表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/288

人間?

「無駄な体力使わせやがって」

 アキは壁に整列する3人に文句を言う。

 アキとサラの愛の営みが中断させられた後、冬華たち3人は逃亡を図った。それをアキはルゥと共に追跡し、捕獲連行してきたのだ。そして今、壁際に整列させている。

 3人の前には椅子に座り睨みを利かせるアキ。愛の営みを邪魔され、おまけに追跡劇までつき合わされ、不機嫌全開な視線を3人に向けている。

 その隣にはアキが追跡している間に服を着たサラ。すました顔をし努めて平静を装っているが、頬が朱に染まっているため羞恥心に耐えているのがわかる。

 そして反対隣にはアキに頭を摺り寄せるルゥがいる。捕獲に貢献したことを褒めてほしいようだ。

 汐音と結衣はアキに睨まれ緊張の面持ちで直立し、冬華は不貞腐れたようにそっぽを向いている。

 アキは3人を見据え尋問する。

「で、なんで逃げた?」

 汐音と結衣はお互い顔を見合わせると、汐音が代表しおずおずと弁明する。

「そ、それは、さすがにあれを見てしまってはその場に(とど)まれないですよ、ねぇ?」

 汐音は申し訳なさそうな顔でそういうと、結衣に同意を求める。

「う、うん」

 結衣は頬を赤くしモジモジし俯いている。あの光景を思い出し、恥ずかしくなったのだろう。

 嘘は言っていないようだ。

 アキはさらに尋問する。

「じゃあ、なんでバルコニーにいたんだ?」

 再び汐音が代表し説明する。

「えっと、その、ルゥちゃんが五十嵐君に会いたそうに、寂しそうに泣き始めたので戻ってきたんです。ですが、ただ戻ってきたんじゃ面白くないと、バルコニーからいきなり現れて驚かそうって話になりまして。そうしたら、その……」

 汐音は言い難そうに口ごもり、チラチラとアキとサラを交互に見る。

 サラは頬をさらに赤くし俯いてしまった。

 あの現場に出くわしたということだ。

 アキは今の話が真実なのか確認するように、結衣をチラリと一睨みする。

 結衣はコクコクと頷いた。その焦りようは本当だろう。

 おそらくそれを提案したであろう冬華は、相変わらず不貞腐れたようにそっぽを向いている。不貞腐れたいのはアキの方だった。

 アキは一応ルゥにも聞いてみることにした。ルゥは絶対に嘘を言わないとアキは信じていた。

「ルゥ、今の話は本当か?」

 アキはルゥの頭から首へかけ撫でてやる。

 ルゥは気持ちよさそうに頭を摺り寄せ二鳴(ふたな)きする。

「グエ、グエェェェェ(うん、本当だよパパ)」

「そうか」

 アキは納得したように頷く。

 その光景を皆不思議そうに見ていた。

 アキは最終確認を終え、黙考する。

 そしてカっと目を開き判決を下す。

「ルゥの遊び相手をしてくれたし、悪気があったわけでもない。今回は見逃してやる」

 アキは上から目線で言い放った。被害者? であるのだから当然だろう。

 無罪を獲得した汐音と結衣はホッと胸を撫で下ろし、壁にもたれかかり脱力する。

 しかし、そんなアキの物言いに冬華が憤慨し声を上げる。

「なんでお兄ちゃんがそんなに偉そうなのよ! そりゃ見ちゃったのは悪いと思うけど、そもそもあんなことしてたお兄ちゃんたちが悪いんじゃない!」

 冬華は一応反省はしているようだが、あの行為については納得していないようだ。

 アキはイラッとし言い返す。

「何が悪いんだよ! 俺たちは愛し合ってるんだ! 愛を確かめ合って何が悪い!」

 サラは顔を真っ赤にしつつ控えめに頷いている。

 汐音たちも正論だと思い口を挟まなかった。

 しかし、冬華は尚も食い下がる。

「何言ってんの! お兄ちゃんにはまだ早いわよ! お兄ちゃんまだ高校生だよ? 早過ぎるわよ!」

 冬華はなかなか古風な考えを持っていた。

 汐音はハッとし頷きだした。冬華の言い分に納得したようだ。ここが異世界だと言うことで自分たちがまだ高校生だということを失念していたようだ。

 とはいえ、本当はただ冬華が兄離れできないだけなのだ。一時期は出来ていたのだが、こっちの世界に来て再発してしまったのだ。

 結衣は総司とそういう関係に徐々になって行こうと思っている手前、何も反応せず傍観に徹していた。

「アホか! いつの時代だよ! 愛に時間も(とし)も国境も世界も関係ない! 後悔しないように行動しなきゃ嘘だ! 死んじまったら何も残せないんだぞ!」

 アキは声を荒げて言う。

 アキは一度死に、ルゥを失いそうになり、後悔しないよう行動し生きていくと決意していた。それを誰だろうと邪魔させるつもりなどなかった。

 その場にいる皆、アキが今ここでピンピンしているため、アキが一度死んでいることをすっかり忘れていた。そして、今回のドラゴンとの戦いで自分たちも死にかけていたことを思い出し、何も言えなくなってしまった。

 アキに怒鳴られ、冬華はシュンとしてしまった。

 そんなしおらしい冬華を見て少し言い過ぎたかと早速後悔していたが、頭に血が上ったアキはどう収めたらいいかわからずにいた。

 そのアキの葛藤に気付いたサラが、アキの気を静めるようにアキの手をそっと掴む。

 そして、優しく微笑むと告げる。

「アキ、わたしも後悔しないように、アキを後悔させないように、アキと共に生きていきます。アキの心にたくさんの愛を残せるように。だからアキもわたしやみなさんにたくさんの愛を残してください」

「グエェ、グエェェェェ(パパ、ルゥもずっと一緒だよ)」

 ルゥが頭を摺り寄せそう告げる。

 アキはサラの手を握り返し、ルゥの頭を撫でる。

 両手からサラとルゥのぬくもりを感じ心が温かくなった気がした。

 アキは目を閉じ呟いた。 

「そうだな。俺だけじゃなく、みんなにも後悔してほしくないよな」

 アキは3人に微笑みかけ告げる。

「お前たちも後悔しないようにしろよ。どいつもこいつも前線に出て死にそうになってるからな」

 アキは冗談めかし苦笑を浮かべる。

「特にカルマ。あいつは特に危ない。いつも死にかけてるイメージだからな、しっかりしごいてやれよ?」

 アキは冬華に笑いかける。

「そうなのよねぇ。これでも厳しくしごいてるんだけど、ブツブツ文句ばっか言うのよねぇアイツ」

 冬華はお手上げといった風に大袈裟に両手を上げて言う。

「それはそうでしょう。厳しいだけではダメですよ。アメとムチを使い分けなければ育ちませんよ」

 汐音も話に乗っかり冬華の指導方針にダメ出しする。

「あ、でもこの間アメを与えてましたね」

 汐音は思い出したように言う。

 冬華は何の話かわからず首を傾げている。

「え? アメってなんですか?」

 結衣が興味深々と言った感じに話に入ってきた。

「えっとですね、カルマが強くなるために先行投資と称しキスをしていたんですよ」

「何———!?」

 冬華が当時を思い出し「わーわー」と騒ぐ前に、結衣が「わぁ」と歓喜する前に、アキが叫び声を上げていた。

「え!? なに?」 

 冬華がビクッと振り返ると、アキが鬼の形相で冬華を見ていた。

「冬華! お、お前、カルマとキ、キキ、キスしたのか!」

「え? い、いやその……」

 冬華はモジモジし口ごもる。それがイエスを意味していることは誰の目にも明らかだった。

「早い! 早過ぎる! お前はまだ中学生なんだぞ!」

 アキはついさっき冬華に言われたことを中学生と変えて、そっくりそのまま返していた。

 その場の全員が呆気にとられ、そしてジトっとした目を向ける。

「それ、私が言った言葉だよね?」

「そんなことは知らん! 俺は断じて許さんからな! 不純異性交遊反対!」

 アキは自分のことを棚に上げ言い放った。

 後悔するなと言いつつ、実際にそれをした冬華にショックを受けていた。シスコンと思われても仕方がない言動だった。

「なんでお兄ちゃんはよくて私はダメなのよ! お兄ちゃん後悔するなって言ったじゃない!」

 冬華は声を荒げて言う。

「そんなことは知らん! とにかく俺は許さん!」

 アキは知らんで付き通すつもりのようだ。

「なんでよ!」

「何でもだ!」

 二人は額を擦り合わせ一歩も引く気はないようだ。

 喧嘩をしているのだが、冬華はどこか嬉しそうだ。アキが嫉妬してくれているのが嬉しいのだろう。

 汐音と結衣はこの仲良し兄妹喧嘩を呆れ半分に眺めていた。

 サラは微笑まし気に見ている。

「グエェェェ!(パパがんばれ———!)」

「おう!」

 ルゥの楽し気な声援にアキは応える。

 その光景を汐音は不思議そうに見ていた。

 何度もその光景の見てずっと気になっていた汐音は、ついに訊ねることにした。

「あの、五十嵐君」

「なんだ! 今忙しいんだよ!」

 アキは苛立ったように声を上げる。

 アキは冬華の額を押し込もうと頭をグリグリしている。

「うぬぬぬぬ……」

 冬華は歯を食いしばり、押し返そうとする。

 兄妹仲良くじゃれ合っていた。

 このままでは話が聞けないと思った汐音は強硬手段に出る。

ジャキン

 汐音は警棒を手に二人の前に出る。そして二人の頭に振り下ろした。

ゴンゴン

「んぐっ!?」

「うぐっ!?」

 もちろん手加減はしてある。頭を割ってしまっては話どころではない。まあサラもいるから二人掛かりで回復すればいいのだが、そこまで非情にはなれなかった。

「何すんだ汐音!」

「何すんの汐音ちゃん!」

 兄妹仲良くハモっていた。

「いい加減にしなさい。話ができないでしょ! もう、仲が良いのはわかったから」

 汐音が説教モードに入る。

「仲良くねぇし」

「仲良くないもん」

 二人はそっぽを向いて言う。

 アキは不貞腐れたように、冬華は少し嬉しそうに。仲良く見られたのが嬉しようだ。

 汐音は一つ溜息を吐き、訊ねる。

「はぁ、それでですね。五十嵐君に聞きたいんですけど、五十嵐君、ルゥちゃんの言葉わかるんですか?」

「「「え?」」」

 冬華、結衣、サラは声をそろえて疑問符を浮かべた。

 そして真っ先に冬華が声を上げる。

「何言ってるの汐音ちゃん。そんなのわかるわけないじゃん。ルゥちゃん鳥だよ? お兄ちゃん一応人間! わかるわけないじゃん!」

 言いたいことはわかるが一応呼ばわりされたアキは納得できなかった。

「一応って何だよ! 俺はれっきとした人間だ!」

 二人は再び額を擦り上げて喧嘩をはじめそうな勢いだ。

ビュンッ

 汐音は二人の眼前に警棒を振り下ろし、事前にストップをかける。

「「あっぶなっ」」

 二人が文句を言おうと汐音を見ると、汐音は怪しい気配を放ちニッコリ微笑み警棒をビュンビュン振っていた。顔は笑っているが目が笑っていない。「話が進まないから黙れ」と威圧している。

「し、汐音ちゃん怖い」

 冬華はアキの背に隠れ怯えている。

「お、おう」

 アキは無意識に冬華を庇っていた。相変わらずどんな時でも妹は泣かせたくないようだ。

 汐音は恐怖の微笑みを浮かべ再び訊ねる。

「で? どうなのですか?」

「お、おう。確かにルゥの言ってることはわかるけど、とにかく落ち着け! な?」

 アキは手を伸ばし制止するように説得する。

 完全に立場が逆転していた。

「では詳しく話してください」

 汐音から怪しい気配が消えたことにホッとし、アキは面倒ながらも話はじめた。

 ルゥのことをあとで話すと約束もしていた為、遺跡でのことから順を追って話した。

「グゥゥゥゥ、グゥゥゥゥゥ……」

 話終える頃にはルゥはいびきを掻き眠ってしまっていた。退屈だったのだろう。

 アキは気持ちよさそうに眠るルゥを起こさないように優しく撫でている。この毛並み? が気持ちよくて癖になっていた。

 アキは撫でると感触が気持ちよく癒される、ルゥは撫でられると嬉しくて気持ちが良い。利害は一致していた。利害とかを考えて撫でているわけではないのだが。

 汐音は話を聞い終え、しばし考え込み口を開いた。

「では、五十嵐君はドラゴンの返り血を盛大に浴びてしまったわけですね? そして、その頃から言葉がわかるようになったと……」

「ああ」

「五十嵐君も知ってるとは思いますが、ドラゴンの血には魔力が宿っています。その生き血を浴びたことで、動物の言葉を理解できるようになったのではないでしょうか?」

「ん? でもドラゴンの言葉はわかんなかったぞ?」

「そうですか……(では鳥語だけ? それともルゥちゃんだけでしょうか)……ルゥちゃんが死にかけた時ありったけの回復薬を掛けたり飲ませたりしたと言っていましたが、その時五十嵐君血まみれでしたか?」

「え? ああ、ドラゴンを追っ払った後だからな。ルゥが死にそうなのに拭き取ってる暇なんてねぇよ」

 その当時を思い出したのか、アキの声は少し荒立っていた。

「では、そのせいでしょうね」

 汐音は一人納得した。

「どういうことだよ?」

「えっとですね、ドラゴンの血を浴びた五十嵐君は聞き取る能力に目覚め、血の混じった回復楽を飲んだルゥちゃんは伝える能力に目覚めたのではないでしょうか? だからルゥちゃんの言葉だけ聞き取ることができるんでしょう……羨ましいですね」

 汐音はそう説明するとボソリと付け足した。ルゥとお話しできることが余程羨ましいようだ。

「ふ~ん……」

 アキはルゥを見て生返事を返す。ルゥと話せるということだけが利点であり、他の動物とは意思疎通ができないとわかり、すでに興味が失せていた。

 深刻に考えているのは汐音だけだった。

 汐音は密かにドラゴンの生き血ゲットをもくろんでいた。

 そして何かに気付いたように声を上げた。

「あ!? ドラゴンの血を飲んだからルゥちゃんの姿が変わってたんですね!」

「え!?」

 アキが驚いたように声を上げた。その表情はどこか焦っているようだ。

「アキ? どうしたんですか?」

 サラが心配そうに訊ねる。

「いや、その……俺もドラゴンの血飲んじまった。俺も姿変わるのか? 竜人みたいになるのか?」

 アキは意味のわからない単語を言い出した。

 そして、「それはそれでカッコイイかも」などと考えていた。テンパり過ぎて思考がおかしくなっていた。

「大丈夫です。どんなアキでもわたしは愛し続けますから!」

 サラはサラでブレることなく我が道を突き進んでいる。

「それはないでしょう。明らかに五十嵐君の方が血を多く浴び飲んでいるでしょうから、変異するならとっくにしているでしょう」

 汐音が冷静に指摘する。

「そ、そうか」

 アキはどこかガッカリしていた。

「じゃ、じゃあ、ルゥもドラゴンの血が原因ってわけじゃないんだな?」

「そうなりますね……ルゥちゃんが変化する前に使った回復薬ってなんですか?」

「ん? これだけど?」

 アキは謎の回復薬を手に取った。

 それはあの時最後に試した回復薬であり、リーフ村で調合してもらった違う効果のついたものだった。

 アキが見つめる回復薬を見て汐音が訊ねる。

「それは?」

「ああ、リーフ村で調合してもらった回復薬の内の一つなんだけど、他の回復薬と違う効果がついたらしくて使わずに置いてたんだけど、あの時全然回復しなかったルゥにダメもとで試したんだよ。そしたらルゥの体がなんか光り出して、気付いたらあんな姿になってた」

「それって完全にその薬のせいじゃん!」

 冬華が呆れたように声を上げた。

 使った途端に変化が起これば疑いようはなかったのだが、あまりの劇的な変化に回復薬程度ではありえないと、アキは頭から除外していたのだ。

「え~ただの回復薬だぞ? そりゃ効果は謎だけど……ないだろ」

 アキは否定する。

「ないとは言い切れないでしょう。ここは異世界ですし、ルゥちゃんの生態だってわからないんです。何が作用してもおかしくはないでしょう」

 汐音も不可解な事を異世界の言葉で片付けるのもどうかとは思ったが、そういうほかなかったのだ。

「まあ、そうだけど……」

 アキは納得できなかった。

「だったらもう一回試してみればいいじゃん」

 冬華がニヤリと笑い告げる

 確かにそれが手っ取り早い。

「そうだな、ルゥが起きたら飲ませてみるか」

 アキもニヤリと笑う。

 害はないということはわかっているため気兼ねなく飲ませられる。そして、その変化を見られるかも知れないと、退屈を嫌う仲良し兄妹に楽しみができたのだ。

 そんな悪い顔の兄妹を見て汐音が声を荒げる。

「ルゥちゃんを実験台にしないでください!」

「でも汐音ちゃんだって気になるでしょ?」

「それは……」

 汐音はルゥをロックオンして放さない。気になるようだ。

「「(落ちた)」」

 アキと冬華はニヤリと悪い顔で笑い頷き合う。


 話がまとまる? と、ずっと黙って考え込んでいた結衣が口を開いた。

「ねぇ、魔力の宿ったドラゴンの血を浴びて、アキの体本当に大丈夫なの? アキって魔法が使えないくらい魔力ないんだよね? 影響とかないの?」

 ルゥの事で頭がいっぱいだった汐音はそこに気付いていなかった。

 冬華もチャチャを入れることに夢中で気付かなかった。

 サラはどんなアキだろうと受け入れる覚悟があった為、元気そうなアキを見て失念していた。

 アキはまったく無頓着だった。すでに中にいろいろ入っているため、今更ドラゴンの血が入ったくらいで動じない。「それが何?」って感じだった。

 少し考え込んだ汐音が何かを思い出したように口を開いた。

「そういえば、ドラゴンの生き血を浴びて不死身の体を手に入れたとか言う伝説があった気がしますね」

 不死身、不死者、それはもう人ではないのでは?

 皆の頭にそんな考えが過る。

「大丈夫です! 人でなくてもわたしはアキを愛していますよ!」

 さすがはサラ、まったくブレていない。

「まあ、そんな伝説眉唾もんだろ? 死ななきゃ確認できねぇようなもん気にしてても仕方ねぇって」

 特に体に異変を感じないアキは、死ななかったらラッキーくらいに軽く考えていた。

 当然試すつもりはない。普通に死んでしまったら元も子もないのだから。


 瘴気、闇の力を操り、ルゥの言葉がわかる。この上不死になろうものなら、もう人間とは言えないだろう。

 まさかここで冬華の言った「一応人間」のフラグ回収をすることになるとは思いもしなかった。


サブタイトルに「?」ブームが来た!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ