不公平
掲載日:2026/10/07
深い雪山で、老人会の一行百人が遭難した。
すぐに、救助隊が捜索を始めた。
最初の一人は、すぐに見つかった。
その後も続々と、救助の報が届いた。
しかし、残り十人になったところから、なかなか見つからなくなった。
捜索隊が増員された。ヘリが出動した。
それでも見つからない。
すでに救助された人々は、固唾を飲んだ。
とうとう重機が投入され、山じゅうの雪をかき分けた。
そしてついに、最後の一人が無事、発見された。
「万歳!」
人々は喜んだ。
数日後。
老人会の一行は、常夏の海辺を訪れていた。
添乗員が、預かっていた百人分の財布を砂浜に落としてしまった。
あわてて探すと、最初の一つは、すぐに見つかった。
その後も、次々と見つかった。
しかし、残り十個になったところから、なかなか見つからなくなった。
自分の財布が見つからなかった老人たちが騒ぎ始めた。
「不公平だ!」
添乗員は、捜索隊を呼んだ。
それでも見つからない。
とうとう重機が投入され、浜じゅうの砂をかき分けた。
そしてついに、最後の一個が無事、発見された。
「万歳!」
老人たちだけが喜んだ。




