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lie.12 金髪碧眼

今回文章が多いです。少しだけ。魔女登場なので。


おっさんが魔女を連れてきてくれるというのは本当なんだろうか。実は怪しいことこの上ない俺をとっ捕まえて簀巻きにして川に放り込むために、仲間を連れて来るんじゃなかろうか。俺の猜疑心なめるなよ。人一倍疑り深いからな。臆病者だからな。


 「あーんーぱーんんんん」


 騒ぎ立てるアイルの両頬を引っ掴んでいーってやってやった。もうこれ以上怪しい所を見せるわけにはいかないのに、道の真ん中で見えない何かを引っ張っている俺。怖い物知らずだ。


 「それ以上騒ぐと壺叩き割るぞ」


 そう言うと、アイルはおとなしくなるどころか、無言で俺の頭を小突いてきた。後ろから。

 その、声は出してないし、姿は見えないから確かに安心ではあるんだけれども、ちょっ痛い。やめてくれ。地味に痛いから。痛いのに抵抗したら怪しいから。


 「おい、兄ちゃん。魔女連れてきてやったぞ」


 まるでもう何度も声を掛けたかのような声色に眉を潜めて振り返ると、おっさんが俺の肩を叩いていた。そのすぐ近くにアイルが浮いてあっかんべーってしている。肩叩いてんのもアイルかと思ってた。こいつのせいで気づかなかったのか。畜生。つかなんで後ろからくるのおっさん。


 しかし嬉しいことに、おっさんが連れてきた魔女は迫力ナイスバディの肉感的美女だった。金髪巻き毛に青い瞳。お人形さんのようで、長い睫をパチパチさせて俺を見ながら「一緒に旅に連れてって欲しいの……」って。


 言いません。ちなみに金髪碧眼でもナイスバディでもありません。


 俺と同い年くらいに見える魔女は、頬のこけた面長の顔で、少女のようにあどけない眼は俺をまるで珍しい物かの如くじっと見ている。顔色は青白く、唇は紫色で、目の周りには黒系の化粧が施され、顎は尖っていてすごく怖い。黒い眼を見ていると吸い込まれそうだ。吸い込まれるのかも。なんかの魔法か。そうなのか。


 細いドレッドヘアを高い所で一つに纏めていて、腰の辺りまでバラバラと落ちるその黒髪はビーズや糸で飾られてまるで人間の髪には見えない。ガリガリの身体には紫にキラキラ光る薄布のチュニックを着て、全身を真っ黒のアンダーウェアが覆う。手足が棒のように細い。



 彼女の全身を観察する俺をまだじっと見てる。怖いよ。呪われたらどうしよう。


 魔女にはイメージの元となった映画の中の人物がいるんですが、あまりに気に入ってしまい、見た目はほとんどまんまです。元とかいうレベルじゃない。いいんでしょうか。別にいいよね。

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