[第四話]二つの道具、一つの依頼
長くなってきたから一旦区切りますわ。本当に申し訳ない
駆にとってはまだ慣れない高校生活であるが、この日もなんとか乗り切る。
(そうそう、週末にボウリング行く約束を巻にとりつけることに成功したようだ。)
だが、今日の頑張りどころはこれからだ。
……管制官から詳しい依頼内容を聞くことになっている
3人が揃う。通は相変わらず無表情、翔悟は昨日の自分を恥じてか緊張した顔、
そして駆は期待から顔を輝かせている
・・・・・・・・・・・・
通「もしもし?」 駆・翔「(えっ!?)」
今度は通の携帯電話に電話がかかってきた。
極小着信音に反応した通に残り2人は不意を突かれたが
管「僕だ、『管制官』だ」 駆「聞こえねーよ、音量上げろ」
通「分かった分かった……チッ」
駆「舌打ちしたよな?今舌打ちしたよな!?」
管「―そう、古びた小屋が見えるだろう、そこに行ってくれ」
3人が案内されたのは、学校から西に600mほどにある無人の小屋だ。
この3人の登校ルートからは外れているが、雨の日にはここで雨宿りする生徒も
いるという。もっとも、快晴の今日にこの小屋を気にかける者はいないが。
そこに彼の用意した物はあった。それはすぐ見つかった。
…3つのマイク付き片耳ヘッドフォンと、腕時計のような物が置いてある。
管「それはプレゼントだよ。気に入ってくれるかな」
通「何か仕掛けがありそうだな、説明してくれ」
管「大したものじゃないけどね。そもそも僕が作ったものじゃないし。
まずはヘッドフォン。言うまでもなく、通信機だ。まずは使ってみてくれ。
白いボタンを押せばこっちの通信に応答できるはずだから。」
言うより早く、通はヘッドフォンを身につける。そして使う。
通「あー聞こえる聞こえる、このフレームが音量調節だよな」
駆「お前早いな。…おお、聞こえるな。でも音量調節どれだ?」
翔「フレームだってさ。……ほら、ここですよここ」
駆「ああこれか。翔、サンキュー」
管「通信機を渡したから携帯のほうは切ろう。……よし、次は腕時計の方だ。
腕につけて、青いボタンを押してみてよ。」
駆「腕っつーより手首だよな腕時計って」 翔「どうでもいいです」
3人が各々腕時計を装着し、指示通り青いボタンを押してみる。
するとディスプレイが時刻表示から別の画面に変わる
駆「何これ?説明がないと何も理解できないんだけど」
通「画面内に赤い点が1つ、橙色の点が2つ、これは俺たちのことか?」
管「ご名答。理解力があって助かるよ、通。」
駆「つまり……レーダー的な?」 翔「まあそんなところでしょう。」
管「細かい使い方は少しずつ説明していくよ。」
管「ここからが本題だ、聞いてくれ。
君たちには、これらの道具を付けたまま、この町を探索してほしい。
そして、町の詳しい状況を報告してほしい。どんな些細なことでもね。」
本当に、本当に……
次回に期待して下さい