へ(輪廻 終)
地獄にも夏がある。
もうすぐ夏の終わり…
寂しい季節である。
司命と司録はなぜかブーメランパンツ一丁で殴り合いをしている。
おそらく昨日現世でやっていた総合格闘技に影響を受けたのだろう。
2人とも顔はボコボコである。
「ねぇ、君たち何で…
ピコーン
?
「珍しいな、ワシにメール…どれどれ」
(てめー、閻魔この野郎!今日やるっつったろ!!ぶよぶよでどっちが強いか決着つけるって言っただろ!いつくんだよ?来なかったらルーレットバラすぞこら!ちゃんとルーレットも持ってこいよ!このバカヤロウ!)
うわ、うーわ。
こないだの飲み会の時にノリで約束しちゃったんだった。
魔界の王子、サタン…
向こうから来てくれればいいのになぁ。
「司命くん、司録くん、ちょっと出かけてくる…
シュッ
ベキァ!
「ぐぬん!!」
司命のハイキックを後頭部に喰らいながら、閻魔はセグウェイに乗り約8万キロ離れた魔界へと向かった。
背中にはルーレットを背負っている。
前から見た姿はどう見ても中国雑技団である。
圧倒的にバランスの悪い状況で現世時間で言えば12時間。
魔界へと到着。
「えーと…
「誰だ貴様は!!臭いな!!」
「ああ!臭い!キナコ臭い!!」
「ああ、臭すぎる!」
「貴様は誰だ?なぜ臭いのだ!?」
元は地獄の門番をしていた、
牛頭のゴズ、馬頭のメズである。
頭が悪すぎて、こちらに左遷されてきたのであった。
「いやいやいやいや、あはは。
ワシだよ、閻魔様。16年も一緒に働いた仲じゃないか」
「知らんな!あと臭すぎるな!」
「いやいや、今日はサタンとの約束でぶよぶよをやりに来たんだよ」
「サタンだと!貴様!サタンだな?」
「いやいやそうじゃなくて、ワシは閻魔で、サタンに会いに来たの」
「臭いな、信用できん!この下剤を飲んだら通してやろう」
「なんで下剤…」
ゴクリ。
「お待ちしておりました、閻魔様」
えー!!?
ギィィィィィイ。
「サタン様はこの先のお部屋でお待ちしております」
「あ、ありがとう」
コンコン
「誰だ!」
「閻魔だけど」
「やっときたのか、入れ」
ガチャ
「うわうわうわうわ、ぐっちゃぐちゃじゃない」
「いーんだよ!俺の趣味なんだから!それより罪人用意しといたからルーレット見せてくれよ、ぶよぶよ前に」
ゴロゴロゴロゴロ…
「これだよ」
「ほう」
「なんなんだこれは!俺はどうなる!」
罪人が叫ぶ。
「これはお主の転生先を決めるルーレットだよ」
「!?」
(1.ゴリラ、2.ゴリラゴリラ、3.ゴリラゴリラゴリラ、4.陸戦型ゲリラゴリラ、5.タイ人、6.屁)
「なんだよこれ!陸戦型ゲリラゴリラってなんだよ!」
「ごたくはよい、ルーレットスタート!」
「ぐ、タイ人こい!タイ人こい!ストップ!」
ランプが止まる。
(屁)
「屁…」
ヒュン
「どうかなサタン」
「グピピピピ…そんなことよりさっき帰ってきた時メズゴズからもらった下剤が効いてきた…」
「お前も飲んだんかい!ぐ、ぬぬぬぬぬ…」
「よ、し、ぶよぶよやるぞ」
「お、おいほんとかよサタン…これ先にトイレに…
「耐久デスマッチだ!」
…
わけのわからん地獄は続く。




