第1話 勇者召喚!?
1話です!色々考えてたら全然話進まなくて困りました。頑張って面白い小説が書けるようになりたいです!!
暗い。宇宙にでも放り出されたかのような感じだ。ここはどこなのか、俺は何をしていたんだろう。
暗い空間に光が射す。それと同時に光に引き寄せられる感じがする。まるで水中から水面に上がっていく感覚だ。だんだん意識がはっきりするのを感じた。
「ん⋯⋯、ここは、何処だ?」
目が覚めた煌月は起き上がり辺りを見回す。下はごつごつとした地面だ。周りは真っ暗な洞窟のような場所で自分以外にも幼馴染みの凛華や白鳥、九鳳院、七瀬などのクラスメイト達も大勢倒れていた。
このような場所を煌月は知らない。煌月は自分の記憶を探る。
確か自分は教室でホームルームを受けてたはずだ、このような洞窟に来た覚えはない。やはりホームルームの時に床が発光したのが原因だろうと煌月は推測した。
そこで煌月は思い出した。自分の読んでいた小説でもこういう見知らぬ場所に飛ばされるという話があるのを。その小説だとこの後に王女様が現れて「ようこそおいでいらっしゃいました、勇者様方」などと出迎える感じだった。そう思考に耽ていると⋯。
物音が聞こえてきた。鎧を着た騎士が歩いて来るような音だ。
その音に反応したのか周りで呻き声が上がった。
「うぅっ、ここは何処?」
「ぅんっ、背中痛ぇ」
「うぉわっ、真っ暗でなんも見えねぇ!」
クラスメイト達が起きたようだ。 それと同時に、扉の開く音がして周りに灯りが灯る。
そして白を基調とした豪奢なドレスを身に纏ったプラチナブロンドの髪の美少女が入ってきた。その後ろには先程の足音を響かせていたであろう騎士が続き、美少女がクラスメイト達の前にまで来るとその後ろで控えた。美少女が口を開いた。
「勇者様方、我らの召喚に応じていただき有難うございます。これから勇者様方には詳しい説明を致しますので付いてきていただけますでしょうか?」
それに答えたのはクラスのまとめ役をしている、コミュニケーション能力が抜群で成績優秀、運動神経抜群のイケメン君こと宰城 光太郎だ。
「あの、付いて行くのはいいんですが1つだけ教えてください。僕達はいきなり過ぎて何が起きたか分からないんですが、ここは何処なんですか?」
「ここは勇者様方の住んでいる世界とは違う異世界で、《ミルティア》と言います」
「異世界?何ですか?」
「はい。では王の間までご案内しますので付いてきてくださいね」
美少女はそう言うと入ってきた扉まで歩き出した。
クラスメイト達は別段騒ぐ様子も見せずについて行くようだ。クラスメイト達に小さな違和感を感じながらも煌月もついて行く。
長い階段を数分登り、広い廊下に出る。廊下を歩き右に左に曲がる。もう既に何回曲がったか分からなくなってきた時に、ようやく着いたようだ。この先が王の間なんだろう。扉がやたらと豪華で大きいし脇に騎士が控えている。
美少女は気にする様子もなく扉を開けて入っていく。
クラスメイト達は若干緊張した様子で入っていく。煌月はそれに続いた。
玉座と思わしき場所には王冠を被ったプラチナブロンドの髪を刈り上げ、髭を生やした如何にも王様といった感じの人物が座っていた。まぁ、王様なんだろうが。
これはもう、確定ではないだろうか。小説と似たような展開に疑いようのない王城。やはり俺とクラスの皆は異世界に召喚されたのだろう。しかも⋯⋯勇者として。
「よく来てくださった、勇者様方。私の名前はガルオス・ミルディア。そして勇者様方を案内したのは私の娘のミシェリー・ミルディアだ」
「初めまして勇者様方。私の名前はミシェリー・ミルディアですわ。気軽にミシェルと呼んでください」
やはり美少女は王女様だったらしい。騎士を連れていたし、豪奢なドレスを着ていたからそうだとは思っていたが、それでも感動の様なものを覚える。
「実は我らの国は魔王の率いる魔族の進行に脅かされているのだ。今は周辺諸国と力を合わせてなんとか耐え凌いでるのだがこのままではジリ貧なのだ。だから勇者様方には魔族を打ち破り魔王を倒してほしいのだ」
やはり魔王がいるのか、これは勇者補正とかチート能力とかあるかもしれない。
「あの、魔王とか言われても僕達は一般人ですし勝てるとは思えないんですが?」
光太郎がそう言うと王様はその質問が来るのを分かっていたかのように答えた。
「大丈夫だ。召喚された勇者様方には女神様からの祝福により、強力な能力と高いステータスがあるのだ」
「その話が本当なら僕達には魔族に対抗出来る力が備わっているんですね」
「ああ、勇者様方の力は強大無比で、1人1人が兵士2~300人分もの力があると言われている。とは言っても最初から兵士2~300人分の力があるわけではない。レベルを上げて魔法を覚えなければ魔族には対抗出来ないだろう」
「えっと、僕達は魔法を覚えることができるんですね?」
「うむ。召喚された勇者様方の魔力は常人よりも多いからな。それに魔法の適性も持っているらしい」
「みんな、僕達には魔族に対抗出来る力があるらしい。みんなはどうしたいのか教えてほしい」
「俺達にはすげー力があるんだろ?だったらいーじゃん。やろーぜ!」
「私も!凄い力があるならお金持ちになれるよね!」
「俺だって!チートがあるんならハーレムだって夢じゃないはずだ!!」
生徒達の反応は良好だ。だが、ここである人物が異論を唱えた。
「そんな危険なこと駄目です!怪我したらどうするんですか!?」
美奈子先生である。美奈子先生は戦闘による生徒達の危険を案じたようだ、生徒達が無傷ですむ保証もないので反対らしい。生徒の安全を第一に考える美奈子先生らしい考えだと思う。生徒達はチート能力があることに有頂天になって戦闘の危険性を忘れていたらしい。
「で、でも俺達には凄い力があるんだから大丈夫だって」
「そ、そうよ。訓練とかしっかりすれば強くなれるんだから」
生徒達は必死で美奈子先生を説得しようとする。
「美奈子先生、今の僕達にはこの国を救える力があるんです。力を持つべき者は持たざる者を助けるべきです」
光太郎も説得に入る。それにより美奈子先生も折れたようだ。
「うぅ、分かりました。ですが!私も生徒達を守る為に戦います」
美奈子先生も生徒達を守る為に戦うことを決めたようだ。
「分かった。我々も勇者様方が強くなれるように全力で支援に尽力する」
王様も勇者が傷ついては困るのか、支援は惜しまないようだ。この後王様からはこの世界の色々な説明を受けて休むことになった。訓練やステータスなどについての説明は明日から行うことになった。
今日は色々あって疲れたので早く休みたいものだ。
王様から1人1人に個室が与えられそこで休めるようだ。だがその前に食事が用意されているらしく食堂で皆で食事をした後、城の大浴場に入り部屋に戻る。
ベッドに潜り込みながら煌月は元の世界に帰れるのかについて聞いていないことを思い出した。何故誰も聞かなかったのか、クラスメイト達の様子も気になった。やはりこの国は何かあると思いあまり信用しないことにして意識を手放した。
次回はステータスについてです!
日曜日には投稿出来ればいいですね。
そんな夢を抱きました!