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これが、僕たちの青春。  作者: アイ
序章.異世界への修学旅行
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6.絶望、再び

全員、死んでいる…?

それは、本当なのか……?

意味が、わからない…。

いや…、これは、僕が現実を受け止めたくないだけだ…

騒がしかった学校が静まり帰る。

「は…、はあ?さっきから…、何不謹慎な冗談ばっか言ってんだよ!!」

突然、怒鳴るような声が響いた。

「……よせ、この人が冗談を言う意味がない」

僕はそう答えたが、今でも冗談だと信じてしまいそうになる。

「…今からバスに戻り詳しく話をします、ついてきてください」

僕たちは指示に従い、暁さんについていく。

バスで聞かされたのは、こんな内容だった。

「まず、皆さんの中に能力を持っている方はいらっしゃいますか」

そう言われたので僕と透羽は手を挙げる。

「お二人は能力をお持ちなんですね、分かりました。

申し訳ないのですが…、能力をお持ちでない方は、これからずっと、異世界_日本で暮らしていただきたいのです。そして…、もう二度と、こちらの世界に戻ってくることはできません」

一瞬だけ、バスの中が静かになる。

「え…っ!なんで!?」

「どうして僕達は駄目なんですか!?」

「嫌だよ!なんで異世界で暮らさないといけないんだよ…!?」

「なんで私たちだけ…?」

急激にバスの中が騒がしくなる。

僕達は良いのか…?

「本当に申し訳ないのですが、能力をお持ちでない皆さんに拒否権は無いのです。危険だからです。私たちサテライトは、唯一生き残った貴方がたの命を危険に晒し、魔力を持っている人間を絶やすことは絶対に許されないのです。」

今までで一番強く、そして心から申し訳なさそうに暁さんが言った。

「みなさん、幸せになってください。また、この世界にいたという記憶はすべて消させていただきます。」

この言葉で、さらにバスが騒がしくなる。

「そんなの…あんま_」

「ふざけんじゃねえ_」

「なんで、こうなる_」

暁さんが指を鳴らすと同時に、クラスメイトの声も、そして姿も、跡形もなく消えた。

「…どうして」

透羽のその言葉に、今まで驚きと絶望で一滴も流れてこなかった涙が零れ落ちる。

「まだ…、意味がわからない」

「…安心してください、クラスメイトや先生方は、今は安全な場所で、何事もなかったかのように過ごしています。…貴方がたは、能力をお持ちとのことでしたね?詳しいことはヴォア・ラクテ城で話します。」

ヴォア・ラクテ城。

この世界の支配者_王のための城。僕たちが住んでいた町は、ヴォア・ラクテ城の城下町だ。そのため、存在は知っていたが…、実際に入ったことはない。

「ヴォア・ラクテ城…、そこに行けば、全て…、教えてくれるんですね?」

「今分かっている情報は少ないですが、分かる範囲でお答えします。…拒否したければ、拒否していただいても構いません。その場合、貴方がたもクラスメイトの皆様と同じ場所へ、記憶を消して転送いたします」

…拒否すれば、こんな最悪な現実はすべて忘れて、何事もなかったかのように生きていけるのか…。

そうなったほうが、幸せなのかもしれないな。


………けれど、せっかく与えられたチャンスだ。僕から全てを奪った、この最悪な事態の真相が、ヴォア・ラクテ城に行けば知れる。

「…私は構いません、真実を_教えてください」

「…僕は、真実を知りたいです」

「わかりました。では、行きましょう。」

そう言って、暁さんは指を鳴らす。

その途端、周りの景色は見慣れた町ではなく、豪華で美しい城に変わっていた。

期間空いてしまいすみません。もう少ししたらリアルが落ち着くので、投稿頻度上げます!

キャラ名

暁大河あかつきたいが

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