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 だだっ広い闇の空間にポツンと建てられた家は、アキの目にはかなり不気味に映った。

 アキはあからさまに怪しいこの一軒家を調べるため、ぐるっと一回りする。

 見た感じ特に変わったところのない、住宅地にあるようなごく普通の一般的な一軒家だった。

 そもそもここはアキの夢の中のはず、何があってもおかしくない空間だ。だとしたら一軒家があってもおかしくはない。

 だからと言って中に入ろうとも思わない。アキが造り上げた家だろうと、この空間にポツンとある時点で突出して怪しいのだから。

 ホラー映画などでは、物語上中に入っていくしかないのだが、これは映画ではない。

 アキは誰がなんと言おうと断固として中に入るつもりはなかった。

 自分の夢ならば消すこともできるはず、アキは目を閉じ念じはじめる。


「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろぉぉぉ! ハッ!」


 アキが無心で念じ目を見開くと、

「消えねぇ……」

 家は消えずに残っていた。その代りに辺りが少し明るくなっていた。

 そして、家の佇まいが見えてくるとアキは目を疑った。

「……うそ? 俺んちじゃん」

 見慣れた、そして住み慣れた、今までの生涯を過ごした、愛着のあるアキの家だった。

 アキは夢で自分の家を見るほどホームシックに掛かっているのかと自分に疑いを掛ける。

「いやいや、待て待て、これが俺の家とは限らないだろう」

 アキは自分のホームシックを否定するためにこの家の表札に目を向ける。

 表札には「アルスの家」と書かれていた。

「……なんで?」

 アキはなぜ自分の夢の中に自分の家を造り上げ、アルスの家などと書いているのか意味がわからず、茫然と立ち尽くしていた。

 すると、玄関の扉が開かれた。

 アキはビクッとし、いつでも逃げられるように身構えると扉へと視線を向けた。

 家の中からボーリングの球大の丸く黒い靄のようなものがフヨフヨと緩やかに飛んで出てきた。

 アキはその光景をボーッと眺めていた。

 黒い靄はアキの存在に気付くと(アキにはそう見えた)、嬉しそうに飛び跳ねながら駆け寄ってきた(アキにはそう見えた)。

『いらっしゃーい、空雄!』

「は?」

 いきなりの出迎えのあいさつにアキは間抜けな声をもらしていた。

『は? じゃないよぉ、ほら入って入って~』

 黒い靄はやはり嬉しそうだった。

 黒い靄はフヨフヨとアキの背を押して家にあげた。

 間取りは外観同様まんまアキの家と同じだった。

「お前のそのテンション、アルスだよな? ここ何なんだよ? 俺の夢じゃねぇのかよ?」

『うん、僕アルスだよ。空雄が名付けてくれたアルスだよぉ。ここはねぇ、僕と空雄の愛の巣なんだよぉ』

 アルスは靄をウネウネと動かし嬉しさと気恥ずかしさを表現していた。

ボスッ

 アキはアルスの頭? らしき箇所へ拳骨を落す。

『いったぁぁい、なにするのさ?』

 アルスは非難めいたを声を発するがどこか楽しそうだ。

「誤解を招く言い方すんじゃねぇよ! ていうか、いてぇのかよ!」

 アキは拳に伝わる手応えのない妙な感触に首を傾げる。

『痛いよぉ、当たり前じゃないかぁ』

 アルスは黒い靄を器用に動かし靄の触手のようなものを出すと、頭をさする動作をする。

 アキはそれを不思議そうに眺めていた。

「なんだこれ? 手か?」

 アキは頭をさすっていた細い触手を掴みぶらぶら振ってみた。

『うわっ!?』

 アルスはすごい勢いで触手を引っ込めた。

「え? なに?」

 アキはわけがわからず怪訝そうにアルスを見る。

『いきなり触るんだもん、ビックリするよぉ』

 アルスは照れたようにウネウネ動く。少し、いやかなり不気味に見える。

 アキは若干引いていた。

 アキはアルスから離れるように、勝手知ったる我が家もどきのリビングへ行きソファに腰掛ける。

 いつも通り3人掛けソファの左側に座ると、なぜかすぐ隣にアルスは腰を掛けた。

「なんで横に座るんだよ。って、それ座ってんだよな?」

 アキの目には丸い黒い靄がソファーの上にちょこんと乗っているように見えていた。

『うん。隣の方が空雄を強く感じられるから』

 アルスはすり寄るようにアキに近づいてくる。

ボスっ

 アキはアルスの頭? らしき箇所に拳骨を落す。

『いったぁぁい、また、なにするのさ?』

 アルスは非難めいた声を発するが、やはり楽しそうだ。

「なぜだろう? なぜか拳骨を落したくなってしまった。不思議だ」

 アキは露骨なまでに棒読みで言い放った。

『もう、スキンシップしたいんなら撫でてくれればいいのにぃ』

 アルスはウネウネ動きながらアキにすり寄ってくる。

「どこ撫でるんだよ……って、そうじゃなくて、さっきの質問だ!」

 アキはアルスを撫でるのではなく押し退けると声を上げた。

『え~、なんだっけ?』

 アルスは忘れてしまったように小首を傾げた(アキにはそう見えた)。

「だ~か~らぁ! ここ俺の夢の中だろ? なんでお前まで出てくんの?」

 アキは焦れたように声を上げ問いただす。

『あ~それねぇ。ここは空雄の夢の中じゃないよぉ。空雄の内なる世界? 精神世界? みたいなところだよぉ』

 アルスは嬉しそうに話している。

「俺の内なる世界? 精神世界? よくわかんねぇけど、それでなんでお前がいんの?」

『なんでってぇ、空雄が僕を受け入れてくれたからだよぉ』

ボフッ

 アルスは嬉しそうにアキに体当たりしてきた。

「なに体当たりしてんだよ」

『あれ? なにか違うなぁ』

 アルスはどこが違うのか考え込む(アキにはそう見えた)。

 そんなアルスを無視しアキは疑問をぶつける。

「なあ、お前を受け入れたら俺の精神世界こんな真っ新になっちまったのか? 家しか残ってねぇじゃん! 俺大丈夫かよ!」

 アキは自分の精神世界が精神と〇の部屋のようになっていることに不安を覚えた。まわりの異様に暗いところが特に不安を掻きたてていた。

『ん~? ここには元々この家しかなかったよぉ』

 アルスはよそ事を考えながら、さらっと重大なことを言った。

 アキは驚愕した。自分の精神がはじめから家だけで、あとは真っ新な状態だったことに。

「ていうか、精神が家だけってどうなんだ? 家大好きッ子? あ、でも暗いから違うのか? マイナスなイメージだから、ん~やっぱり引きこもり?」

 アキは自分の精神について考え込んでいると、アルスが口を開いた。口がどこにあるかは不明だが。

『ああ、大丈夫だよ。空雄の精神はもっとグチャグチャしてるから。ここはその一部分だよぉ』

 アルスはそんなつもりはないのだろうが、バカにしているように楽しげに話す。

「グチャグチャって、全然大丈夫じゃねぇじゃん。逆に心配になってきたわ!」

 アキはすかさず突っ込みを入れる。

『アハハッ、人間はみんなそんなものだよ。不安定なんだよ。だから闇につけ込まれる。空雄も危なかったよねぇ』

 アルスは楽しそうに言う。

「ふ~ん、そんなもんなのか、じゃあこのなんにもない空間も普通なのか」

 アキは少しホッとしていた。みんな同じだと思うと不安も薄れるものだ。それがいい事かと言うと、そうでもないのだが。

『空雄、ホッとしてるとこ悪いんだけど。この何もない空間があったのは空雄だけだよ。他にはいなかった、と思う』

 アルスは最後の部分を曖昧に言った。

「なんだよ思うってわかんねぇのか?」

『アハハッ、ゴメンねぇ。僕は僕の一部でしかないから、記憶も一部しかないんだぁ』

 アルスは普通なら辛いであろう話を楽しげに話していた。

「そうなのか……なんか悪かったな」

 アキはデリカシーのないことを聞いてしまったと思い謝った。

『え~! 空雄が優しいぃよぉ! わぁぁい』

ボフッ

 アルスは嬉しさのあまりアキに体当たりした。

「体当たりするほど怒ってるのか、悪かったな」

『あ、あれ? やっぱりなにか違う』

 アキが謝罪する横でアルスは小首を傾げていた(アキにはそう見えた)。

「じゃあ、ここはなんなんだろうなぁ?」

 アキはこの真っ新な空間を疑問に思い、答えのわからない呟きをもらした。

『ん~? ここがなにかはわかんないけど、魔法が使えないのも、瘴気を引き寄せやすいのもここのせいだと思うよぉ』

 アルスはよそ事を考えながら、再びさらっと重大なことを言った。

「え? おい! それはどういうことだよ!」

 アキはアルスの頭? をガシッと掴み顔を近づけ声を上げた。

 魔法が使えない原因がここにあるのなら、それを突き止め解決すれば魔法が使えるようになるのではないかとアキは考えたのだ。

『っ!?』

 アルスはビックリしたように全身を硬直させた(アキにはそう見えた)。

『ち、近いよ空雄ぉ』

 アルスは照れたように言う(アキにはそう聞こえた)。

「お、おう。わりぃ」

 アキはアルスをソファに置き、再び訊ねる。

「で、さっきのはどういうことなんだ?」

 アルスはモジモジしながら話だした(アキにはそう見えた)。

『えっとね、ここは空雄の精神世界の一部って言ったけど、もう少し詳しく言うとね、ここには魔法を扱うための魔力があるはずだったんだと思う』

 アルスはハッキリしない記憶をつなぎ合わせながら話す。

『僕の記憶にあるほかの人間にも大小それぞれ大きさは違ったけどそういう魔力が溜まった空間があったんだよ。でも空雄にはそれがなくて、代わりにこの空間があったんだぁ。すごいよねぇ、こんなに広い空間だよぉ、魔法が使えたら大魔法使いになれたよねぇきっと』

 アルスはアキのありえたかもしれない可能性を楽しそうに告げた。

「大魔法使いって……これだけ広い空間があっても魔力がなけりゃ意味ねぇじゃん」

 アキは愚痴るように呟いた。

『アハハッ、そうだよねぇ。だから、この空間を狙って瘴気が入り込もうとしてるんだよ。ここ居心地いいもん。今暗いのは瘴気が強引に入ってこようとした名残だよ。暗いからお掃除してたんだけどぉ、ここ広いからねぇ』

 アルスはあたかも台風後、庭先に飛んできたゴミを処分するかのように軽い感じで言った。

 どうやら先ほど少し明るくなったのはアルスが掃除をしていたからのようだ。

『ここの空間はさ、空雄の許可がないと入れないんだよ。あの時、瘴気が強引に入ってこようとしたから空雄は苦しかったんだよ。だから僕は空雄に受け入れてもらおうとお願いしてたの』

 アルスは一応はアキを気遣ってくれていたようだ。

「でもあんなに苦しかったのははじめてだったぞ。レイクブルグの湖に落ちた時はそうでもなかったけどな」

『えっとね、そのときは別の()がここにいたからだよ』

「別の娘?」

 アキは一人の女の子を思い浮かべていた。いつもそばにいてくれた女の子、アキを穢れた湖から助けてくれたシルフィのことを。

『うん。風の精霊()がここにいて空雄を守ってたんだよ。この家はその娘が建てたんじゃないかなぁ?』

「シルフィ……なんでそんなことがわかるんだ?」

『二階の部屋に日記があったから。えへへ、読んじゃった。空雄の事がいっぱい書いてあったんだよぉ』

 アルスは昔の知らないアキを知れて嬉しそうにしている(アキにはそう見えた)。

「えへへ、じゃねぇだろ。人の日記読むなよ。日記は没収だ!」

 アキもさすがにプライバシーの侵害を見過ごせなかった。その被害者がシルフィともなれば尚更だった。

『え~、もっと空雄の事知りたいのにぃ』

 アルスは本当に残念そうにしている(アキにはそう聞こえた)。

「ダメだ! んなもん俺と話すれば済むことだろう」

 アキは当たり前のことのように言った。

 当然自分の過去の話をするつもりはない。恥ずかしくて言えるはずもなかった。シルフィの日記を没収したのもそのためだった。

 アルスはパァッと喜んだ(アキにはそう見えた)。

『ホントに! 僕とお話してくれるの? 嬉しいなぁ。よ~し、これからは僕がこの空間を守るからね! 任せてよ!』

 アルスは明るくやる気に満ちた声を上げると、靄の触手を出してボフッと胸? を叩いて見せる。

「おう、任せた」

 アキはアルスの頭? を優しく撫でてやる。

『うん! えへへ』

 アルスは嬉しそうにはにかんだ(アキにはそう見えた)。

「で、そもそもなんでここが狙われてるんだ? 居心地がいいなんて理由じゃないだろ?」

 アキは根本の理由を訊ねた。

『ん~僕、覚えてないんだよねぇ。ほらぁ、僕記憶完全じゃないからぁ』

「都合が悪いと記憶が無いを理由にしやがるなぁおい」

『えへへ、ゴメンねぇ。ただ僕はね、こういう空間を持ってる人を探してたんだぁ。だって普通の人間は僕が入ると容量オーバーで耐えられなくなって崩壊しちゃうんだもん』

 アルスは残念そうに言う。

「だったら人間に入んなきゃいいだろ? なんで入りたがるんだ?」

『え~、それはぁ……』

「……」

『……』

 アルスは続く言葉を発せられないでいた。

「……また記憶か!? 記憶がないのか!」

『えへへ、ゴメンねぇ』

「ハァ、じゃあ、どうすれば記憶は完全に戻るんだ?」

『それは簡単だよぉ、僕のかけらを集めるんだよ! バラバラになった僕のピースを集めて僕を完成させよう! そして記憶を取り戻すんだぁ!』

 アルスはゲームのCMのような言い回しをする。いったいどこで覚えてきたのだろうか。

「……それって、集めて完成したら俺の体を乗っ取る的な展開じゃね? ありがちだぞ」

 アキは猜疑心マックスでアルスへ疑いの視線を向ける。

『酷いなぁ、僕そんなことしないよぉ』

「犯罪者はみんなそう言う!」

『む~空雄に嘘なんかつかないのにぃ。じゃあ、どうすれば信じてくれるの?』

 アルスは上目遣いで訊ねてくる(アキにはそう見えた)。

「そうだなぁ……とりあえず次に来る時までにこの暗いの何とかしとけ、なんか滅入ってくる」

 アキは窓から外を見て億劫そうに言う。

『うん! 任せてよ』

 アルスは靄の触手を出してボフッと胸? を叩いて見せる。

『それだけでいいのぉ?』

 アキは腕を組み考え込む。

「……シン、シンの居場所とかは、わかんねぇよな?」

 アキはアルスなら知っていると思い訊ねてみた。

『シン? 何それ? それはわかんないけど、アキはもうわかってるんじゃないの? どこに行けばいいのかを』

 とぼけているわけではないようだ、本当にシンについては知らないようだ。

 アキはどこに行くべきか確かにわかっていた。しかしそこに本当にシンがいるかはわからない。それを確認し、ついでにアルスが嘘を言わないかと試したのだが、どうやら無駄なようだ。

 アキはこれ以上試すようなことをして機嫌を損ねるとアキの体に何するかわからないと思い、今回は追及するのを断念した。

「はぁ、わかんねぇならいいや。とりあえず後は何もするな。俺の中で妙なことされるの不安なんだよ。おとなしくしてればここにおいてやる」

 アキはあくまでも大家目線で言い放つ。

『うん! 僕お掃除しておとなしく待ってるね。だからまた遊びに来てねぇ』

ボフッ

 アルスは嬉しそうにアキに体当たりしてきた。

「だからなんで体当たりすんだよ」

 アキは溜息交じりに言うとアルスの頭をポンポン叩く。

『……』

 アルスは黙り込みアキをジーっと見ている(アキにはそう見えた)。

「ん?」

 アキはその沈黙を怪しみ怪訝な視線を向ける。

『ああ! そっかぁ!』

 アルスは何かを納得したように歓喜の声を上げた。

「な、なんだよ? なんか思い出したのか?」

 アキはアルスが何か重要な記憶を思い出したのかと思い食いついた。

『ンフフ、なんでもなぁぁい。次に来た時のお楽しみだよぉ』

 アルスは勿体ぶったことを楽しげに言った。

『だから早く遊びに来てねぇ』

「は? それはどういう……」


 突如この広い空間に声が響き渡る。

「お兄ちゃん! ご飯だよぉぉ! 起きろぉぉぉ!」

「冬華さん! アキはわたしが起こしますから! アキ食事の時間ですよ。起きてください」

「サラさん、そんなんじゃ起きないって」


「冬華とサラの声?」

 アキは窓を開け、どこから聞こえてくるのかと上を見上げる。

『空雄、またねぇ』

 アルスの声に振り返ると、アルスは黒い靄から触手を出しフヨフヨと振っていた。

 アキの視界は次第に暗くなりアルスが見えなくなっていく。

「おい! ちょっと待て! まだ話は……」

 アキはアルスへと手を伸ばす。


「待てって言ってるだろ!」

ガバッ

フニャ

「ぁん……」

 アキは手を伸ばし目を覚ました。

「ハァハァ、なんだ夢か……悪夢だったな、なんだってあんな……」

「お兄ちゃん……寝起きそうそう何してるのかなぁ?」

 アキは声のする方へ顔を向けると、冬華が今にも怒り狂いそうな顔をしていた。

「なにって、なに?」

 アキは冬華が何に怒っているのかわからず首を傾げる。

「あ、あの、アキ? こういうのは二人きりの時にしましょうよ」

 冬華と反対方向から控えめな声が届いた。

 アキはそちらへと顔を向けると、恥ずかしそうにしているサラがいた。

「あ、サラおはよう」

 アキはおはようの挨拶をする。

「ぁ、はん、おはようございますぅん。アキ、その、手を……」

 サラはなんだか色っぽい挨拶をする。

「手?」

 アキは自らの手に心地良い感触が伝わってくることに気付いた。

 見ると、アキの手がサラのたわわに実った豊満な胸を揉みしだいていた。

 サラは頬を朱に染め声を出さないように堪えているようだ。それが余計にエロく見える。

「こ、これが俗に言うラッキースケベ! まさかこの俺に訪れるとは……」

 アキは歓喜に打ち震え手に力が籠る。

「ぁん」

 サラが声をもらしてしまった。

「いい加減にしろぉぉぉぉ!」

ボフッ

「ぶふっ!?」

 冬華が枕でアキの顔面を殴打した。

 アキは名残押しそうに、悪夢と至福の時から目を覚ました。


なんかアキ、アルスをうまく利用しようとする酷い男に見えてくる。まあ、アルスの狙いが不明なのが原因なんだけど。

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