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二通目。


それからのこと、私の文才と語彙力でどのくらい言い表すことができるのか不安です。


それまでの私はセックスといえば、愛撫することや挿入することしか知りませんでした。もしあれがセックスというものなのであればこれまで私がしてきたことはただの性処理にすぎなかったのでしょう。私は初めて自分の肉体にもどかしさを感じました。それは射精が早いとか遅いとかではなく自分の肉体の美しさとかいうものでもありません。ただ私の肉体や皮膚が私というものを閉じ込めている、と感じました。私はあなたにもっと入りたかった。私をあなたに侵入させ誰も到達したことのないあなたに入り穢したかった。


そんな思いに囚われたのは初めてでした。


そして、それから私の、簡単に言えば辛くて苦しい日々が始まりました。



私はあなたが忘れられなくなってしまった。自分のものにしたい、私くらいあなたのことを理解している人はいない、あなたも私を心の奥底では欲している、そういう考えから逃れられなくなりました。


それなのにあなたは他の人とのセックスや快楽を愉しむことばかりをSNSに投稿している。私と言えば、あなたがそんなことを書くのは私を嫉妬させたいからだ、と信じこもうとしているのでした。


ただ、一方で私は私がどんどんと冷徹になっていくのも感じてました。私はあなたの何にこれほど惑わされているのだろうか、あなたをあなた足らしめる源泉は何かずっと探し続けてもいました。そしてそれはあなたの美しさや肉感的なものでもなく、あなたに宿る才能ともいうべきものであることに気づきました。


そして私はあなたが私のものにならないのならば、あなたの才能を私の才能と同化させてしまおう、という思いになっていきました。


やはりあなたは怖ろしい人だ。


私がこうしてあなたにお手紙を差し上げているのはわざわざあの日を懐かしみたいなどという感傷から思い立ったわけではありません。


こうしてあなたのことを思い、言葉を、文章を綴っていくと私はあなたのことを身近に感じていくのです。そして少しづつあなたと一体化していけるような、そんな感覚になれるからなのです。




また書くかもしれません。



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