ルーレット・アタック(貝人)
今日もルーレット、明日もルーレット、ルーレットにしてから大分仕事は楽になったが何故だろうか、胃の痛みがどんどん酷くなっていく。
「閻魔様、今日は遠方より御客様が来ております」
司録は何かに怯えた様子だ
「司録君、ワシ嫌な予感がするから帰っても良いかな?」
「ダメです! 絶対に逃がしませんからね!」
「嫌じゃ! どうせあいつじゃろ! 」
ガンガンガン、ドアを連続で蹴られる。
「随分な対応じゃないか、閻魔よ。学院以来だなあ! 此間サタンの子と間違えっていい加減ドア開けろやああ! 」
「ほらやっぱり、ベルゼブブじゃん」
「閻魔殿を蝿殿に変えるぞごらあ! 」
「あー五月蝿い、五月蝿い。ワシ忙しいんだけど、何の用よ」
「最近ルーレットで転生先を決める馬鹿が地獄に現れたらしくてなあ、で何回魂浄化しても必ず地獄に必ず舞い戻る馬鹿を連れてきたからルーレットしてくれよ」
ゲェッ! もう広まり始めてる、ワシピンチじゃないのこれ?
「ふひひボキに浄化なんて無駄無駄無駄無駄無駄ああああ!! ボキの魂は犯罪行為と惹かれ合うんだ! 」
「何を言ってやがる! 毎回毎回下着泥棒やら盗撮やらしょぼい事ばかり繰り返しやがって! 」
「ふひひボキは魂の命じるままに動いてるだけだ」
「うわあ。何て言うか、うわあ」
「閻魔様、ルーレットしましょう。女性の敵です、飛び切り酷い物を司命に持ってこさせます」
「あっああ、お願いね」
「司命ってあの閻魔に一番あたりがキツイ奴だろ? うんうん、彼奴なら任せられるな」
「ボキはどんな事をしても、ボキのままだ! 」
「ベルゼブブ、君の所も大概変な奴くるね」
「ああ、疲れる」
二人は同時にため息を吐く。
ガラガラガラ、ルーレット台を持って司命が突撃してきた。
「はーい! どいてどいてー」
閻魔とベルゼブブを笑顔で轢く司命
「「ぎゃああああ!!! 」
「どいてくださいよ、閻魔様ベルゼブブ様」
「痛いよ、司命君。とりあえずルーレットありがとう」
【1、砂漠の中の蠍 2、餌用ワーム 3、デビュア 4、RPGの宿屋の客(一定の動作と台詞のみ) 5、ヒガシローランドゴリラの逸れ個体 6、雄しか好きになれない雄のコウモリ 】
「マシなのが無いな、俺でも引くくらい」
「おい! パンツ集められないじゃないか! ボキは嫌だ! 」
「ルーレットスタート! 」
「司命君、イライラしてるの? 」
「ああ、多分勤務時間外に呼び出したからかと」
「おいおい、それだけで俺引かれたのかよ」
「司命君だからねえ」
暗転し、ルーレットが指し示す場所に光が灯る。
「デビュアだね、おめでとう! 」
「デッデビュアって一体」
「爬虫類の餌用Gだね。飼い主は男性だから安心して、後悔し反省すると良い、僕を勤務終わりに呼び出した、閻魔様とベルゼブブ様を恨みながらね」
「チックショオオ!! 」
地獄はまだまだ終わらない