そんなバナナ(輪廻 終)
キュッとしまった下半身。
少しでも気を緩めるとパンツにあいつが乗っかってしまう。
閻魔、サタンともに謎のライバル感を前面に出しつつトイレから部屋に向かう。
「うおっと危ないっと!」
「おい!」
わざとらしく足がもつれるサタン。
「あーらららっと!」
閻魔も負けていない。
結局あいつをパンツに乗せた状態で2人は部屋に戻ってきた。
洗う気はさらさらない。
洗ったら、負けなのである。
もはや、ぶよぶよなどどうでもよく、どちらが冷静さを保てるかの勝負になっていた。
「じゃあ、ワシは帰るからね」
これではただ粗相をしにきただけのおっさんである。
「おう、また連絡する」
サタンもサタンで空気を読む。
なにせ自分も大変なことになっているからだ。
「誰だ貴様!どこから入ってきた!」
メズが雄叫びを上げる。
「怪しいやつめ!臭いな!」
ゴズも数時間前の事を忘れている。
ただ、臭いのだけは事実。
「いや、入ってきたんじゃなくて帰るんだよワシ。あと、入るっていうより出ちゃってるから」
「なに!怪しいやつめ!」
「まて、メズ!こやつ…出ておる…」
「なんだと、くっ、通れ」
なんだこりゃ。
閻魔はメズゴズに対して、なんとも言えない悲しい不安を感じながらセグウェイに乗り地獄に戻るのであった。
「ウェーイ!!」
「ウェイウェーイ!!」
自室に戻ると、司命と司録が掛け声を間違えたカバディをしていた。
なぜか閻魔は妙な安心感を覚え、涙を流していた。
「あ、メンマ様おかえりなさいませ」
「もう、罪人来てますよ」
まるで親戚が来ているかのようなノリで報告してくる2人。
「う、うむ、ではさっそくルーレットをしよう」
(1.口臭エグい人のハーモニカ、2.東京湾の変な貝、3.ゴリラ、4.夏場のブーツ、5.ゴリラ、6.勇者)
回り出すルーレット。
同時に罪人が叫ぶ!!
「勇者!勇者だと!!」
「うん、今回はワシも疲れたからハッピーエンドも見てみたいなって」
「勇者!勇者!勇者!ストップ!」
暗い部屋に明かりが灯る。
(勇者)
「うおー!!うおー!!うほー!!ウッホー!!ウホッ?」
勇というゴリラのような者。
略して、勇者。
増え続けるゴリラと同じように、閻魔の苦悩はまだまだ続く…。




