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4話 接敵ダンジョンボス! vs神の域すら超えかねないバケモン×2

酷く豪華だったであろう廃れた大きな扉。


悪意の化身に言われるままに道を進んで、その度にモンスターが襲って来て、その度に蹴散らしていたらこんな場所に着いた。


「この扉の先がダンジョンボスがいるボスエリア。ボスを倒せば、ダンジョンの攻略報酬と共にダンジョンと言う存在が崩れただの洞窟に戻る」


この扉の先からは、一個体だけでは内包できないくらいに莫大な生命力を感じる。気のせいと片付けられないほどに。


「因みにダンジョンボスはダンジョンコアと言うダンジョンの核を守っていて、それの破壊が崩壊と脱出の要因になる」


核……それがこの生命力の原因……?でも、そうで無いと説明がつかない。


扉は軽く押しただけですんなり開いた。悪意の化身と一緒に入ってみると、扉が勝手に閉まって扉の先の空間内に光が灯った。別に無くても不自由しないけど。


空間内は所々あった遺跡。それがほぼ劣化せず新品な姿で保たれていた。


私の反対側には……岩?石の塊?あ、動いた。


「あれはゴーレム。通常は岩石で形成されるモンスターだが、この場にいるのはダンジョンボス。古代遺跡の物質を媒介にした『古代岩石体エンシャント・ゴーレム』。まずはあれを倒す」

「分かった」


盾と剣。人間の数倍の大きさ。質量と重量はかなりすごそう。


「呆けてないで、生と死の化身は目的を達成したく無いのか?」


提示されれば私はそれを行う。ただそれだけ。ただ流れに身を任せたい。ただ、それだけ……


「……〈牙怨〉」


怨念を軽く制御して軽く貫いただけで、あの岩の塊は呆気なく崩れて……壊れた。


「ありゃりゃ……ものの見事にゴーレムの核を貫いたなぁ……」

「なにそれ?」

「あぁ……ゴーレムには核があってだな。それを壊すとゴーレムを倒すことができる。要は心臓だ」


無機物にもそんな物があるのか。


取り敢えず邪魔は消えた。生命反応がある地点に向かう。


「おーい!このゴーレムの残骸はどうする?!有意義に使えそうだが……って聞いてないな。こっちはこっちで回収しとくか……」


……扉の反対側の壁に到達。少し右にそれて……あった。


この壁の先。すぐ近くには扉……そこからはい――――


「……!出て来るぞ!抑えろ!」


怨念がダンジョンコアの生命力に惹かれたのか、顔を出して来た。できるだけ抑えて、落ち着かせて、私の力で莫大なダンジョンコアの生命力から湧き出る生命力を、絞る。


「ぷは、は、はぁ、はぁ…………」


何とか……今回は私の肉体を引っ掻いたり握り潰すだけで済んだ。


おかげで私の肉体はぐちゃぐちゃになったけど、この程度なら……すぐに戻せる。


気を取り直して扉を開いてみる。そこには莫大な生命力の根源と思う台の上に浮かぶ大きな球体。これを……どうすれば良いんだろう……?


「そのダンジョンコアをその台から外せば、攻略完了だ。コアはダンジョンを保ち生成する為の心臓だからな。あとコアは高値で売れるし有用な価値を持っている。壊さないでくれよ」


できるだけ絞って、絞って……よし……持てた。

「おい待て!」

『ピシッ!バコンッ!!』


「……壊す必要は無かったと思うんだが…………」

「生命力絞り過ぎて自壊しちゃった……」


予想外。怨念を出さないことに意識を向け過ぎた。少しの油断が、ダンジョンコアが自壊するレベルにまで絞って握り潰してしまった。


「はぁ……まあ目的は達成した。これで……」


見える空間。全部が歪んだ。私と悪意の化身以外の全てが。




歪みが収まるのを待っていると、すぐに終わった。私がいた遺跡から文明すら感じさせない洞窟に様変わりした。


「目的終わった……次は……どうしよう……」

「……まずは外に出る。それから決めてみたらどうだ?」


悪意の化身の言う通り、この洞窟から光が見える方向に進んで洞窟を出てみる。


洞窟の外は何の変哲も無い森。洞窟は小さな崖にあって、すぐ近くには滝があった。


それと…………生物なのか無機物なのか判断が難しい水色の水の塊が1つ。あ、跳ねた。


ぽよぽよと跳ねながら私に近付いて来る。そのまま手が届く距離に。水の塊が私の体に向かって突撃して来た。でも威力はそれほど。子供のドッチボール程度の威力。両手で持ってみる。冷たい……


「今、生と死の化身が持っている存在。それはスライムと言ってだな…………っておい!」

「あっ……」


怨念がさっき顔を出したせいで、制御が狂った。そのせいで死を水の塊に流してしまった。当然耐えられる訳も無く消滅した。二次被害として足元の草花が枯れて不毛の大地になった。


「本当に……そんなに死を流したら消滅するに決まっているだろう。制御できないのならせめて生にしてくれ。その方が被害は軽微に収まる」


言われた通り私が持つ生と死。死から生に偏らせる。足元の枯れ腐った草花が息を吹き返した。死、同様に生はやり過ぎるととんでもないことになる。だから一旦落ち着く。


「で、これからどうするかは決まったか?」

「何も……」

「そんなことだろうと思ったがな…………はぁ……なら次は街だ。知的生命体の街に行くぞ」


「分かった」

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