[第一話]二度目の競走
3人は時間を確認する。 6時56分……これならさすがに7時より前に
校門前に着くことはないだろう。
駆が石を投げ、それが地面に落ちた時を合図にして、3人は走り出すだろう。
陽が昇り始める頃、寮から出て直進し、1km先の郵便局を左折、
同じくらいの距離をもう一度走ればゴールの校門がある。
朝日 駆、一条 通、邑野 翔悟の3人は息をのむ。
前回は開門時間より早くついたため決着がつかなかったが、今日こそは…
駆「じゃ、いくぞ。せーの」 翔「ちょ、ちょっと待て、石を後ろに投げる気か?」
駆「そうだよ、それがどうした?」 翔「それやると寮のガラスが割れるな、多分」
通「走る理由が変わるな、そんなスタート嫌だぞ。」
駆「分かったよ、前だな。じゃ、仕切り直しで…。」
駆は石を投げ上げ……
カツッ…
3人「GO!」
3人は勢いよく寮の入り口を飛び出して行った
道端にはタンポポの花が咲く、じきに土筆も生えてくる頃だろう。
春の訪れを感じつつ、3人は走る走る
駆「どうした、遅れてきてないか翔悟!?」
翔「他人のペースに文句つけないで下さいよ、逆転してやりますから!」
通「話しながらとは、ずいぶん余裕なことだな」
駆「すがすがしい顔して、速いじゃねーかよ、クッ」
郵便局前を左折、あと半分…… 3人はまだ疲れを見せない
翔「ラストスパート!」 駆「タイミングおかしいだろ!どこがラストだよ!?」
通「それで追いつけるのか?俺は逃げ切ってみせるぞ」
駆「俺も負けてられねーじゃねーかっ!ゥアラァ~!!」
あと約200m、校門が見えてきた……!?
通「何だ、開いてねーぞ?」 駆「は!?」 翔「7時は過ぎてるはずで……」
3人は足を緩める……
2度目の誤算により、勝負はまた引き分けで終わるのだった
それは、前回を超える、より大きな誤算だった
すでに主人公格の性格が安定してないような……