鳥かごの人
広く広がる空が
僕には苦しく感じた
広いから
届かない
広いから
知れない
そして広いから忘れられない
そんな空が僕は嫌いだった
空を見上げずに過ごした
何日も何年も
飛行機雲がのびていると
誰かが顔を上げていた
僕はただ進んだ
ただ進んだ
目の前に広がる景色には
果てがある
道がある
だから安心した
鳥が道におちていた
僕は手当しようと思ったが
あの空に飛び立たせることが
正しいとは思えなかった
でも見捨てることができず
家に持ち帰り
手当をした
そして鳥かごにいれた
バタバタと羽を動かせるようになり
空を飛びたそうにしていた
でもそれは間違ってると
僕は扉を開けなかった
それから何日も鳥はかごにいた
はじめは羽をバタバタさせていたが
もうじっとしている
止まり木にもとまらないで
地べたに立っていた
どこか悲しく見えた
どこか間違ってるように思えた
どうして空がいけないのか
もう一度考えた
空は
広いから届かない
広いから知れない
広いから忘れらない
広いから
それは自分が小さいから
自分が大きくなれないから
怖がって見なかっただけだと
自分は逃げていたとしった
鳥かごを開けた
鳥は飛びたたない
僕は教えた小さくなんかない
そう草原へといき
おもいっきり鳥の前で走った
いっぱい笑って
楽しいと教えてあげた
鳥は羽を動かし始めた
鳥は空へと翼を広げた
僕も空へと顔を上げた
何かに向かうときそこへ翼を広げなければ
飛べないと
僕は見上げた空にしった。