少女と青年
少年と少女は、問題を起こした街から即座に立ち去ろうとした。ギルドを立てようとしている少年は他のギルドと問題を起こしたくはないからだ。
しかし、街を出ようとした頃日が暮れて来ていて街から出るにはもう遅かったようだ。街から出るための門は太陽が沈む頃には全て閉まる。さらにこの街はさっきのギルドが管理しているらしく何人もの武装をした見張りがいた。
「全く、これじゃ宿も取れないな…今夜は野宿か。」
少年が呟くと少女は少しうつむき気味にごめん、と謝る。しかし少年は聞こえなかったのか、はたまた聞いていないふりをしているのか前を歩き始めた。
「フィル、聞いて起きたいことがあるんだけどいいか?」
フィルと呼ばれた少女はいきなり自分が名前で呼ばれたことに少し驚いた表情をして、ため息をつく。
「なに?コウが私のことを名前で呼ぶときは大概くだらないことな気がするのだけど。」
それに対しコウと呼ばれた少年は答える。
「くだらないとは心外な…まあ、いいか。恐らく俺たちのことをギルドの連中は血眼になって探しているだろう。だから、できれば2人で街を出たかったんだが、街から出ることは、難しいと思う。けど、これは2人での場合だ。フィル1人なら壁を乗り越えられるだろうからな。だからお前は先に出ろ。」
やっぱりくだらないじゃない、とため息をついたちょうどそのとき通りがかった家の扉が開いた。




