奴隷(貝人)
閻魔殿 モニター室
「いやあ、まだ臭い。悪い子じゃないんだけどなあ。司命君なんて露骨に近寄らないどころかワシが臭いみたいに振る舞うし」
「いやあ、閻魔様今日も臭いですねえ」
「司命君? ワシ臭くないよ? ねえ実は臭かったの? 」
「今日の転生する方何ですが、少々風変わりと言うか罪人では無いので通常の転生かこちらかを聞いたらルーレットを強く希望されたので連れてきました」
「ルーレット希望⁉︎ 珍しい所か怖いよその人」
ルーレットを逆に希望してくるとはどんな人なんだろう、逆に怖い司命君が丁寧な事が余計に恐怖心を煽ってくる、あっこっち見てニヤってしやがった!
「ルーレット! ルーレット! ルーレット! ざわざわざわざわざわざわざわざわ」
「うおっ、ざわざわざわざわ五月蝿いよ。それ口で言う効果音じゃないからね」
「変でなきゃダメなんだ・・・狂ってなきゃ、逸脱してなきゃ悪魔は閻魔は殺せない! 常軌を逸してこそ開かれる、
新しいルーレットへの道が・・・! 」
頭を抱えながらワシを睨まないでよ、普通に怖いから。
「いや、ワシ殺されたくないんだけど、全力で抵抗するよ? 」
「それを口にしたら戦争だろうがっ! 」
「えっ⁉︎ 司命君ワシが生存を望むと戦争になるの? えっどう言う事? 」
「やれやれ、閻魔様はノリが悪いですね。彼の場合ある世界に没入してしまい、現実と区別はついてませんが。非常に徳は高い方なんですよ? 」
「目の前で変な事してる彼が? 何か何もない場所で両手を広げてフラフラしてるけど彼大丈夫なの? 」
「あれは渡っているんですよ、未来を掴むために! 」
「もうワシ何だかわからないし、ルーレット見せてあげてよ」
渡ってるってなんなんだよ、普通に床だよ。落ちないよ、何でフラフラしてるんだよ、閻魔の前でふざけられれるって司命君や司録君だけじゃなくなってきたよ。
閻魔の威厳はプライスレスってやかましいわ!
【1、ダイス 2、奴隷のカード 3、トランプ 4、パチンコの玉 5、麻雀牌 6、ゴリラ】
「えっ司命君、徳高い子なんだよね? 変だけど」
「本人の徳の分だけ尊重したらこうなりました」
「尊重してないよね? 」
「奴隷は嫌だ・・・・奴隷は嫌だ・・・・! 」
「嫌なの奴隷のカードだけなの⁉︎ ゴリラ以外生物じゃないよ⁉︎ 」
「ゴリラも嫌だ・・・・ゴリラも嫌だ・・・・俺はダイスを引き当てる! ルーレットスタート!」
「えっそれワシの台詞って司命君もルーレットスタートさせてるし」
「ざわざわざわざわ」
「だから五月蝿いって」
暗転し矢が指し示した場所は
「奴隷のカードだと・・・・もう終わりだ、お終いだ、俺は負けたんだ、俺は勝てなかった、このゲームに負けたんだ、俺は敗者だ」
がっくりと項垂れ消えていく男
「あちゃー閻魔様やっちゃいましたね」
「いやワシのせいじゃないでしょ、勝手にスタートして勝手に止めたんだから」
「つ〜め〜た〜い〜」
「そんなOLみたいに言わないでよもう。胃が痛い」
地獄はまだまだ終わらない