第8話「決行の時、そして『新たな真実』」
敵の『切り札』であるクローン兵士たちを前に、僕たちは、アイリスの『計画』を信じ、最後の戦いへと向かう。
コアへと続く通路は、クローン兵士たちで埋め尽くされていた。
彼らは、僕たちを認識すると、一斉に銃を構える。
「アレクサンドル。彼らと戦う必要はないわ。このコアを破壊することが、私たちの使命よ」
アイリスは、アレクサンドルにそう告げる。
アレクサンドルは、その言葉に、静かに頷いた。
彼は、自分が戦い続けることで、敵の兵士たちが進化していくという、絶望的な状況を理解していた。
「高階レン。あなたは、アレクサンドルがコアにたどり着くまで、彼をサポートして。彼は、何度も死に、蘇る。その度に、あなたは彼を蘇らせ、彼の記憶を保持させて」
「わかった」
僕は、アイリスの指示に従い、アレクサンドルのサポート役に回る。
アレクサンドルは、クローン兵士たちへと突進していく。
彼の肉体は、銃弾を浴び、何度も倒れる。
だが、その度に、僕は彼を蘇らせ、彼の記憶を保持させる。
アレクサンドルの死と蘇りを、僕は、ただ見ていることしかできなかった。
僕の役割は、彼が死んだ時、彼を蘇らせ、彼の記憶を保持させること。
それが、僕に課せられた、あまりにも残酷な役割だった。
そして、ついにアレクサンドルは、コアへとたどり着いた。
コアは、巨大なカプセルの中に設置されており、その周囲は、幾重もの防御壁によって守られていた。
「今よ、アレクサンドル!コアを破壊して!」
アイリスの言葉と同時に、アレクサンドルは、コアへと向かって、全力で突進する。
だが、その時だった。
コアから、まばゆい光が放たれ、僕たちの脳内に、一つの映像が流れ込んできた。
それは、僕が知っている、この世界の歴史とは、全く違う歴史だった。
僕が、この世界の終末を回避するために、未来を変えようとしていたこと。
僕が、この世界の歴史から抹消されるはずだった、100億人の魂を救おうとしていたこと。
そして、僕が、この世界の終末を回避するために、この世界を破壊しようとしていたこと。
「……そんな」
僕の脳内に流れ込んできた映像は、僕が知っている、僕自身の記憶とは、全く違っていた。
僕は、この世界の終末を回避するために、未来を変えようとしていた。
だが、その未来は、僕が知っている未来とは、全く違う未来だった。
僕の目の前に、ソフィア博士の姿が浮かび上がった。
「高階レン。君は、この世界の終末を回避するために、この世界を破壊しようとしていた。それが、君に課せられた、本当の使命だ」
「……どういうことだ?」
ソフィア博士の言葉に、僕は驚きを隠せない。
僕が、この世界の終末を回避するために、この世界を破壊しようとしていた?
そんな馬鹿なことが、あっていいはずがない。
「この世界の終末は、もう避けられない。だからこそ、君は、この世界を破壊し、新たな世界を創造しようとしていた。それが、君に課せられた、本当の使命だ」
ソフィア博士の言葉は、僕の心を深く抉った。
僕は、この世界の終末を回避するために、未来を変えようとしていた。
だが、その未来は、僕が知っている未来とは、全く違う未来だった。
僕の物語は、ここから、僕とアイリス、そしてアレクサンドル、三人で紡ぎ始める。
この世界の『新たな真実』を前に、僕たちは、本当の戦いへと向かうのだった。