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なんでこう成る  作者: すぽぽびっち(貝人、輪廻 終)
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錦の、アキラ(輪廻 終)

下界に新たなUMAが生まれた。

彼は影しか確認されていないが、転生後は自由を手に入れ、笑顔で飛び回るのであろう。影しか確認されていないが。


「ワシもう疲れたよ…ボリボリ…」


ロキソ◯ンをラムネのように頬張る閻魔はこの仕事に限界を感じていた。


急な吐き気を伴う頭痛。

ラムネ達の仕業である。


ギュマママママーッツ!

ガチャリバチ!!


扉が開く。


「閻魔様、閻魔様、閻魔様、閻魔様、閻魔様、閻魔様、閻魔様、閻魔様、閻魔様」


司命と司録である。

どうみても白かった記憶しかないのに2人とも年季の入った木製箪笥レベルには茶色い。むしろ黒い。


テンションと比例してか、閻魔を呼ぶ回数も意味なく多い。


「あ、ああおかえり2人とも。ワシ寂しかったよ…しかしすごい名前呼ぶね。楽しかっ…


!?


「お気づきになりましたか、閻魔様」


得意げな笑みを浮かべる司録。


「ギャーッハッハッハッハッ

ギャーッハッハッハッハッ!」

なぜか司命は突然の大爆笑だ。どこかで頭でも打ったのだろうか。

司録ですらひいている。

得意げな笑みがスーッと消えたその刹那…


2人の後ろに、最初からずっと反復横跳びをしている影が!!

200回は超えている…

もうすぐ死にそうな顔をしているが無理やり余裕っぽい気持ち悪い笑みを浮かべている。


閻魔は彼に見覚えがあった。


「ワシの記憶ちがいじゃなきゃ、もしかしてお主は…


魔界の王子、サタンでは?」


「クククーウパ(笑い方に嫌な感じの癖があるタイプ)閻魔様、違います」


「違うんかい!じゃあ誰なんだよ!!」


しばらく司命を睨みつけていた司録が口を開く。


「閻魔様、この者は秋葉原での事件の犯人でございます」


「え?あのおでん缶を秋葉原中から消してしまった一級犯の?」


シュッ!シュッ!


「ケケケ、クククーウパ!そうさ、で、ハァハァ…その後知らないハァ…男の人に襲われて乱暴さたあげく下駄でぼっこぼこにハァハァ…


「キミ、一回反復横跳びやめてくれないかな?何にも伝わってこないよ!気が狂いそうだよ」


「ハァハァ…いや、まぁとにかく殺されてさ、ここに連れてこられたの。なんの説明もなく、な。」


ここで司録、司命の声がシンクロする。


「あれをみよ!!(ハイトーンボイス)」


ビクッ


「あ、あれは!!?」


そう、お馴染みのアレだ。

転生ルーレット。


「ワシは今回、1人になってみて考えたんだけど、やっぱり救いも必要かなって」


(1.にしきのあきら、2.ゴリラ、3.上半身だけ馬の人間、4.人間(女)、5.自動販売機、6.上半身だけ人間のゴリラ)


「いやいやいやいや、閻魔様よ

いやいやいやないってば。特に3だけはもう絶対マズいだろうよ」


「何を言っておる、少しでも人間に近づける努力したよ、ワシ。ちなみに1のにしきのあきらはそういう名前のゴリラだよ」


「いやでも上半身だけ馬…


「さぁ、ルーレットスタート!」


「ストップは自分で言うのだぞ」

司録のいつものセリフだ。


「うううおお、上半身だけ馬は嫌だ嫌だ絶対重たいし嫌だ!この際にしきのあきらでも!ストップ」


暗転した部屋の中でランプが静かに動きを止めた。


蝋燭の灯りが映し出したルーレット。


(自動販売機)


「ドゥ…」

おでん缶の男は声にならない声を出す。


「閻魔様、決まりましたな」


「うん、じゃあ青森県の限界集落に設置するからね」


「ま、まってく…


ヒュン…



ピッ、ガタン!!

また妙な音で壊れた扉が勝手に閉まった。


誰かがジュースでも買ったのだろうか。


地獄の地獄、まだまだ続く。

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