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2話 【種族が疑問形ってネタですか?】








 ゴブリンの腕などを食べたくらいでアナウンスが鳴ったわけだが、その後もほぼ裸のゴブリンの腰巻きだけ歯で外して食し続けたところ。




[咀嚼の固有スキルが発動しました。生体名/鬼種:小鬼の構成組織を確認、40%を把握しました。以後、小鬼への40%の部分変異が可能となります。部分変異の箇所を選択して下さい]




[咀嚼の固有スキルが発動しました。生体名/鬼種:小鬼の構成組織を確認、80%を把握しました。以後、小鬼への80%の部分変異が可能となります。部分変異の箇所を選択して下さい]




[咀嚼の固有スキルが発動しました。生体名/鬼種:小鬼の構成組織を確認、100%を把握しました。以後、小鬼への完全変異が可能となります。]




 と、途中途中にアナウンスが流れ、その後も変異を選択し続けると俺はゴブリンになっていた。

手や身体や足がある。

顔を触ったが丸くはなく、頭には小さな角もある。

なるほど完全変異か。




 ステータスと別で表示可能な身体組織っていう画面には現在…



―――――――――――――――

     身体組織


[鬼種;小鬼] 頭 身体 腕 足

―――――――――――――――




 と、記載されている。

これはつまるとこ今現在小鬼の頭と身体と腕と足ですよという説明だろう。

ちなみにステータスも変わっていた。




―――――――――――――――

名前/なし

種族/小鬼?

レベル/1

固有スキル/咀嚼


攻撃力/E

防御力/E

魔力量/A

俊敏/E

器用/F

幸運/A

―――――――――――――――




 種族が小鬼?なのは少し癇に障るが、ステータスも上がって居るので良しとしよう。

そして、早いうちに肉団子を卒業できてよかった。

ゴブリンのほうが百倍マシだ。

比べる基準が低すぎるが。





 とりあえず咀嚼で食べれば進化というか、変異ができることがわかった。

が、まだ把握しきれていないので他のモンスターなども食してみたい。

ゴブリンが食べられたなら大抵はいけるはずだ。

だが、ゴブリンの場合は奇跡的に勝手にお亡くなりになってくれたが次はそうはならないだろう。

どうにかして戦えるように考えないと駄目だな。











 とはいったもののそもそも前世でも戦ったことなどほとんどない。

学校で柔道や剣道の授業があったり、親に連れていかれて空手の体験に行ったりしたくらいだ。

殴り合いの喧嘩もしたことがない。

とりあえずとばかりに腕立てなんかをしてみたがゴブリンの非力で細い体では厳しい。




 なので、俺は考えた。

考えて考えて…そして穴を掘った。

手や石を使って地道に掘った穴はゴブリンの身体の胸辺りの高さくらいになった。

ここまで丸一日。

他のモンスターには出会わなかった。

あ、そうか幸運Aだったわ。




 それから鋭利な石で木の棒を次々に削っていった。

ここに丸一日またかかった。

その木の槍を穴の中に刺していく。

そして細長い木の棒や木の葉などを使ってそれを隠して木の上に登って待機。




 この待機に丸三日だ。

お腹へった。




 そして三日後ついにモンスターが現れた逸れ狼だ。

狼だが角が生えてるので多分モンスターだ。

狼は鼻が良さそうだし耳も良さそうなのでジッと静かに見つめる。

落とし穴の上には採取した果物が置かれているがあれは一つしか無かったなけなしの果物だ。

そもそも狼が食べるのかも謎である。

だが、ひたすらにじっと見つめた。



 すると、狼はその果物を見つけて周りをキョロキョロしてから近付いた。

一歩、また一歩と落とし穴に寄っていく。

そして……ガッと音がなって落とし穴を踏み抜く。

グサッと狼に刺さったのが分かるが結構頑丈なのか鋭利な木の槍は狼を貫通していない。

そこで、この日までずっと持って待機していた木の上に運ぶのが大変だった大きめの石を狼に向けて落とす。

これで死ななければ終わりだ。



 ゴンッと音がして狼の頭にクリンヒットした石、その重さと高低差から生まれた勢いによって狼は串刺しになった。

それからしばし観察。

仲間は来ない。



 よしよし、と俺は木からゆっくり降りて大きな狼の亡骸を落とし穴から引き上げる。

さすがにけむくじゃらを食べたくないので愛用の鋭利な石で毛を剥いでいく。

半日掛かってしまったが、なんとかツルツルになりかけの状態まではもっていけた。




 神に感謝して頂きます。




 食べながらアナウンスを聞く。

不思議なことにゴブリンの顎力なのか咀嚼のスキルなのか骨や頭蓋骨すら軽々と食べることができる。

そして、絶対そこまで美味くないのに美味しく感じる。

それだけは本当に神に感謝したい。




[咀嚼の固有スキルが発動しました。生体名/魔狼種:角狼の構成組織を確認、100%を把握しました。以後、角狼への完全変異が可能となります。]




 2つ目の生物を食べて咀嚼のスキルについて分かったことがある。

一つは食べた部位ではなく、全身を100%と捉えてその食べた割合20.40.80.100でアナウンスが流れ頭、身体、腕、足の変異が可能になるということと、変異をしないで放置することも可能だということ。

そして、一度食べれば後から身体組織の所でこれのこのパーツ!と切り替える事ができるということだ。

ちなみに、変異させたパーツによってステータスも変わる。



 例えばだが狼の足にすればゴブリンの足よりも俊敏が上がったが、戻せば下がった。

つまりキメラのように好きなパーツを好きなように組み合わすことが永続的に可能だということがわかった。



 そう考えるとなんと便利な機能。


 

 ちなみに試行錯誤した結果現在、またとてつもなく気持ち悪くなってしまった。



―――――――――――――――

     身体組織


[鬼種:小鬼] 頭 身体 

[魔狼種:角狼] 腕 足

―――――――――――――――




 もう見た目気にするのやーめた。

もうどうにでもなれー。




 ちなみに罠と石で仕留めたのが良かったのかレベルも上がった。



―――――――――――――――

名前/なし

種族/小狼鬼?

レベル/3

固有スキル/咀嚼


攻撃力/C

防御力/D

魔力量/A

俊敏/C

器用/E

幸運/A

―――――――――――――――



 小狼鬼ってなにさ。

そんなんあるんすか??













 それから数日。

ゴブリンの単体にまた出会ったが通常は二足歩行しているが角狼の足と腕による四足歩行による俊足と鉤爪によって余裕で倒すことが出来た。

だが、一度食べたモンスターは腹しか満たせないということも分かった。

咀嚼の条件はあくまで初めましてのときだけのようだ。




 ただ、その後にゴブリン三体に出会った時新たな発見をする。


 


 二体はいつも通りのゴブリンだったのだが一体がいわゆるゴブリンメイジだった。

当たっても少し火傷する程度な上に連発できないから避けて攻撃すればなんなく倒せたがそのメイジを食したところ新たにアナウンスが流れた。



[咀嚼の固有スキルが発動しました。生体名/鬼種:魔導小鬼の構成組織を確認、100%を把握しました。以後、魔導小鬼への完全変異が可能となります。]



 魔導小鬼という新たな変異だ。



 え、魔法使えんの?

と思って色々試してみたところ。

脳が関係するのか頭の部位を付けた時のみ魔法が使えることが分かった。

そして、メイジより魔力量が多いからか連発の速度と威力はメイジのより高かった。

そして、メイジの頭を付けてからステータスに新たな項目が増えた。



―――――――――――――――

名前/なし

種族/魔導小狼鬼?

レベル/9

固有スキル/咀嚼


攻撃力/C

防御力/D

魔力量/A

知略/C

俊敏/C

器用/C

幸運/A

―――――――――――――――



 知略の項目である。

確かに今までどこかぼんやりとしていた脳が少しクリアになった感覚がある。

そして、メイジのおかげか器用も上がった。

レベルによっても上がってるみたいなのでかなり良いペースで成長している。

気がする…。

















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