月の歩き方(輪廻 終)
閻魔は考えていた。
意外とこの穴、いいんじゃないか…。
そう、閻魔はまだ自分では気がついていないが真性のマゾなのであった。
転生したばかりの蛙を肩に乗せ、自分が喜んでいることを悟られまいと這い上がる。
蛙も、閻魔に懐いてしまったようだ。
「ねぇねぇ君たち、今日からこの蛙くんここで飼ってもいいかな?」
ブォォォォァァァ
バフォメットの羅威堕亜「ライター」によって一瞬で消える蛙くん。
「だぁぁあ!何するの!?」
「だってキモいんだもん」
「だからって焼かなくても!ん?」
いや、消えていない、色こそこんがりきつね色になっているものの、その姿は残っている。
サマエルが冷静に言う。
「食えよ、ほら」
「ちょ、ちょ、ちょ、さっきまで懐いてたかわいい蛙ちゃん!食べるなんて…」
グイッグイッ
サマエルは無言で閻魔の頬にきつね色の蛙といったわけのわからない物体を押しつけてくる。
「ムギッ!」
「ほれ、ほれ」
ムシャリ…
!!
「ん、んまぁぁぁい!!」
閻魔は歓喜した。
そして先ほど穴に投入された大量の卵を見てニヤリと笑った。
ブォォォォァァァ
「なぁ!?」
「なんか喜んでるからムカついた!」
(食料が…)←心の声
「食料が…」ボソッ
「閻魔様、でちゃってますぞ!心の声!でちゃってる!」
「あ、あぁ、あは、あはあは」
コンコン
「入るぜっ!」
何故か陽気な音楽が流れる。
そこにはなんと、クールな表情でムーンウォークしながら閻魔に近づいてくる髑髏の羽…
ベルゼブブ!!
「ポーォウ!」
…一同無言
「え、えどうしたのベルゼブブ?」
「どうしたもこうしたも、遊びがてら罪人連れてきたんだぜ?」
「もうめちゃくちゃ、ワシ頭が狂いそうだよ」
(1.ピンクの鎧を着た戦士、2おてんばお嬢様、3.踊り子(女)、4.武器商人、5.クソジジイ、6.ゴリラ)
罪人が口を開く
「これは!聞いた噂と違って、転生っぽいじゃあないか!!これなら!」
「まぁワシもたまにはね。じゃあ、スタート」
「んー、踊り子、踊り子、ストップ!」
部屋が明るくなる。
(クソジジイ)
罪人がちょっとおかしい
「あっはー、こんだけあって、クソジジイかぁー、あっはー」
ヒュン…
「かわいそうなやつだぜ!そういえば閻魔、地獄と魔界と現世オールミックスのトーナメントあんの知ってるか?」
「え、知らない…」
「なんでも、優勝者にはどんな願いも叶えてくれるっぽい金の玉がもらえるらしいぜ!とりあえずチラシ、これな」
またもや陽気な音楽が流れる。
ムーンウォークしながら去っていくベルゼブブ。
「飛べよ、羽根あるんだから!」
チラシ…ねぇ。
チラッ。
地獄の物語は急展開を迎える。




