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はじまり

初めて書くので小説の体を成しているか不安ですが、頑張って完走したいと思います。

 「えー、いよいよ明日から夏休みに入ります。夏休みの生活は、長い休みだからできるような、自由研究や自学、読書、スポーツ活動などの取り組みに挑戦してほしいと思います。そのこともみなさんの個性を伸ばす大切な取り組みになると思います。えー、夏休みの生活では、まず、健康で安全な夏休みであることが大切です。安全については、交通事故に遭わないように、充分に注意して行動しましょう。特に、自転車の乗り方では、交差点への飛び出しが最も危険です。必ず一旦停止して、右左の安全の確認をするように気をつけましょう。身の回りの生活の中にはいろいろな危険もあります。注意深く行動して、大切な自分の身体が守ってください。プールや海に入る前に準備運動をしてそれでは皆さん、元気にそして安全に夏休みを過ごしてください。2学期の始業式にはみんな揃って登校し、元気な顔をみせてくれることを願っています。先生の話を終わります。」

と3年1組の担任である田村理恵先生は1学期最後の日を終業式で締めくくった。

 「これで帰りの会を終わります!起立!気をつけ!礼!さようなら!」

 「さようなら!」

 34人の生徒の声が廊下まで響く。全員で35人の生徒がいるのだが、今日は男の子が1人休みだった。今日休んでいる男の子の家に届け物をするようにと先生に言われたのは、その家に比較的近い天道進だった。


 「進!一緒に帰ろ!」

 進が振り返ると幼稚園からの知り合いの円明日香が立っていた。

 「良いよ」

 明日香は嬉しそうな表情を浮かべた。

 進はランドセルを背負い、竹刀が入った竹刀袋を持つ。

 「ひゅーひゅー 今日は一緒に帰るのかい? お二人さんお熱いねー」

 「今日熱いのはこの2人のせいじゃね」

 「あいつらのせいで暑いんだ! リア充爆発しろー」

 いつもの冷やかしが始まる。

 「バシィィィン」

 進は竹刀を床に叩きつけて、三人組を黙らせた。教室を明日香と一緒に出る。


 竹刀を持つたびになぜ自分が竹刀を持っている理由を進は思い出す。

進の母親の弟、つまり進のおじさんが高校生の頃に行方不明になった。もちろん進がまだ生まれていない頃の出来事であり、進のおじさんはまだ見つかってはいない。先祖代々剣道一家に生まれた進は小学校がある日はいつも母親に竹刀と防犯グッズを持たされている。


 「夏休みどんなことするの?」とか他愛のない話をしているうちに明日香の家の前に着く。

 「じゃあ、またね!」

 「またね!」

 明日香はドアを開けた。ドアを閉まったのを確認すると、進は一目散に家に帰る。

 部屋に重いランドセルを置き、自転車の鍵を取る。今日の配布物の届け物は忘れてはいない。竹刀を背中に背負い、マウンテンバイクに乗る。バイクに乗る特撮ヒーローになったような気がした進は勢い良く自転車を漕ぎだした。


 森に囲まれた鴻上竜馬の家は進の家から自転車で15分の位置にある。鴻上竜馬の父親は日本の重工業メーカーの社長でありお金持ちだった。この市で一番大きな家であり、庭や噴水が大変立派なことで有名だ。

 ゲートの呼び鈴を鳴らすと、渋い声の男性が出た。

 「どちら様ですか?」

 「竜馬くんの同級生の天道進です。学校の配布物を届けにきました。」

 「少しお待ちください。」


 玄関から渋い声の持ち主である鳴上家の執事である月影良一が出てきた。玄関からゲートまでの50mの距離を颯爽と歩く30代前後の月影の姿はとてもかっこ良く見えた。

 「天道進くん、いつもありがとう。」

 進は配布物を差し出し、配布物を受け取った。

 「竜馬くんの体の具合はいかがですか?」

 「竜馬様は夏風邪を引いたみたいなんだが、明日には治るだろう。心配してくれてありがとう。いつもの飴でいいかい?」

 月影は袋に入った飴を差し出し、進は受け取る。

 「ありがとうございます。……では、剣道の稽古があるのでこのへんで失礼します!」

 進はポケットにアメを入れ、鴻上竜馬の家を後にした。


 ペダルを数回漕いだ時、聞いたことのない音が聞こえ、進はふと空を見上げると何かが飛んでいるのが見えた。

 ドーン

 戦闘機のようなものが鴻上竜馬の家の周りの森のなかに墜落した。ここから400メートルも離れていないだろう。進は興味本位で墜落現場に向かった。

 5歳のときから祖父や母親から剣道の稽古をつけてもらっていた進は、日本の小学3年生としてはトップクラスの身体能力を持っていた。100mを16秒もかからなかった。

 奇跡的にも火事にはなっていなかったが、木が数十本か倒されていて戦闘機の下敷きになっていた。

 進は倒れている木に上がり、キャノピーが開いている戦闘機のコックピットの中を覗いた。人はいないが、見たことがない道具がコックピットの中に散乱していた。


 「戦闘機のコックピットが開いているんだから、中に乗っていた人はこの近くにいるのかな?」

と思ったその時、何かが動いたような音が聞こえた。


 「もしかしたら、パイロット?」

 そう思った進が音が聞こえた方を見るとそこにいたのは、見たことがないスライム型の生き物だった!


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