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かわいい人

投稿の仕方がまだ不慣れですがよろしく

「……うっ…………あれ?」

 窓から日差しが入ってきてまぶしい、日が高くなっている、お昼? ……寝すぎた!? 大遅刻!!

 俺は飛び起きて横を見るとそこには見知らぬ女性がいた。

 青い瞳、ブロンドヘアーの落ち着いた感じ(今は驚いているようだが)で綺麗な人だな~~と思わずガン見してしまった。

(ん? あれ? ‥‥どこかで見たような? ……記憶が飛んでる?)

「あ、え、……と? ……どこかで?」

「え?」

「ないですよね、あはは」

 こんな綺麗な人一度見たら忘れないもんね。

「……あ!? おばあちゃーーん、気が付いたみたいだよ」

 と、おばあちゃんとやらを呼びに部屋を出て行ってしまった。

(あれ?ここは……ログハウス? 山小屋か?)

 パッと見四畳半くらいか? 床も壁も木の板が張られている。

「なんで山小屋?」


「気分はどうじゃ?」

 困惑中の俺は不意に声を掛けられた。

 ローブ? を着たおばあちゃんとさっきのブロンドのお姉さんが入ってきた。

「え、はぁ、いや特には……はい、大丈夫です」

 自分の状態を確認しつつ答えた。うん、ホントに大丈夫。

「そうか、それはよかった。わしはマーサ、今は占い師のようなことをしておる。こっちは孫のサラじゃ」

「お、俺は五十嵐空雄(いがらしあきお)、アキでいいです」

 ペコリと頭を下げると、サラさんはニッコリと微笑んでくれた。

(やばっ、ドキドキするぞ)

「五十嵐……」

 ん? なんだろう? 少し驚いているような?

「変わった名じゃのぅ。ふむ、アキよ、サラに感謝するのじゃぞ、森で倒れておったおぬしを見つけて、ここまで運んできたのじゃからのぉ。そうでなければ今頃魔物のエサになっておったところじゃ」

 マーサというばあちゃんが説明してくれる。しかし、今サラッと恐ろしいことを言われたんですけど!?

「それは、黒髪の人なんてわかりやすい目印だったし、それにおばあちゃんが範囲を視てくれたから、私一人じゃ見つけられなかったよ」

 サラさんは頬をほんのり赤く染めながら、胸の前で手を振っている。

(その仕草……マジカワイイ)

「手当てしたのも、看病したのもおぬしじゃろう?」

「それはそうだけど……」

 サラさんは困ったようにうつむいてしまった。

 てか手当て? 看病? 俺どっか怪我してる? そんな感じはしないんだけど……あ、でも看病っていうか、見ててもらったのはホントだからと思い俺はお礼を言う。

「ありがとうございます、ずいぶんお世話になってしまったようで」

「いえ、そんな、たいしたことはしていませんので」

「いえいえ、サラさんは命の恩人ですから、もう俺の命はサラさんのものって言ってもいいくらいですよ、ははっ」

って俺は何を言ってるんだ?

「いえ、そんな……」

 サラさんは顔がを真っ赤にして俯く。……なぜ?

「サラはこんな感じじゃから、まぁ仲良くしてやっておくれ。サラもおぬしのことを気にしておるようじゃし」

「もう! おばあちゃん!!」

 ばあちゃんの言葉にサラさんは頬を膨らませてポカポカばあちゃんの肩をたたいている。

(やっぱりカワイイ)

 そんな仕草は反則では!?

「あははは」

 ん~俺を気にする理由ってなんだろう? 見た目? いや普通だよ。性格かな? いやいやそこまで親しくなってないし、……うん、ないと思います。きっと怪我の具合だよね。

「さて、冗談はさておき」

 冗談なのね、うん知ってた、わかってた、どうせ俺だし、慣れてますから……

「聞きたいことがあるのではないかの?」

 ばあちゃんは本題に入ろうとする。

「え、あ、はい。そーですね」


グ~~~~


……俺の代わりに腹の虫が何かを訴えている。

「……ご飯はありませんか?」

「…………」

「……ぷッ、フフフフフフッ、先に昼食にしましょうか」

サラさんに笑われてしまった……





 カチャカチャ

「ガツガツ、ん~~サラさん、うまいっす」

「うふふっ、お口に合ってよかったわ」

 さっき俺が眠っていた部屋を出たすぐ隣の部屋が食事をとるスペースとなっていた。

 部屋の片側は土間になっており釜土が併設されていた。そこで調理し、中央にある木製のテーブルで今少し遅い昼食を堪能しているところである。もちろん料理はサラさんが作ってくれた。

 土間に近いところにサラさんが座り、その向かい側に俺、土間から一番遠い位置、上座? にばあちゃんが座るという位置取りだ。サラさんの顔を見ながらの食事とゆーのがいい! やはり目の前にはカワイイ人がいてくれた方がおいしく楽しく食事ができるよね!

 テーブルに並べられているのはスープ……少しクリーミーな感じからクリームシチューと思われるものと、少し塩味のパン(手作りなのかな?)丸いフランスパンみたいだな。シチューに浸して食べるとなおおいしい。あまりの空腹と美味しさで知らず知らずのうちにがっついて食べていた。

 ニコニコ見ているサラさんの視線に気づいて顔が熱くなるのをごまかすように水を飲んでペースを落とした。


「おかわりありますよ?」

 サラさんは俺の皿が空なのに気付いて進めてくれる、気の付く人だなぁ。

「いただきます」

 俺はそっとお皿を差し出すと、微笑んでシチューをよそってくれた。

「遠慮ないのぅ」

 ばあちゃんがジト目で見ながら言っていたが、今の俺にはサラさんと飯にしか興味がない! 故に気にしない。おかわりを味わい終え、一息ついた。

「ごちそうさまでした」

「おそまつさまでした」

「すごく美味しかったです。サラさん料理上手ですね」

「ありがとうございます、そう言ってもらえると作ったかいがあります」

「サラさんきっといい奥さんになりますよ。あ、もう奥さんだったりします?」

「奥さんだなんて、わたしまだ未婚ですよ。そんなに老けて見えますか?」

「いえ、そんなことないです!綺麗で可愛らしくて、未婚でよかったです!」

「もう、なにがよかったんですか?」

 照れながらそう言うサラさんは初々しくてキュンキュンするなぁ……俺は頬を緩ませてサラさんを見る。

 決して口説こうとかしてるわけじゃないからね。二人で楽しくお喋りしてただけなんだからね。そもそも俺じゃ釣り合わないし。いいじゃんたまには女の子と話ししたって! 

 と意味の分からない言い訳を考えていると、ばあちゃんが声をかけてきた。

「さて、食事も済んだことじゃし、話の続きをするかの?」

「そうですね」

 ん~一気に現実に引き戻されちゃったなぁ。情報は大事だしからと思い俺は切り替えることにした。

「いろいろ聞きたいんですけど、まず、ここどこですか?」

「うむ、ここはローズブルグとレイクブルグの間にある森じゃ」

「はぁ」

 ばあちゃんは当たり前のように答えるが、俺は生返事をする。 

 聞いたはいいけどサッパリわからんぞ……森しかわからなかったし。質問を変えよう。

「えっと、さっきの話で、俺を見つけたと言ってたけど、俺がいることを知ってたんですか?」

 ばあちゃんは一つ頷くと話はじめる。

「知っていたと言うよりは可能性の話じゃな。召喚の儀の際には空間が不安定になるんじゃが、それに巻き込まれて迷い込んできてしまうものが稀におるようなのじゃ。今回も現れるのではないかと警戒しておったのじゃが、そこへおぬしたちが現れたわけじゃ」

 なんだか怪しい単語が出てきたぞ。俺は訝しむ。

「召喚?」

「うむ、異世界より力のある戦士を呼び寄せたのじゃ」

「嘘でしょ? ドッキリかなんかですか?」

 異世界からって……俺は思わずキョロキョロカメラ探しちまったぞ。

「ドッキリ? とはなんじゃ? ……とにかく嘘ではないぞ」

 ラノベ感が半端ないんですけど……と俺は頭を抱える。

 でも、さっきの地名っぽい名前も知らなかったからあながちウソとも……いやいや落ち着け俺。世界中の地名知ってるわけではないし確認のしようがない。とりあえず次だな……

「それが嘘でないとして、なんでその~異世界? から呼び寄せたの?」

「古い文献にのう、世界に災いが起こるとき異世界から召喚された戦士が災いから世界を救った、と記されていたのじゃ」

 現実感のない話だなぁ。でも、ばあちゃんはいたって真面目に話してるし……

「こっちの世界の人じゃダメなの?」

「もっともな疑問じゃな、召喚された戦士はわしらにはない特異な力を持っておったのじゃ」

 ん? 俺は違和感を覚え訊ねた。

「ばあちゃん、それ見たの?」

「ああ、わしがサラよりも若かったころにのう」

「……災いってそんなに頻繁に起こるものなの?」

「文献には100年くらいの周期と記されておったが」

「へ? ばあちゃんいくつなんだよ!? 100超えてるようには見えないんだけど! それともこっちの世界は長命で老化が遅いのか!?」

 俺は知らず知らず声を上げて思わずまくし立ててしまった。

「いや、そんなことはない。わしは75じゃ、ちなみにサラは19じゃ。見た目通りじゃろ?」

「ちょっ!? おばあちゃんどうしてわたしの歳まで言っちゃうの!」

 ばあちゃんの突然の情報公開にサラさんは頬をふくらませて怒っている。

「いいじゃろ、若いんじゃし」

「(行き遅れてると思われるじゃない)」

 サラさんの声は小声でよく聞こえなかった……

(てか年上だったのかぁ、年上のおねえさんか……イイです!)

「ふむ、アキ? おぬしはいくつなんじゃ?」

「え!?17です」

「奥方は?」

 ぶっ!? いきなり何言いだすかな、このばあちゃん

「いるわけないでしょう! こっちの世界はどうなのか知りませんけど、俺たちの世界ではまだ結婚できないんです! いや、まぁ相手もいないんですけど……クスン。男は18、女は16にならないと結婚できないんすよ。まぁそんなに早くはしないですけど……25くらい? 知らないけど……」

「だそうじゃ、サラよかったのぅ?」

「えっ!? な、なにが?」

 ばあちゃんの慰めの言葉にサラさんはしどろもどろになる。

 うん? 何がよかったんだろう? 19はまだまだ若いってとこがかな?

「まぁよい、話がそれてしもうたな……どこまで話たんだったかのう?」

 ばあちゃんは仕切り直して言う。

「100年周期じゃなかったのかってとこ」

「そうじゃった。100年周期だと思っておった災いが100年も満たぬうちに来たのじゃ。さすがに皆騒然となってのう、とり急ぎ召喚の儀を執り行ったということじゃ」

 俺は腑に落ちず訊ねる。

「来たって……どうしてわかるの?」

「予見じゃ。城には予見士がおって未来を視るのじゃ」

「予見? 予知みたいなもの? それあてになるの?」

「当たり前じゃ! そうやっていつも災いを防いできたのじゃ!」

 ばあちゃんはそう言い切るけれど。ん~こっちの世界じゃそういう能力は普通にあるのかな。異世界ってのが本当って前提だけれども。

「ばあちゃんが予知したの?」

「いや、今回はわしではないんじゃがのう……」

 ばあちゃんは歯切れの悪い言い方をする。

「ふ~ん、その予見した人はなんで俺を選んだんだ? 悪いけど俺なんてなんの力もないただの高校生だぞ」

「コウコウセイ? よくわからんが召喚されたのはおぬしたちではないぞ。先ほども言ったようにおぬしたちは迷い込んだだけじゃ」

「へ? じゃあ、呼ばれたのは他にいるってこと?」

「そうじゃ、ガッカリしたかのう? まぁ戦いに巻き込まれないだけよかったではないか?」

 ばあちゃんは安心させるかのように言う。

「いや、すでに迷い込んだだけでも十分巻き込まれてるんですけど……って、あれ? ばあちゃんさっきおぬしたちって言ったよね?」

「言ったのぅ」

「俺以外にも迷い込んだヤツがいるのか?」

「おそらくの」

「おそらくって、ここにはいないのか?」

 もったいぶっているのか言いだし難いのか、なかなか詳細を言わないことで俺の声に苛立ちが混じる。

 ばあちゃんは重い口を開いて説明する。

「うむ、空間の歪みが二か所で発生してのう、おぬしは見つけたのじゃが、もう一方はすでにいなくなっておって見つけられなかったのじゃ。おぬしの手当てもしてやらねばならなかったしのう」

 一つ間を置いてばあちゃんが俺に訊ねる。

「おぬし、迷い込んだ時一人じゃったか?」

「え? 一人だったけど?」

「本当か? まわりに誰かいなかったか? 召喚された者の近くに空間の歪みが生じやすいんじゃが……」

 近くにいたのって……!? 俺はあの時のことを思い出すと「あっ!?」と声を上げた。俺の背中に汗が噴き出るのがわかった。

「いたのじゃな?」

「少し離れてたけど……総司と結衣……それに……」

「おぬしの友人か? 運がよければ今頃無事に召喚されて城におるじゃろう。そうでなければ……」

「……(総司、結衣)」

 サラさんは気遣わしげな瞳で俺を見ていた……




!?

「おばあちゃん!?」

「サラも気付いたか!?」

 急に二人は何かに反応して動揺している。

「え? どーしたんですか?」

 二人の険しい表情から何かが起こったのは確かなようだが、俺にはサッパリわからない。ていうか急に怖いんですけど……

「ここからずっと北の方、とても大きな魔力かな? 何かが弾けたのを感じました」

 サラさんが言葉を選びながら説明してくれる。

「魔力? なにか? それって災い的な?」

 俺が意味もわからず困惑を深めるなか、二人は話を進めていく。

「いや、どうじゃろう?‥‥確認したいところじゃが少し遠い。今行っても着いた頃には誰も何も残っていまい」

「それなら、わたしが確認に行ってこようか? 痕跡くらいはあるかも、魔力残滓(ざんし)がかすかでも残っていればなにかしらわかるだろうし」

「ん~そうじゃな、サラ一人なら……すまんが行ってきてくれるか? くれぐれも気をつけてな」

「うん、わかってる」

 何が何だかさっぱりわからない話で、俺はすっかり置いてきぼりをくらってしまったが、これは聞き逃せないぞ。

「ちょっ、ちょっと!? サラさん一人で行かせるのか? あぶないんじゃないの? 俺も一緒に」

「おぬしが一緒だと足手まといになるだけじゃ! 危険が増すだけじゃ!」

 かぶせ気味に言われてしまった。

「でも……」

「大丈夫ですよ、こう見えてわたし結構強いんですよ」

 サラさんは、さも何でもないかのように微笑んでいる。それにばあちゃんが補足する。

「おぬしが10人束になっても相手にならんからな、おぬしが弱すぎるだけなんじゃが」

 いくらなんでもそれは言い過ぎなのでは?

「そんな怪力女みたいに言わないでよぉ! 違いますからね! そういう感じじゃないですから」

 必死に弁明してるサラさんもカワイイなぁ。でも喧嘩したら負けるんだろうなぁ。尻に敷かれそうだ。イヤ! サラさんのお尻なら大歓迎です!俺はチラチラサラさんお尻を盗み見る。

 そんな俺をばあちゃんはジト目で見ながら言い放つ。

「サラが出ておる間おぬしは修行じゃ! 少しは強くなってもらわねばこの世界では生きていけんからのう」

 生き残るための修行ってなにすんだ!? そんなデンジャラスな世界なの!? 俺は先の不安に顔を引き攣らせる。

「それに、弱いヤツなんぞにサラはやらんぞ!」

「おばあちゃん!?」

 ばあちゃんの冗談にサラさんは声を上げる。

(あれ? デジャヴ? ……最近にもこんなことがあったような?)



 その晩準備を終え、翌朝サラさんは出発した。

ん~書くのって難しい

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