ラブリー奪衣婆(貝人)
「胃薬まだかな、ロキソニ○だけじゃワシの精神がもたない、メゴラってなんだよ。ワシにもわからない生物とか」
閻魔はメゴラが気になってしょうがなかったが、確認する為の部下すらいない。
「メゴラメゴラメゴラメゴラメゴラあああー!! 頭の中がメゴラに侵食されていく、頭がおかしくなる!」
閻魔は自分の髪をかきむしりながら、机に突っ伏していた。
ドカンパキン アヒィン
「このドア変えようかな、はあ、入って良いぞ」
「失礼しますわ。閻魔ちゃんお元気ー? 」
陽気に入って来たのは奪衣婆である、奪衣婆は白髪の老婆の癖に、下着すら着けず着物の前を開けている。
奪衣婆の干し柿が嫌でも目に入ってしまう。
「閻魔ちゃん、見過ぎよー! 恥ずかしいわ」
クネクネと腰を振る奪衣婆。怖い、怖過ぎる男としての本能が全力で警鐘を鳴らす。
「奪衣婆ちゃん、転生する人は? 」
「居るじゃない私の横に」
「えっ? 幻覚? 認知症? 医者呼ぶ? 」
「閻魔ちゃん、冗談も良いけど転生ルーレット早く始めなさいよ。引っ叩くわよ? 」
「えっあっじゃあ」
おかしいなワシには何も見えないんだけど、奪衣婆は居るって言ってるし、ワシがおかしいのかな?
「あっあのお、転生ルーレットとは一体? 」
「ひえっ! 何処からともなくおどろおどろしい声が! 」
「閻魔ちゃん失礼よ」
「あっあの私先程から奪衣婆様の横に居るのですが、すみません、生前から影が薄くて」
「あっああ、見える見える」
明後日の方向を見ながら話す閻魔
「じゃあこれが君の転生先ね?」
【1、フライングヒューマン 2、シャドー 3、田中さんの影 4、モスマン 5、モノス 6、ジャージーデビル 】
「あっあのおUMAしか選択肢が」
「田中さんはUMAじゃないからね? 人だよ? 田中さんが生きている限り君も田中さんの影として楽しめるよ?」
「田中さんとは一体? 」
「田中さん田中さんだよ。ワシ的にはシャドーとかオススメだよ? 影が薄い事にかけて」
「影が薄くはなりたくないのですが」
「閻魔ちゃんもうルーレット回すわよ。ルーレットスタート」
「あああ、私は一体どうなってしまうんだ」
「ゴリラが無いだけマシな気がするんだけどなあ。ワシ的に」
部屋が真っ暗になりルーレットが止まる。
ルーレットが止まった場所は、フライングヒューマン
「フライングヒューマンかあ、空飛べるよ! やったね、影が薄い事も理になるよ!」
「いやだああああ」
「閻魔ちゃん、天然なの? フライングヒューマンって影しか確認されてないわよ? 可哀想に」
「いやワシ奪衣婆の登場とかでもう、胃が限界、入院させてえええ」
地獄はまだまだ続く