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潮に閉じ込めたきみの後悔を拭いたい  作者: 葉方萌生
第二章 潮の香

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ぶつけ合い

 翔が私と落ち着いて話したいと思ってくれていることが、私にとっては何より嬉しかった。手を繋いだまま、砂浜の上を歩く。一人で歩いていた時よりずっと安定感があって歩きやすかった。


「ほらこっち、水浴びれるぞ」


「わ!?」


 不意に翔が波打ち際に私をぐいっと引っ張る。突然のことだったのでバランスを崩しそうになったが、翔のサポートで転ぶことはなかった。その代わり、サンダルを履いた足の上にザブンと水が覆い被さる。


「ははっ! 冷たいなー!」


「ちょっとー! 急に海の方行かないでよ」


「だって面白そうだったから。びっくりした朝香の顔、新鮮だった」


「もう、ひどいよ。そんな翔にはこうだっ!」


 私は翔から手を離し、思い切って海の水を彼にかけてやった。


「うわ!? おい、俺より思い切ったことするな」


「さっきの仕返しだもん。これでおあいこだね」


「なにをー!」


「きゃっ!?」


 パシャン、パシャン。

 今度は翔が私の顔を狙って水をかける。潮水が目に染みる。


「なにするのーっ」


 応戦だ、と言わんばかりに私も遠慮なく彼の顔を狙って海水をぶっかけた。私の行動を予測していたのか、彼は腕で顔をガードする。私は懲りずに何度も翔に水をかけにいった。


「ちょ、ちょっとタイム! やりすぎだって!」


「元はといえば翔の方からしてきたんでしょ。ほらほら」


「おわ! 朝香、お前意外とやるなーっ? 最初出会った時はもっとお淑やか

な真面目ちゃんかと思ってたのに!」


「残念でした! 私はお淑やかで真面目な女の子ではありません。でも、こんなにはしゃぐのはあなたの前だけですっ」


「それ、本当か?」


「ほんとだって」


 あはは、と笑いながら互いの本音をぶつけ合う。すっかりびしょびしょになった顔や髪の毛をハンカチで拭う。人気のない場所までたどり着いたところで、私たちは一時休戦すべく、水際から少し離れた砂浜に腰を下ろした。

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