ろまんぶっ
「ようこそ理想主義部へ…む、これではロマンチックではないか…?」
俺の目の前にいる女はなにやらぶつぶつと呟いている。どうやら部長のようだ。
「ここが君の…いや君を受け入れてくれる場所だ!うん、これでいいな」
納得しているようだ。
「それで君は何のためにここにきたのだ?」
「俺はこの部活に入りに来たんだ。ほら、ここに入部届も」
「お断りでし」
「なんでだよ」
「もっとロマンチックに言わないと心に響きません」
面倒な女だなー。
「よしわかった」
「ではもう一度。それで君は何のためにここにきたのだ?」
「俺は貴女のような美しい女性と共に自身の能力を高めるためにこの部活…いえ貴女様にお仕えしに参りました」
「ぐはぁぁっ」
色々な所から血を吹きだして倒れてしまった。ちょろいな。
「くっ…君のような新参者にこの私がやられてしまうとは…よろしい、君の入部を許可しよう…。」
「それでこの部活は何を目的とする部活なんだ?」
「ふっふっふ…それはだな…。自分の理想を追求し実現に向けてありとあらゆるロマンチックな行動を研究しゆくゆくはそれを現実とするのが目的なのだ!」
「…。」
見た目の割に言動がぶっ飛んでる気がしなくもないな…。
「私の大いなる目的を聞いて感動に声も出ないか。まぁ無理もない。君もこのような高尚な目的をもってこの部活動に参加してくれ!」
人物紹介をしておこう。俺は黒崎枢。この部長は能美つかさというらしい。
ここに入ったのはこんな部を新設した人に興味があったからだ。それに面白そうだろう?普通の部活でないことは容易に想像できる。自分自身そこまでロマンチストではないと思うがそれなりのことは考え付く。さっきのセリフで認められるというならお安い御用だ。
…とまぁこんな感じで俺はこの部活動に入ることとなった。