声の糸
無限に広がる闇で 響く導きの声
白く 淡く 震えて すり抜けた
どこか 一息つける場所に 誘おうと
行方知らずの身に落ちた
幾千もの声の糸に
巻かれ 結ばれ 手を引かれる
あの明るみに
いつか見た 優しい地に
合わさる声に 連れられる
どこか遠い 冷たい地に
遥か遠い 行くべき地に
まだ 終わっていないから
まだ 導けていない孤独があるから
もう少し もう少しだけ
この足を地に下ろして
この手で包みたい傷がある
痛くても立っている 脆い人
痛くても歩いている 崩れた人
恵まれた地で生きてきた 愛で包まれた
淡い 緩い 温かな 眠りの様
どこか 一息つける場所に 誘おうと
我儘に求めた身に落ちた
幾千もの声の糸に
撫でられ 包まれ 歌われる
明日という日で
また 会うために
守られた 向き合った 側で話して 分け合った
今はただ 辛くとも 乗り越えられるから
いつかきっと 変わるまで 共に歩んで待てばいい
背中を押して 背中を押して
手を取ってまた 進めるから
まだ 終わっていないから
まだ 導けていない孤独があるから
もう少し もう少しだけ
この足を地に下ろして
この手で包みたい傷がある
痛くても立っている 脆い人
痛くても歩いている 崩れた人
まだ 届いていない声がある
まだ 触れきれていない背中がある
あと少し あと少しだけ
この足を地に下ろして
包みたい 小さな愛がある
独りでに彷徨う 愛がある
一方的に放つ 愛がある
それでいい それでいい
泣いていい 泣いていい
導く声に誘われて
あの明るみに
いつか見た 優しい地に