30話 遺跡調査の護衛依頼の誘い 面倒事に巻き込まれるはその道中
「最近新たに発見された遺跡調査の護衛依頼。巨大な遺跡であると予想させられる為、地下空間に数日間に渡って調査することになることが予想される。報酬は1人金貨28枚。推定ランクB」
「どうだ?参加する気は起きたか?」
この依頼の紙を持って来たデムランが私にそう聞いた。
新領主シリスの夜会の翌日の朝。デムランとシュシアがこの紙を持って来て、冒険者ギルドで私て悪意の化身の前に現れた。
断る理由は無い。
「分かった」
「ユウがそう言うなら、俺に断る理由は無いな」
「良かった。ありがとう。大抵の戦闘は俺様とシュシアに任せてくれ。2人には、予想外の強敵がいた場合に戦って貰えればそれで良い。報酬の分け前はこれに書いてある通り、1人金貨28枚だ。宜しく頼む」
私と悪意の化身が了承したら、デムランが流れるような手付きで依頼を受け、臨時パーティーを結成した。
そして2人が護衛対象を連れて行くから先に門で待っていてくれと言われ、悪意の化身と一緒に集合地点である門にいたら、デムランとシュシアともう1人が来た。
「初めまして。今回の依頼を受けて頂きありがとうございます。私は国営歴史研究会所属。考古学者のトートと申します」
トートと名乗った人間は頭を低くして謝るようにそう言った。眼鏡を掛けて猫背な男。
……?トートと名乗った人間の中の色がグチャグチャ。何故そうなっているのだろうか……?
「前々から国王陛下より遺跡の調査を任されここに派遣されましたが、遺跡の中に魔物が棲みついていることが判明したしまして……こんななりですが、多少腕は立つんです。ですが流石に多勢に無勢でして、今回冒険者を雇った次第であります」
トートと名乗った人間はそう言った。悪意の化身が顔を少し顰めて疑問を醸し出してた。多分トートの中を見てそんな反応になったと思う。
デムランが私と悪意の化身をDランクだけれどかなり腕が立つと言って、安心したトートが出発しましょうと言い、中がグチャグチャな理由は分からないまま、遺跡に向けて出発した。
トートと名乗った人間曰く、今回向かう遺跡は王国建国以前に存在したかなり昔の国の王都の残骸らしい。
何故地下にあるのか、何故滅び遺跡として残ったのかが不明で、それを調べるのが主目的らしい。
「いやはや、お2人には感謝しかありませんよ。昨日のことですが、今回調査する遺跡の中の調査中、遺跡内の魔物から命からがら地上まで逃げ延び、野垂れ死掛けていた所を助けて頂き、更に私を追って来た魔物を討伐して頂きました。本当に感謝です」
トートと名乗った人間……トートはデムランとシュシアに歩きながら頭を下げ感謝をすると……
「キャアアアーー!!」
人間の悲鳴が聞こえた。
「……この近くには村があったはずだ。悲鳴が聞こえた方向から間違い無い。済まないが、一度依頼を切り上げて村に向かおう」
若干焦った様子で了承の声を聞かず走って行った。
取り敢えず取り残された私と悪意の化身とシュシアとトートの全員でデムラン追い掛ける。
デムランの言う通り、あの道からすぐに村があった。火の手が上がり無数の小型の有機生命体が人間を襲っていた。冒険者ギルドで知ったけれど、確かゴブリンと言う名称だったはず。
この光景に、シュシアが一旦別れて対処しようと提案した。この数に対し集団で対応すると漏れる可能性がある。却下しない理由は無い。
「分かった」
……いつの間にかトートがいなくなってた。シュシアはトートを探しに行って、私と悪意の化身は目の前の対処。
…………
「暗い、暗い、世界の片――「ちょっと待てぇ!」……もご」
悪意の化身に口を塞がれた。
「咒言以外にしてくれ!せめて!」
……ならこれで良いか。
「〈蝕怨〉」
「……ふぅ。〈悪逆波動〉」
取り敢えずゴブリンと思われる生命体を全て消し飛ばせた……とは言えなさそう。
『ドゴーンッ!!』
地鳴りが鳴った。
さっきから何かがぶつかり合う音が聞こえてた。多分デムランがいるのはあっち。村に敵対的な存在はいなくなったはずだから、音が鳴った方向に行く。




