主人公
異形の怪物×学園モノの連載小説です!
楽しんで読んでいただけたら幸いです!
【学園戦艦:二年四組】
「あ~だるい・・・・」
聞いていて眠くなる授業、真夏だというのにクーラーも無い教室の中で考える。
“昼飯を食ったあとの授業というのはなぜこんなに眠いのだろうか?”
答えは簡単、俺たちが「人間」だからだ。
(....正確には生きている人間だがな)
では死んだらどうなるか?....それは誰にもわからない。
....ただ、この世界には死んでも天国にも地獄にも行けない事がある。
その事とは...感染することだ。
今から約20年前の2050年、突如として世界各国に出現した“門”。
開いたその中から、奴ら......”dead”はこの世界に侵入してきた。
人類と“dead”との 初の接触は、考えらる限り最も最悪な形.....“dead”による一方的な虐殺.....により失敗。
人類は“dead”を敵と認識し、人種、宗教、国境の枠を超えた“世界連合政府”を設立。
世界中で“dead”との戦争を繰り返した。
その結果は......敗退。
“dead”に陸を支配され、残された人類の活動領域は海まで後退している。
そのため、今現在の人類の生活拠点は主に“船の上”に限られてしまっている。
ただし.....船といっても“普通の船”ではない。
“dead”との戦争で、総人口の7割近くを失った人類だが、人口減少・食料不足よりも深刻な問題が発生していた。
その問題とは....残された10億人弱の人々の生活の場が失われたことである。
この問題を解決するために考え出されたのが、この”学園戦艦”をはじめとする”超巨大船舶”の建造計画であった。
“学園戦艦”....“dead”を殺すための技術、知識を習得するために建造された船舶の一つであり、全長約7000m、高さ約700の“超ド級戦艦”である。
俺たちが住むための学生寮や訓練場、果てはヘリの離着陸場まで用意されている。
その他にも“戦艦”の名に恥じない設備が目白押しである。
(まぁ、戦艦といっても...乗っているのは学生が大半で、意外にも大人(特に男性)が少ないから....あまり堅っ苦しい感じはないけどな...)
この“学園戦艦”意外にも“dead”の調査・研究をするための“研究艦”や一般人が暮らすための“居住空母”など、いろいろな船舶が建造された。
なお....この“学園戦艦”を含め、全ての“超巨大船舶”には最高責任者が必ず一人いて、船の運航ルートの設定や各設備の使用許可を出すことができる。
2060年.....新造された研究艦から最悪のニュースが発表された。
曰く。
<<"dead"の体内から、未知のウィルスを発見>>
このウィルスにより人類は二つに別れた。
俺たち生者ともう一つ、感染者”infect”の二つだ。
俺たち生者は「dead」に噛まれただけで死ぬ、そして“infect”になって生者を襲う、これがこの世界の現状だ。
...というような内容を黒板の前に立ち、説明している女教師。
(まぁ俺にとってはそんなこと、正直どうでもいい...)
人間一人にできることなんて限られてる、それならば....自分に出来ることをするだけだ。
(.....少なくとも今は、睡眠学習をしよう)
この世界を憂いながら俺、暁ハルトは暑い教室の中で眠りに落ちていった。