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2万5千分の青春  作者: 星 辺斗
第1章-始まりの刻-
15/35

[番外編1.1]ボウリング大会!・後編

3000文字超えちまったよ……

番外編というより外伝じゃねーか文章量だけなら

 駆「やっぱりお前かよ……休日までお前と顔突き合わせるとはな……」


藍「こっちのセリフだ。…それは別として、お前にだけは負けないからな!」


青「で、そっちのトゲトゲし……おっと、覇気纏ってる女は」


菊「悪口言われた気がするがまあいい。尾張 菊座だ。

よく覚えておけ、今から一位の座を奪っていく女の顔を!」


翔「(『覇気纏ってる』も悪口な気がしたが、この性格だと褒め言葉になってるな)

とりあえず、自己紹介から始めましょうか。見知ってないメンバーも居ますし。」


8人それぞれが自己紹介を終える


翔「最初に、ガターなしかありか、どっちがいいか聞いておきます。

ガターなしがいい人!」


ガターなしとは、初心者のためにガターをあらかじめ使えなくしておくルールで、

たいていのボウリング場で選択できるようになっている。

ここで駆、藍、巻、陽子が手を挙げる


翔悟「ガターありがいい人!」


英雄、菊座、翔悟、通が手を挙げる


通「4:4に分かれたな。レーンごとに分かれようか。」


青「そうだな」



うまく分かれたので、各レーンに分かれることになった。

投げる順番は各レーンで五十音順だ


通「じゃ、最初の一投いきまーす」


すこし気の抜けた声で通がそういうと、周りから反応が出る


菊「大事な一投だ、よく考えろ」

英「ストライクだ、ストライク出せ!」

通「うるせーな、知らないよそんなこと」


そう言いつつも、通が投げたボールは直線的な軌道で、

真ん中のピンのすこし右側にあたる


パアァァァン!


全てのピンが倒れる。ストライク!


英「何だかんだ言いつつやるじゃないか!」

駆「うわぁーこれはプレッシャーじゃないのか、巻?」

青「初心者レーンに期待するやつがあるかよ」


巻も一投目を投げる。投げたボールは左へそれていき、

ピンを3本倒す


菊「ふんっ、相手にもならんな」

青「だから初心者レーンに……もういいや、説明面倒くせえ」


巻の二投目は右にそれ、同じく3本のピンを倒す


駆「まあ……こんなもんじゃないか?」

青「分かってるって、いちいち言わなくても」

菊「ふん、初心者共……見ていろよ私の実力を!」


今度は菊座が一投目を投げる。投げたボールはきれいな弧を描き、

1番ピンと3番ピンの間に当たる

(分からない人は、要するに理想的なラインで当たったと思っていい)


パアァァン!


しかし、7番ピン(一番左のピン)が残ってしまった


菊「ちっ、惜しかったな」

青「……駆、何も向こうが終わるのを待ってなくてもいいぜ?」

駆「お、おう、そうだな」


駆が投げる。投げたボールは左へ左へそれていき……

7番ピンだけ倒しました


通「1本だけ倒すとは、器用なことをやるじゃないか」

藍「なんという嫌味www笑いが止まらないwww」

翔「何で2人の息が合ってるんですか(笑)」

駆「ち…違うから!狙ったわけじゃないから!」

菊「あーもううるせーな!ちょっと黙ってろよ!!」


菊座は二投目を投げるが、イライラして手元が狂ったのか、

ボールはレーンの半分を、(ガター)の中を転がっていきました


翔「気持ちを静めないと、いい結果にはなりませんよ?」

菊「分かってる!しばらくあたしに話かけるな!!」

翔「荒れてるなぁ……」 駆「(やりにくいなぁ……)」


駆の二投目は、今度は右にそれ、同じように1本のピンを倒す


通「本当に器用だな……」


英「さて、実は今日が初めてだけど、お手本もいたしやってみるか!」


英雄が投げたボールは当初、真っ直ぐ進むように見えたが、

左に曲がってガターへ落ちる


陽「私もはじめてなんだけど、やってみますか!」


陽子も投げる、投げたボールは直進し、ピンのど真ん中に当たる

そして4番、6番ピン(3列目左右のピン)が残る


菊「ふん、ザコどもが………」 通「………」

英「…よし、何となく感覚はつかめた!」 駆「え?」


英雄が二投目を投げる。彼の投げたボールは、菊座の一投目をなぞるように、

完璧なラインでピンに向かっていき……


パアァァァン!!


二投目にして10本全部のピンが倒れた!


翔「うわ……未経験者の軌道じゃない……」

菊「どうせマグレだろ……」

通「(…手間のかかるやつだ)そうだな、一位を持ってけそうなくらいの

すごいマグレだ」

菊「…一位を持ってくだと?聞き捨てならないな。

一位はあたしが貰っていく、絶対にだ!

本気出してやるぜハハハハハハハハハハハハ」

英「ハハハ、そう簡単に持ってかせないって言っただろう?」


英雄と菊座がお互い闘志を燃やし始めたのを見て、

周囲はひとまず安心する


通「まったく、プライドの高い女の扱いって難しいな」

翔「通は人の扱い上手いですね…」


青「向こうは気にせず、気楽にやればいいと思う」

陽「は、はい」


陽子も二投目を投げるが、かなり右にそれた

ガターなしのためボールはガター避けに当たって跳ね返り、

残っている2本のピンの間を抜けていった…


駆「まあ、こっちはこんなもんだろう」

陽「ですよね~」 菊「ふん、あきれ―」

青「しつこい、こっちに関わって名人様のレベル下がっても知らねえぞ」

菊「ふっ、そうだな……」

翔「(故意に相手に気付かれない悪口言ってるのか……)」


通「翔悟、お前の番だぞ。」

翔「あっ、そうでした。…僕も頑張りますよ!」


翔悟の一投目、それは、はじめは先人たちの完璧な軌道をたどるように

見えたが、曲がりが甘く、3番ピンと6番ピン(右側2,3列目のピン)の間に

当たる。奇妙なことに1番ピン(一番手前のピン)以外全て倒れた


翔「うわっ、何これ?」 通「初めて見るな、こんな状態」

菊「あたしもだ」 駆「俺もだ」 英「俺も」

翔「新堂さん……当たり前でしょ、ボウリング初経験なんだから」

英「そうだったな、ハハハハ」


藍「こっちは私の番……案外緊張するもんだな、人が集まってると……」

駆「あんまりガチガチだとガターなしとはいえ

1本、もしくは0本もあり得るぞ(むしろそうなってしまえ)」

藍「うるさい、集中させろ!」


藍は一投目を投げる。それは徐々に徐々に左へ曲がっていき……


ガタン!


なんとガターに落ちた!


ガターなしとは言っても、ピンの並んでいる少し手前で

ガター避けは切れている。そこに落ちたのだ


駆「あ………(0ピンが本当にありえるとは……)」

通「両側1ピン倒し、1番ピン残し、ガター避け避け……

器用なやつの何と多いことか……」

藍「……(走って逃げたい気分だ……)」


翔「1本だけって、意外と精神的な問題で難しいんだよね…」


翔悟はそう思いながら二投目を投げる。すると、

ボールはわずかに右にそれて……


カスッ……


ピンをかすめていき、ピンは傾く


駆「倒れろ!倒れろ!…倒れたー!!」


ピンが倒れ、スペアを取ることができた


翔「あぶなかった……」


藍「(落ち着け……二投目こそは……)」


藍も二投目を投げる。さっきより曲がり具合は小さくなったが、それでも

曲がる…曲がる…


4、7番ピン(左3、4列目のピン)が倒れる


通「8番(7番ピンの右)は倒れなかったのか。……本当に器用だな」

藍「ふうっ(なんとか面目は立ったかな……安いな、私の面目……)」




 そんなこんなで、結果はこうなりました

・ガターなし組

1位 青井 巻 87点

2位 岩場 陽子 84点

3位 朝日 駆 67点

3位 日南 藍 67点


・ガターあり組

1位 新堂 英雄 214点

2位 尾張 菊座 188点

3位 一条 通 169点

4位 邑野 翔悟 134点



菊「何…だと……今日は特に調子がよかったのに……」

英「一位は簡単に渡さないと、そう言っただろう?」

菊「……嘘だっ!未経験者なんて嘘だっ!」

英「どう思ってもらっても結構ですよ、初投が終わった時点で

少なくとも経験者でしたし」


チャララ、チャララ


英「おっと、電話か。もしもし?」


管「君のことを見ていたよ、おめでとう!」


英「おう、ありがとう。何か用かい?」


管「特にないけどね。でも、イスの下を見てみてよ」


英「イスの下?」


英雄がイスの下を見てみると、そこにはメダルが置いてあった


管「小規模だけど、優勝おめでとう!」


英「ハハハ、そんな大したものじゃないさ。」


管「話はそれだけ。じゃあね。」 英「じゃあな」



翔「誰からの電話でした?」


英「えーっと……名前聞いてないわ(笑)」


通「……まさか、軽快だがすこし礼儀正しそうで、子供っぽい気もするが

威厳のにじみ出るような、そんな声の奴か?」


英「あー…うん、だいたいそんな声だった」


通「して、そのメダルはそいつからの贈り物ってか?」


英「どうもそうらしい」


通「(管制官と名乗るあいつの仕業と見て間違いないだろうが……

一体何者なんだろうか………)」


駆「通、帰らないのか?」

通「待ってくれ、今行く」


----------

管「初回で200点超えとは、本当にすごいですね。

いつか、ボウリングとは限らずともご一緒してみたいですね」


手元のスコア表を見ながら、彼は言う。

そのスコア表の一番右に書かれている数字は……240である

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