3.現実世界からの知らせ
「日本」という異世界に来てから2時間。
だいぶこの世界にも慣れてきた。
分かったことはこの世界に住む人は魔法が使えない、そして能力もないということだ。
使える人は少ないが、現実世界では魔法が存在する。
ちなみに僕は能力はあるし、魔法も使える!
我ながら運が良い。
能力は生まれつきで決まる。魔法だって、生まれ持った魔力がないと使えない。人によって魔力の多さは違うが、少しでも魔力を持って生まれてこれば魔法が使え、魔力の量も努力次第では増やせる。逆に言えば、少しも魔力を持たずに生まれてこれば、どれだけ努力をしても魔法は使えないということだ。
本当にこの世界の仕組みは理不尽だ_などと僕が考えていると、
「ねえ、何ぼーっとしてんの?せっかくこんな面白い世界にこれたんだし、目一杯楽しもうよ!」
柄にもなく、目を輝かせた透羽が言う。
いつもは結構落ち着いてるんだが。
「まあそうだよな、すまん、この世界のことを考えてたんだ」
「考えたって何もわかんないじゃん?じゃあ早速行こうよ!」
こいつ、本当に透羽か?見たことないくらいはしゃいでんだが…
「そうだな、どこ行ってみるか?」
「じゃあ_」
ひ、酷い目にあった…
なんだよ!?男子をメイクやらファッションやらの店に連れ回すなんて…
行きたいなら女子と行けよ!!
大体そんな店は現実世界にもあるだろ…、せっかく異世界に来たんだから、ここにしかないところ行きたかったんだが…
「いやーたっくさん買えた!次はアクセ__!?」
_!
「緊急事態だ!お前たち、今すぐ到着場所に戻って来い!!」
突然、頭の中に直接、先生の声が響いた。
何だ_?随分と焦っているような声だが…
「元の世界が………襲撃されたんだ!!」




