表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: VISIA
PR
1/15

確かめる

夢の世界へ行きたいですか?

 同じ夢を、見るようになった。


 車で、どこに出かけようとも必ず、同じ池へ到着してしまうのだ。


 池には、顔を水面から半分だけ出した青白い女がいて、こちらを見ている。


 その女の目は、少しの悲しみと興味、そして多くの殺意を含んでいた。


 女は、私を知っているように感じる。


…誰だったかな


 暫くして、女の所に冷たい雨が降り始めると、女は恨めしそうにコチラを睨みつけながら、静かに池へ沈んでいった。


 その夢を妻に話す。


「あなた昔、池で溺れた話してたじゃない?」


…そうだっけ?


「気になるなら、試しにその池へ行ってみない?」

「夢の話が、現実にあるかな…ただの夢話だよ」「でも、これ以上その女に好きにされるのは嫌」

「……」


 その時の妻の顔が、あの女の顔に見えていた。 まるで両方の女性から嫉妬されているような気がした。


 次の日、私は会社を休み、妻と共にその場所へ行ってみることにした。

 夢の中で、何度も通わされた道だ。おそらく、間違うことはない。


…車を走らせて、三時間が過ぎた頃だった。


「あなたの話だと、この辺から曲がるはずよね」

「そうだね。ええと…」


「あの石碑じゃない?」

「ああ、あれだ」


 右折して、細い山道を走っていく。

 車の振動がひどく、ハンドルを必死に掴む。妻は頭をぶつけて痛がっていた。


 道は更に酷くなっていき、車が暴れ始めた。車内で、ゴミ箱やら弁当などが激しく舞う。

 それらがシートや服を汚す光景は、洗濯機の中の、無抵抗な洗濯物のようだった。


 車が跳ね、中の私達が座席から跳ね、空き缶やゴミが暴れる。


「あなた!」

「喋るな!舌噛むぞ」


「そうじゃなくて、ストップ!ストップ!」

「えっ?」


 慌ててブレーキを踏んだ。また、妻が頭をぶつけていた。


「どうしたんだ?」

「あれ、あれじゃない。あなたが言っていた池」


 車の窓を開け、妻が指差す方向に池が見えた。

 その池が、夢に出てきた所なのかは、ここからは分からなかった。


 辺りも薄暗くなってきて、今そこへ行くのは、さすがに気が引ける。


 車で一晩過ごすことを二人で決めた時、近くに民家の明かりが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ