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負けない!

 サラさんが城へ戻っている間、時間を持て余した僕たちは思い思いの時間を過ごした。

汐音君はオグルさんの下で回復魔法や治療術を教わっている。あの日の帰り際に教わる約束を交わしていたそうだ。今では姉妹弟子のような関係となったカレンちゃんとも仲良くやっているようだ。

「そういえばカレンちゃんはなぜ薬師なのに回復魔法なども覚えようと思ったのですか?」

薬草の在庫を数えていた汐音は不意に訊ねた。

「ん~先生の手伝いしてたら必要かな~って思って覚え始めたんだけど、今は……」

 汐音が数えた在庫数を管理台帳に記入しながらカレンは答えるが、途中で言い淀む。

「今は?」

 汐音は先を促すと、渋々と言った感じで口を開く。

「アキが戻ってきたときに力になれるようにと思って、わたしあの時全然役に立てなくて足手まといだったから」

 カレンは薬草管理台帳を強く抱きしめ、沈んだ表情で言う。

「そんなことはないでしょう、カレンちゃんの応急処置があったから五十嵐君は魔物を倒せたのですから」

 汐音はカレンを元気づけるように言う。

「それでもね、何もわからずにアキに頼った自分が許せないんだ。わたしの無知がアキを死なせるところだったから」

 当時の自分を恥じるように言う。

「わたしは盲目的にアキの強さを信じて頼った、でも先生は気付いてたアキの力は諸刃の剣だって」

「どういうことです?」

「アキの力は仮初めのもの、強い力を引き出せばその分反動も強く出るし長続きもしないって。いつもは体がもつギリギリのところで戦ってるんだって。それでもわたしにはすごく強く見えた。だからアキなら何とかしてくれるって、無理させた、無茶させた、無謀な戦いをさせた。……酷いよね。たまたまふらっと訪れた村でいきなり命懸けさせちゃって」

 自嘲気味に言うカレンに汐音は否定を口にしようとする。

「そんなことは……」

「ううん……だからね、今度はアキにそんなことさせなくていいように、わたしが強くなろうと思ったの。攻撃魔法は苦手だけどね」

 カレンのそのはにかんだ笑顔はとてもキラキラしたもので眩しかった。

「カレンちゃんはすごいですね、私も頑張らなくては」

 汐音は両手を握りこんで気合を入れる。

「でも、私には五十嵐君の良さはわからないですが」

 汐音は普段のどこか諦めたように本気にならない男の姿を思い浮かべ顔を顰める。

「汐音さんが見てきたアキがどんなかわかんないけど、自分の為に命懸けで戦ってくれたんだよ。ときめいても仕方ないじゃない」

「そんなものですかね」

「汐音さんにも見せたかったよ、アキのカッコイイところ。見たらきっとわかると思うんだけど……やっぱりわかんなくていいや」

 カレンは興奮気味に言っていたが、急に掌を返すように言い放った。

「なんです急に?」

「これ以上ライバルを増やしたくないし。サラさんっていう最強の敵が現れたし! あのスタイルは反則よ!」

 カレンは隠すことなくサラを敵認定し反則呼ばわりする。

「確かにサラさんのあのスタイルは羨ましい限りです。五十嵐君があの体を自由にできるかもしれないと思うと腹立たしいですね」

 汐音はそう想像すると険しい表情になり、そこにいない誰かを想定して握りこんだ拳を突き出す。

「そんなことさせないし! ……というわけでですね。あのスタイルに負けず劣らずの汐音さんに協力していただけないかと……」

 カレンは頭を下げ上目使いで両手を合わせお願いのポーズを決める。

「任せてください。私の知り得る限りの美容法を伝授しましょう!」

 汐音は胸に手を当て自身満々で宣言する。

「お————、師匠! 一生ついて行きます!」


 二人はこんな感じに仲良くなっていった……



 僕と冬華ちゃんはと言うと、宿屋の裏にある広場で剣の稽古をしていた。

 僕は師匠の型を忠実に再現し素振りをしている。

 冬華ちゃんは剣舞でも舞っているかのように剣を振るう。剣は円を描くように、体は無駄なく回転し、足の運びは流れるようだ。視線は鋭く仮想の敵を見据えている。

 ショートソードで仮想の敵を突き倒したのか、冬華ちゃんはそこで停止する。一つ息を吐くと剣を鞘に納め、僕の近くに体育座りで腰掛ける。

「ねぇコウちゃん、お兄ちゃん……無事だよね?」

 顎を膝の間に乗せ、視線は遠くに向けながら呟くように言う。こっちに来てから始めて見る感情を押し込めているような表情だ。

 僕は冬華ちゃんを見ずに素振りをしながら答える。

「大丈夫だよ、フッ、あいつが本気だしたら、フッ、強いの知ってるだろ、フッ」

「それ子供の頃の話じゃん」

「部活はやってたし、フッ、鈍ってたとしても、フッ、すぐに勘は戻るだろ、ふぅ」

「だといいんだけど……」

 珍しいなカレンちゃんがアキのことを心配するなんて、いつ以来だろう? 最近はお互いに諦めているようだったから……

「コウちゃんはさ、カレンちゃんが言ってたあのお兄ちゃんの使った攻撃わかったの?」

 冬華ちゃんは真っ直ぐに僕を見据えて聞いてくる。

「うん、まあ大体は。よくあんなでたらめな技使えたなって思ったよ」

「そっか……私にはわかんなかった。すごいねコウちゃんは、お兄ちゃんのことなんでもわかって」

 冬華ちゃんは悲しそうな表情で膝を強く抱え込む。

「私はお兄ちゃんが何から逃げ出したのか今でもわかんないのに……」

 僕は剣を下ろし、黙って俯く。僕はすごくなんかない。アキを追い詰めたのは僕だ、僕がいたからアキは……


「あきお、お前には無理なのじゃ。こればかりは仕方がないのじゃ、わかってくれ」


 師匠のあの言葉は僕たちにとっては残酷なものだった。子供だったあの頃のアキには絶望しかなっただろう。僕がその立場だったなら、同じように剣を置いたことだろう。あの時のアキの表情が脳裏に蘇り苦悶の表情になる。

「どうしたの?」

 そんな僕の表情に気付いた冬華ちゃんは心配そうに訊ねる。

 僕は目を閉じその記憶を振り払うように頭を振り、笑顔を張り付け顔を上げる。

「なんでもないよ。わからないんならアキに直接聞けばいい。今なら答えてくれるかもしれない」

「そうかな?」

 不安そうな冬華ちゃんに力強く頷いて見せる。

「だから早く見つけてやらないとね」

 僕はウィンクをして言う。

 そして悪だくみでもするかのような表情になった冬華ちゃんは顎に手をやりニヤニヤしながら言う。

「うん、そうだね。……早く見つけて、修羅場に叩き込んでやんなきゃ、ンフフフ」

 サラさんとカレンちゃんのことを言ってるのかこの子は、修羅場を見ながら笑う冬華ちゃんを想像するとため息が出る。僕は額に手を乗せ天を仰ぐ。




 ローズブルグ城、執務室。重量感のある大きな机の席には陛下が座り、サラが預かってきた書簡に目を通す。読み終えるとサラの横に立つレオルグ将軍に言い放つ。

「わかった。レオルグ、兵の準備はできておるな?」

 レオルグ将軍は直立不動で覇気あふれる声で答える。

「ハッ、すでに。指揮は副官のアルマに執らせます」

 陛下は満足して頷くと命令を下す。

「では、兵を派兵しレインバーグを奪還せよ!」

「ハッ!」

 レオルグ将軍は恭しく頭を下げると部屋を出ていく。

 残されたサラに向かい陛下は微笑みを浮かべる。

「サラ、そちには苦労を掛けたな。また戻るのであろう? 今は下がって休むがよい」

「はい、ありがとうございます。では失礼致します」

 サラは一礼し部屋を後にする。その足でマーサがいるであろう、マリアの部屋を訪れる。

「おばあちゃん、アキさんに教えたのって魔力制御じゃなかったの!?」

 サラは部屋に入るなり目を吊り上げ怒りをぶちまける。

「なんじゃ藪から棒に」

「そうですよ、まずはただいまでしょう」

 二人は突然のサラの訪問に驚き、そして窘める。

「うっ、た、ただいま戻りました」

 サラは不満顔で言う。そして、また勢いをつけて問いただす。

「で、どうなの!」

「うむ、確かにそうじゃがそれがどうしたのじゃ?」

 マーサはよくわからないと言った表情で顔を顰める。

「実は……」

 サラはリオル村でのことを話した。


 話を聞き終えるとマーサは険しい表情で腕を組んで考え込む。待ち切れずイライラし始めたサラは口を開く。

「魔力制御でそこまで力を引き出せるものなの?」

 マーサは重い口を開いた。

「イヤ、出ないはずじゃ。しかし、アキのヤツはいきなり木を飛び越える勢いのジャンプをしおったからのう、潜在能力でも目覚めたかのう?」

 冗談めかして言うマーサに、腑に落ちないサラは否定する。

「それくらいなら魔法の補助があればわたしにもできるよ」

確かにそのとおりである。近年の魔法はずいぶんと便利になってきているからそのくらいは簡単にできる。魔力制御と相性が良かったにしても劇的に人間離れした力を引き出すことなど……

「……アキが自ら応用させて発展させたのやもしれぬが……いや……」

(追い詰められた末の思い付きだとしたなら……もしや!?)

 ある仮説にたどり着いたマーサは眉間にシワを寄せる。

 そのマーサの反応を訝し気に見ていたサラが問い掛ける。

「なに?」

 マーサは言うまいか悩んだ末、口を噤んだ。サラにこれ以上心配事を増やさないための判断だ。

「いや、やはり実際に見て見ないことにはわからん。サラ、早く見つけだし連れ帰るのじゃ」

「う、うん」

 返事はしたものの、まだ納得いかない様子のサラは口を尖らせる。

 マーサの言葉で察したマリアは話を変えるべく、サラに話しかける。

「サラはアキさんのこととなると、こんなにも取り乱すのですね」

「な、な、な、何言ってるの? 人を心配するのは人として当然の行動だとわたし思うな!」

 見事なまでに取り乱すサラ、マリアの話の転換は見事に成功した。

 そんなサラをイヤらしい目で見据えるマーサはさらに追撃する。

「運命の相手だからじゃろ? もう素直になって楽になったらどうじゃ?」

「そうよサラ、人を好きになることは恥ずかしいことではないのよ」

 からかうマーサに、真面目に言うマリア、二人の口撃に言葉を失い顔を引き攣らせるサラ。

「う、二対一なんてずるいよ~」

「口で勝てると思ったのか? あまいのう」

「うふふ、アキさんってどんな人なの? 母さんも早く会ってみたいなぁ」

「ふむ、アキはのう……」

「ちょっ、待って待って……」


 三人は家族団らんの時を過ごしていた。この後に凶兆を思わせる出来事があるとも知らず……




「キャ————!」


 昼下がりのリオル村。

 いつの間にか空を覆う雲からポツポツと雫が落ちてきたころ、村に悲鳴が鳴り響いた。

 僕が村の大通りに出ると東側から村人が我先にと駆けだしてくるところに出くわす。東門へ向かうと、街道をこちらに向かってくる魔物の群れが目に入った。

 魔物は一小隊くらいのゴブリンが主体で構成されていて、わずかに魚人フィッシャーマンが混じっているようだ。兵士を見舞った際に聞いた話だとレインバーグにはゴブリンが占拠していたと言っていた。

「あの兵士、後をつけられたのか?」

「コウちゃんどうするの!?」

 走ってきた冬華ちゃんが呼吸を整えながら聞いて来た。

「迎え撃つしかないだろう。あの数じゃ結界がもたないかもしれない。できるだけ数を減らそう。冬華ちゃんは魔法で援護して!」

「う、うん」

 僕は剣を抜き構える。冬華ちゃんは魔物の数に怯みつつもショートソードを抜きながら魔力を集中し始める。

「会長!」

 後ろから汐音君とカレンちゃんが駆け寄ってきた。

「迎え撃つ! 行くよ!」

 僕は振り向くことなく短く言うと魔物に向かって飛び出していく。

「おぉぉぉ————!」

 僕は先頭の魔物に突っ込んで目の前のゴブリン共を横薙ぎに屠る。ゴブリンが崩れ落ちるとその後ろから数体のゴブリンが飛び掛かってくる。


水の弾丸(ウォーターバレット)!」


 冬華ちゃんの叫び声と共に水の弾丸が連射され、飛び掛かってきたゴブリン共を撃ち落していく。

 横から迫ってくる魔物は汐音君が放つ矢で仕留めていく。

 二人の援護を信じて僕は前に一歩出る。ゴブリンが突き出すナイフを右に避け胴を振り抜き、目の前に突っ込んでくる魚人を右下からの逆袈裟で切り裂く。

 僕の死角に入った魔物は冬華ちゃんの水の弾丸がことごとく打ち抜いていく。回り込もうとする魔物は汐音君の矢とカレンちゃんの火炎魔法が牽制する。

 街道は狭くないとはいえ、囲まれないように手前から順に相手取っているおかげでなんとか凌ぐことができた。半分くらい片付いたところで一度距離を取り呼吸を整える。

「ハァハァ、ここまでは上出来だけど……」

 僕はちらっと後方を見る。

 そろそろ魔力がヤバいか。冬華ちゃんは膝に手を置き肩で息をしている。まだ魔法を覚えて間もないのに、ずっと魔法を連発していたから当然か。

 その時、目の端に何かを捉えた。それと同時に声が上がった。

「汐音さん右です!」

 目に入ったのは、村の横を流れる川から飛び出してきた大型の魚人の拳が汐音君に突き出されるところだった。

 汐音君は油断すると目を奪われかねない脚線美あふれる太腿に装備された警棒を取り出すと、ジャキッと伸ばし防御の構えをとる。

「キャッ!?」

 しかし、抑えきれずに突き飛ばされてしまう。強烈な一撃に手が痺れてしまったのか警棒が地面を転がる。

「汐音!」

 僕は咄嗟に叫び駆け寄ろうとした。しかし、それを隙と見たゴブリンが飛び掛かってくる。寸でのところで剣で止めることができたが、身動きがとれなくなった。

「クッ!?」

 横目で汐音君を見ると、カレンちゃんが駆け寄って回復魔法で治療していた。そして震える声で叫ぶ。

「なんで、なんでまたこいつがいるのよ!」

「こいつ? ……この魚人ですか?」

 汐音君は苦悶の表情をしながら、よろよろと起き上がる。

「こいつ、アキが死にかけた魚人の成体だよ!」

 カレンの声を聞いた一同は驚愕で目を見開く。

 なんでこのタイミングで! しかもあの位置に、何らかの意思が介在しているかのようなお約束展開!? ……僕は叫んだ。

「結界の中に逃げろ!」

 僕の声に反応した冬華ちゃんは勢いよく走り出した。

 結界に向かってではなく、二刀を握り成体へと突っ込んでいく。下っ腹から気合を入れて……

「はぁぁぁぁぁぁ————!」

「やめろ! 冬華!」

 僕の声が届く頃にはすでに冬華ちゃんの剣が振り下ろされるところだった。

 しかしその剣閃は空を斬り魚人には掠りもしなかった。魚人は横に避けると横薙ぎに蹴りを振り抜く。剣を重ねて防御するが勢いに押され、体重の軽い冬華ちゃんは塀まで吹き飛ばされる。

「キャ!? ……グッ」

 顔を歪めた冬華はショートソードを杖代わりに立ち上がる。警棒を掴んで加勢に入ろうとする汐音を制止し叫ぶ。

「この魚人は私が殺る! 汐音ちゃんはコウちゃんの援護して!」

「しかし!」

「お兄ちゃんが殺れたんだ、私だって……やれる!」

 駆け出した冬華は回転するように二刀を振るい連撃を加える。左のダガーで突き、回転して右のショートソードを横に振り抜く、魚人はそれを難なく横に躱しジャンプし避ける。魚人の着地の寸前に合わせてダガーで突く。魚人はそれを蹴り上げ、隙のできた冬華ちゃんの懐へと飛び込む。魚人を捉えた冬華ちゃんはそのタイミングで渾身の力を籠めたショートソードで斬り上げる。


「あぁぁぁぁぁぁ————っ!」


 その一撃は見事に空を斬る。

 口角を吊り上げた魚人は体を少し横にずらして躱し、がら空きとなった冬華ちゃん背中に体当たりをかました。

「グハッ!」

 冬華ちゃんは息も絶え絶えでぬかるんだ地面に倒れ伏す。

「冬華ちゃん!」

 カレンちゃんの声に振り向くと、泥だらけの冬華ちゃんがフラフラと立ち上がろうとしていた。しかし、体が思うように動かないのか、ぬかるみに足を取られなかなか立ち上がれない。

 まずいこのままだと冬華ちゃんが、一瞬でいい、溜めの時間がとれれば……

「汐音! 一瞬でいい、魔物を僕に近づけるな!」

「は、はい!」

 僕は目の前のゴブリンを蹴飛ばし距離を取る。

 汐音君は矢が耐えられる限界まで魔力を籠めると、魔物共に向け撃ち放つ。


魔力の矢(マジックアロー)!」


 魔力の籠った矢は真っ直ぐに飛んで行き触れる魔物を次々と吹き飛ばしていく。

 僕は突き出した剣に手を添え、


「光よ、清浄なる光よ、剣に纏いて力と成せ! 真聖剣二ノ太刀残光閃!」


 聖なる光を発する剣が横薙ぎに振り抜かれると、剣から光の刃が扇状に広がり魔物を切り裂いていく。

 それを確認する時間も惜しみ僕は冬華ちゃんへと駆けだそうと振り返った。目に入ったのは冬華ちゃんと魚人が一撃を繰り出そうとしているところだった。

「負けない、お兄ちゃんに合うまでは……私、負けない!」

 冬華ちゃんはフラフラの足取りで剣を握りしめ前に踏み込む。しかし魚人の方が一歩速く、魚人の手刀が冬華ちゃんへと迫る。

 そのとき、一陣の風が吹きぬけ魚人の腕を斬りおとした。

「ギシャーーーーー!?」

 魚人の絶叫が響きわたると、冬華ちゃんは前に出た。


静流双薙(しずるそうなぎ)


 そう静かに口にすると、静かに流れる水面のように回転し二刀を横薙ぎに振るい魚人の首を飛ばす。

「ハァハァハァ……」

 冬華ちゃんはその場にへたり込み荒く呼吸する。

「「冬華ちゃん!」」

 カレンちゃんは駆け寄り回復魔法で治療する。汐音君は泥にまみれた冬華ちゃんを抱きしめ涙を流している。

 戦闘の終わりに気付いた村人たちが門から顔をのぞかせる……


 僕は三人に目を向けパラパラと降る雨に打たれながらその場で立ち尽くす。

 ……今回は冬華ちゃんが頑張ってくれたからなんとかなった。でも、こんなことを続けていたら……

 それにあの時の風刃、あれは一体……


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