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木積さんと奇怪な日常  作者: 浅木宗太
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第二怪、拝み屋はつらいよ

修行をはじめて早3週間。月日が経つのは早い。早すぎてローラー靴でも履いてんのかなってくらい。3週間の間で私はパトロールのコースを覚えたし、彼方は河井荘に居る間は耳と尻尾を出したまま過ごすようになった。あと、何故か三角コーンを被った人にメチャメチャ謝られたりもした。学校ではクラスの委員決めとか1年生の交流合宿に向けての準備が、着々と進んでいる。この3週間で気がついたことがある。これは私のクラスだけでなく、学校全体に関して言えることなのだが、人間とそうじゃないものの割合が僅差なのだ。

人間の生徒を2人見かけたら、人間じゃない生徒を1人は必ず見かけている気がする。これについては彼方に話したことがあるのだが、彼女はさも当たり前だろうと言うような顔で「俺達だって学校くらい通うしな」と言ってのけるだけだったのだ。

学校に通うくらい知っとるわ。現に沢山見てる。なんでも、妖怪であれなんであれ、勉強するに越したことはないらしい。詐欺とかに引っかからないようにするためにも。妖怪を詐欺に引っ掛けたりなんかしたら後が怖いなと思ったのは内緒だ。そもそも引っかかるのがいるのだろうか、居たら居たでドジなんだろうなと思ってしまう私は悪くないはずである。

話は変わるが、最近、彼方は木積グループの令嬢であると知った。

木積グループといえば、もはや見かけない日はないと言うくらいの大きなグループだ。確かに珍しい苗字だが、妖怪が運営していると知っているものはどのくらい居るのだろうか。

彼方の話によれば、グループを取り仕切っているのは彼女の2人目の兄らしい。

そんな彼女を令嬢と知って狙う者も少なからず居るのだろうとここの所思っている。

そして令嬢としてではなくても狙われてるんだなーと今まさに思っている。

金髪のなんか喧しいのに絡まれている。

彼方だけでなく私も。

「レディ!この私が助けに来たからにはもう安心!すぐにそれを退治してあげますからね!」

私達は今現在進行形で大通りで注目を浴びている。

目の前には金髪碧眼の私よりも少し年上と思われる青年、隣には化猫商店で買った駄菓子が入った袋を持ち、飲むタイプのゼリーを啜る彼方、私はというと、同じく、駄菓子入りの袋を片手にもう片手にはイカの酢漬けの串を持っている。

突然すぎて反応が遅れてしまったのは仕方ないことだと思う。

「いや、あの、私特に何も困ってないんですけど……」

そう言うと彼は何故か得意げにポーズを決める。

「私には全部わかっています、良いのですよ、あなたはそいつに脅されているのでしょう?」

「いや、脅してくるやつと呑気に駄菓子食いながら歩くほど神経図太くないわ」

逆にそこまでの神経がある人が居るのならこの目で見てみたいものだ。

しかしながら、彼は全く話を聞いていないようで

「お前のようなMonster、この私が退治してくれる!」

と拳銃を取り出した。


「あ、もしもし?警察です?拳銃を持った不審者がうろついてるんです、早く来てください」


そこからはとても早かった。

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