でしょ」

「まぁ、そう言う事だな」

「そんな…全部忘れるなんて」

「しょうがないよ、これしか方法がないんだ、それにお前が俺の事忘れても俺は忘れないから、絶対に会いに行くから!」

「うん…(泣)、本当にここまでありがとう!」

「おうよ!!」


あいつが、幸せになるように全部変えるんだ!


「時間遡行!」



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