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11話 【お風呂が欲しい】







「ゼツ……どうだ?出来そうか?」




 俺が今日呼び出していたのは建築ゴブリン達の棟梁、名前を与えて鬼人へと進化した黒髪短髪の大柄なゼツだ。




「陛下が言う、その風呂っていうやつの構造は分かりました。火魔法でお湯を沸かす方法もあるのでそこは問題ないでしょう。水魔法で水も生み出せますし。あとはホムラに言ってその配管っていうのを繋げて屋敷の外、湖まで流せるようにすれば問題ないかと…」




 ちなみにホムラは鍛冶ゴブリン達の棟梁で赤髪赤目の筋骨隆々な鬼人である。




「それじゃ、頼む。お風呂にどうしても浸かりたい。」


「作るのは一階でいいですよね?1つ部屋を改築して仕上げましょう」


「問題ないよ。お願い」




 よしよし、これでお風呂に入れるぞ。

そもそもゴブリン達は水浴びの文化すらなかった。

疫病が怖い俺が徹底させて水浴びをするようになり、今はぬるま湯と布で湯汲みをするのが流行っているが風呂が良い。

リザードマンも湖で身体洗うし、オークやコボルトもやっと水浴びを覚えたが、いくら魔物といえど不衛生はダメだ。

ぜひとも風呂を流行らせたい。





 最近バブルワという石鹸として使える木の実が発見された。

それにより清潔さが増した。

女子達の髪もサラサラである。

ここにさらに風呂が追加されればしっとりお肌もいけるはずだ。

ソラさんのむちむちつるつるお肌を守りたい。

あ、って言ってもあれだよ?

肉体関係はまだないからね?本当だよ?













「東側に入ってきていた人間達はここ最近は森に入っていないですね」


「そうか……それはよかった」


「それと、街から7日程西側に進んだ場所にエルフの村を発見しました。」


「エルフ??まじ?」


「魔法で隠されいましたが偶然発見しました。こちらの街には気付かれていません」


「そうか……まぁでもいずれ気付くよね。正直森の外の人間も気付くでしょいずれ」


「我々隠密は闇魔法を所得しているのでなるべくこの街付近には他の魔物や魔獣が近づかないようにしていますが、確かに陛下の言う通りそれもいずれバレる可能性はあるかと…」


「だよね………」




 シャドーからの報告を聞いてエルフにちょっとテンションが上がったけど、正直悩みのタネが増えた。

シャドーの言う通りアサシンゴブリン達は進化の過程で闇魔法を会得していて街の周りにそれを幻惑の結界を張っているけど、いずれバレかねないんだよな。

やはり戦力強化は必要だな。

現状ゴブリン200、オーク150、コボルト100、リザードマン200、バトルベア20で総数が670体程に膨れ上がったが元がそこまで強くない者らも多いし、進化で強くなったといえどこの世界の人間や他種族の強さの底も全く見えない。



 正直新たに鬼人という種族になった我々はかなり強いとは思う。

だが、世界は広い。

俺自身の強化も最近は進んでいない。

そろそろそういう強化も進めたいな。














 自身の強化に念頭を置き、とりあえず魔法が使える魔獣を探し回った。

もちろん狩猟部隊や隠密部隊にも協力してもらってだ。



 そして見つけたのがドラゴンフィッシュとカマイタチ。

ドラゴンと呼ばれているがドラゴンの眷属ではないドラゴンフィッシュは見た目は前世の蛇のような見た目だがドラゴンに似ていてかなりデカいし水魔法を使うが攻撃が単調な為空を飛びながら戦いリザードマンにも協力させてなんなく倒すことができた。

カマイタチは風魔法の斬撃を放ってくるのだが個体自体の防御力は低いのでこれは単騎で倒すことに成功した。



 ちなみにドラゴンフィッシュはめっちゃ美味かった。

鰻に似てる。



 で、ここで新たに身体組織に○魔法という属性の枠を追加したことで俺は今三属性の魔法を使うことができる。



――――――――――――――――

     身体組織


[人種:人間] 脳 全身

[鬼種:小鬼] 

[鬼種:魔導小鬼] 火魔法

[鬼種:小鬼王] 角

[豚人種:大豚人] 

[豚人種:大豚人王]

[魔狼種:角狼] 嗅覚 顎力

[魔兎種:角兎]

[魔兎種:大角兎] 聴力

[魔熊種:戦熊] 筋肉 

[魔蛇種:毒蛇] 毒

[魔鷹種:黒鉄鷹] 瞳 皮膚硬度

[魔狼種:狼人] 牙

[魔蜥蜴種:竜人] 水中呼吸 遊泳

[魔鼬種:鎌鼬] 風魔法 危機察知

[魔魚種:龍魚] 水魔法

――――――――――――――――


 ドラゴンフィッシュの水魔法はそれなりだが、カマイタチの風魔法も、ゴブリンメイジの火魔法も正直イマイチだ。

そして取得した個体の魔法の才能がそのまま反映されることが分かっている。

主に使える魔法だ。

威力は魔力量の差で、上がるが使える魔法のレパートリーはその個体の使えるものでしかない。

メイジだとファイアボールとファイアアロー。

カマイタチだとウインドカッターとトルネード。

威力が上がる分普通のそれよりは強くはあるけど、納得はできないレベルだ。



 魔法以外でも欲しい能力は山程あるしなー。はぁー


 












「陛下……近くの森でスターラビットを見つけて総出でなんとか討ち取りました。」


「スターラビット?」


「はい、途轍もない速さを持つ魔獣です。我々でもかなり苦労した程です。」



 目の前に置かれた兎は、少し大きめの灰色の兎だった。

かなり大きな牙を持っているが、あの狩猟の天才エルとその部下達が総出で苦労するってどんな動きするんだ?

ということで食べてみた。

俊敏は上げたかったので、これは有り難い。



――――――――――――――――

     身体組織


[人種:人間] 脳 全身

[鬼種:小鬼] 

[鬼種:魔導小鬼] 火魔法

[鬼種:小鬼王] 角

[豚人種:大豚人] 

[豚人種:大豚人王]

[魔狼種:角狼] 嗅覚 顎力

[魔兎種:角兎]

[魔兎種:星兎] 俊敏

[魔兎種:大角兎] 聴力

[魔熊種:戦熊] 筋肉 

[魔蛇種:毒蛇] 毒

[魔鷹種:黒鉄鷹] 瞳 皮膚硬度

[魔狼種:狼人] 牙

[魔蜥蜴種:竜人] 水中呼吸 遊泳

[魔鼬種:鎌鼬] 風魔法 危機察知

[魔魚種:龍魚] 水魔法

――――――――――――――――



 そしてスターラビットさんの俊敏を貰った。

すると、Cだった俊敏がAに変わった。

なに?B+ではなくて?



――――――――――――――――

名前/クロ

種族/鬼人

レベル/55

固有スキル/暴食


攻撃力/B+

防御力/B+

魔力量/A

知略/B+

俊敏/A

器用/B+

幸運/A

――――――――――――――――



 ついに俊敏が……

これはデカい。

これだけの速度があれば、リザードマンの槍が当たるような事ももうないだろう。



 そして、一通り全体的に高水準になっているのも嬉しい。

ほぼFだった頃が懐かしい。



 新たな速度が気になったので、街の外に出て走ってみることにした。

脚に力を入れ、力強く大地を蹴る。

次の瞬間には凄まじい爆風を感じながら途轍もない速さで移動していた。

なるほど……これはやばい。



 大地に足をつき慌てて踏みしめて停止して振り返ると一瞬でかなりの距離を進んでいた。



 慣れる為に何度か走る。

そして、走るだけではなくパンチやキックなどの動きも加えてみる。

うん…………はっや。



 後でシャドー達、隠密部隊に褒美をあげよう。















 今や皆が忙しくてたまにしか集まって食事をすることもなくなり、毎日俺はソラと食事をしている。

たまに幹部達ともご飯を食べる。

食事が終わってから湯汲みをして、寝間着の薄い服に着替えてから寝室に向かう。



 近くに鉄鉱山を見つけコボルト達を派遣している為、最近街では鉄製品が増えたのだが、水魔法の派生である氷魔法で冷やす鉄の箱…新簡易冷蔵庫が部屋に置かれている。



 その箱から鉄のポッドを取り出してコップに冷たい紅茶を入れる。

そして、ソファの前のテーブルにそれを置いてから木の窓を開ける。

これが最近のナイトルーティンだ。



 そこで寛ぎながらうとうとしていると、ソラが入ってきて窓を締め空になったコップを片付ける。

これもいつものことである。



「寝ますよ…へい……クロ様」


「……うん」 



 そう言われてうとうとしながらソラとベッドに向かう。

ソラが部屋の明かりを消すと、暖炉の優しいオレンジの明るさだけ少し残る。

ちなみにソラは最近二人きりだと陛下ではなくクロ様と名前で呼びたがる。

嫌ではないので放置。



 ソラが腕枕をして抱きしめてくれる。

普通は逆じゃない?と思うが、ソラはそれが良いらしい。

乙女の気持ちはわからん。



「今日もよく頑張りました。おやすみなさい…クロ様」


「うん……おやすみ」



 寝る前の挨拶をすると俺のおでこにソラの唇が触れる。

これも日常である。

俺はソラのバブルワの石鹸のような匂いと、女の子の優しい匂いを嗅ぎながら目を閉じる。

今日も疲れました。おやすみ世界。









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