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73、ブレスレットが4連になったよ

「わぁっ! 広い集落だね」


 山道を進むと、左の崖の下に、突然ひらけた草原が現れた。この場所からだと、全体がよく見える。海辺の集落にいる人化するスライムの家に似た小屋が、集落をぐるりと囲むように建てられている。


「ジュリちゃんは、ここに来るのは初めてだよね? 若いスライムが300体ほど棲んでいるんだよ。人化を維持して眠る小屋は、ほとんど使ってないから、客人用になってるけどね」


 途中まで迎えに来た、黒い髪の人化するスライムは、楽しそうに集落の紹介をしてくれる。


「へぇ、海辺の集落の何倍も広いね」


「うん。ここが、人化できるスライムの棲み家としては、一番大きな集落だね。スライムの数でいえば、もっと大勢が棲む集落は、他にもたくさんあるけど」


「ふぅん、そっか。ここから、どうやって集落に入るの? 階段がないけど?」


「飛び降りるんだよ」


「ええっ!?」


 そう言うと、黒い髪のスライムは私を抱き上げ、そして、ジャンプした。


(わっ、わっ!)


 アルくんは、私が慌てたのを見て、クスッと笑ってる。そして、アルくんも飛び降りてる!


 着地した場所には、ポヨンとした弾力を感じた。アルくんは、トランポリンみたいに跳ねてる。


(スライム?)



「ジュリちゃん、楽しいだろ? 地面で寝てるのは、この集落の門番なんだよ。集落に入るときは、門番の上に飛び降りるんだ」


 アルくんは、子供っぽい笑顔ね。


「じゃあ、帰るときは? 勢いをつけて飛び上がるの?」


「帰るときは、ビヨーンと触手を伸ばして、さっきの道に持ち上げてくれるよ。門番のスライムは、すごく大きいんだ」


「へぇ! 面白そう! でも、この高さを飛び降りる勇気は、私にはないかも」


「だから、ブラックさんが抱っこしてくれたんだね」


(やっぱり、ブラックさんなのね)


「ジュリ、オレには、特に名前はないよ。アルが、そう呼んでいるだけだが、集落の中にも、同じ呼び方をするスライムがいるけどね」


「ふぅん、そっか。名前がないと不便だよね」


「オレ達は、種類名で呼び合うからな。個別の名前があるのは、キングだけだよ」


「へぇ、そうなんだ。あっ、見たことのある大きなスライムがいるよ」


 集落の住人は、ほとんどが人の姿をしていた。でも私の目には、頭に帽子を被っているように見えるから、スライムだということはわかる。




『ジュリさん、大きくなりましたね』


 集落の中へと歩いて行くと、大きな赤いスライムが、私に話しかけてくれた。真っ赤ではなく、柔らかな赤い色をしている。


「はい。あっ、アルくんが12歳になったときに、海辺の集落で会ったことがありますよね? 色をもらったと思うんですけど」


『ふふっ、ええ、私の体液は、2連目の石になったはずですよ』


(やっぱり!)


「火魔法の補助効果があるみたいです。さくらんぼ色で、とても綺麗な色だから、マニキュアとして使いやすいですよ」


『それは良かった。ブラックは1連目になったと自慢していたんですよ。同じ色を得ると、より強いスライムの色が1連目になるようですね』


(あっ、ちょっと悔しいのかも)


 黒い髪の人化したスライムの方を見ると、思いっきりドヤ顔してる。この子は、ヤンチャだったもんね。



「1連目は先着順かもしれません。他のとは違って、石の入れ替わりはないので。あの、今日は、もっと色を集めたくて来ました」


『はい、聞いてますよ。ふふっ、皆、今朝は早起きして、ずっとソワソワしていたんですよ』


(早起き?)


「昨日から聞いてたんですか?」


『ええ、海辺の村長の物質スライムから、1連目になる色を探していると、連絡がありました。今、スライムの姿をしている者たちは、色をもらって欲しいみたいですよ』


 草原の方に視線を移すと、大きなスライムの何体かは、ポヨンと大きく飛び跳ねた。嬉しそうな顔や眠そうな顔……。ふふっ、大きくなっても変わらないな。


「今、飛び跳ねた個体は、私が知ってる子ですよね。大きくなったけど、何となく覚えています」


『おや、そうなのですか?』


 大きな赤いスライムは、黒い髪の人化したスライムの方を見て、プルンと震えた。



「ジュリちゃんには、わかるんだね。アイツらも、赤ん坊の頃に、オレ達と一緒に、ジュリちゃんの部屋に泊まっていたよ」


『まぁ! ブラック達は、ジュリさんの影響を受けたから、急成長したのね』


「村長、何を今さら、当たり前のことを言ってるんですか。アル、いつものように訓練を始めて。ジュリちゃんは、スライムから色を集めるから、こっちだよ」


(村長?)


 黒い髪の人化したスライムは、すごく張り切ってるみたい。大きなスライム達に、並ぶように指示を始めた。


「村長さんなんですね」


『ええ、そうですよ。年のせいか、最近はすぐに忘れてしまうからね。若いスライム達に、叱られてばかりですよ』


「若い子たちは、怖いもの知らずなとこがあるからですよね。でもあの子は、年長者に対して、ちょっと失礼かも」


(あっ、ビクッとした)


 こんなに離れていても、私の声が聞こえるみたい。そーっと振り返った表情は、人の姿をしていても、やはりあの子だなってわかる。


『あら、ジュリさんのことは、本当に母親のように感じているようですね。あんな顔をしたのを見るのは、初めてですよ。まるで叱られた子供のようね』


 大きな赤いスライムは、プルンと身体を震わせて笑ってる。優しい村長さんなのね。




 私は、並んでいた大きなスライム達から色をもらった。同じ色は、元々ある石に吸収されるみたいで、新たに増えない色が多かったけど、チェーンブレスレットは、3連目も全部埋まり、4連目が登場した。


「ジュリちゃん、どう? 1連目の色はあった?」


「ちょっと確認してみるね」




『マニキュアリスト』


 《1連目》


【ベースコート】

 ●爪の表面の保護のために塗る下地。

 ●スライム神の通常バリアが常時発動する。


【銀ラメ:Lv.4】

 ●無色透明、銀色のラメ入り。

 ●キングシルバーの盾。


【紫:Lv.4】

 ●マットな紫色。

 ●キングパープルの毒。毒無効。


【白:Lv.4】

 ●クリアな白色。

 ●クリアスライムの毒消し・極。


【赤:Lv.4】

 ●鮮やかな赤色。

 ●レッドスライムの火魔法・極。


【黄:Lv.4】

 ●やわらかな黄色。

 ●イエロースライムの土魔法・極。


【青:Lv.4】

 ●爽やかな青色。

 ●ブルースライムの水魔法・極。


【緑:Lv.4】

 ●明るい緑色。

 ●グリーンスライムの風魔法・極。


【ピンク:Lv.4】

 ●かわいい桜色。

 ●ピンクスライムの状態異常魔法・魅了。

 ●ピンクスライムの状態異常魔法・幻惑。

 ●ピンクスライムの状態異常魔法・スロウ。

 ●ピンクスライムの状態異常魔法・睡眠。


【水:Lv.4】

 ●澄んだ無色透明。

 ●ウォータースライムの浄水魔法・極。


【黒:Lv.4】

 ●マットな黒色。

 ●ブラックスライムの闇魔法・極。



 色は増えてないけど、レベルが2から急に4になってる。2連目が埋まったときにレベル2になったから、3連目が埋まったらレベル3じゃないの?


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