災厄
「し、死ねーっ!!」
子供の僕に一斉に襲いかかってくる人達。
でも、僕に刃が触れるより先に次から次へと、内側から木っ端微塵に爆発していく。
ぐちゃぐちゃに弾け飛んだ人の血液が回りに飛び散るけど、なんでか僕にはかからない。
「クッソ、化け物め……。」
みんな、僕のことを化け物って言う。
でも僕は何もしてないよ。
それでもみんな怖がって、僕から逃げていく。
そうじゃない人は『仇打ちだ!』って言って爆発する。
僕に近づく人は皆、なんでか爆発しちゃうんだ。
僕はずっと独りで、たくさん泣いた。
昔は人が弾け飛ぶ度に、怖くて訳も分からず泣いていた。
人に逃げられる度に、悲しくて泣いていた。
血を見る度に泣いて、武器を見る度泣いた。
泣きすぎて、僕の泉は枯れ果てた。
もう涙なんて出ない。
どこの誰が目の前で爆発したって、興味のかけらもない。
『僕のせいで……。』って後悔も、『僕は何もしてないのに。』っていう怒りも、『一人ぼっち』の悲しみも、何もかも感じない。
――――感情の泉も枯れ果てた。
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数え始めて一万三千九百四十六人目がすぐ横で弾け飛んだ。
すると、一万三千九百四十七人目が怒りを露に剣を振りかざし、突進してくる。
その時、僕の目の前に白く輝く光の扉と数段の階段が現れた。
そこから、所々七色に煌めく白い服を着た金髪の女性が出てくる。
ゆっくりゆっくり階段を降りてくる彼女に見入られたように、一万三千九百四十七人目を含めた周囲は硬直する。恐怖と憎しみを漂わせた群衆に囲まれた中で、彼女はふわりと優しく微笑むと僕の手を取り扉へと促した。
僕は促されるままに歩を進める。
僕が歩き出したことで我に返った一万三千九百四十七人目の人が、僕に向かって突進を再開していた。
白く輝く扉が消えた後。
辺りは一万三千九百四十七人目の血で赤黒く染まっていた。