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22話 一連の事柄と繋がりし元凶の逃走劇 翻弄される生と死の化身

何とか、平常に成れた。代わりにまた痛覚とか味覚とか……色んな感情とかもまた消えちゃったけど……


時刻は夕方を過ぎて夜。


あの後シュッダの街に戻ったら、完全にお祭り騒ぎになってて……何故か私がデムランとシュシアと一緒に最大の功労者みたいな、英雄みたいな扱いをされた。


デムランは分かる。あれの火を防いだから。防がなかったら多分シュッダの街は半壊してた。


シュシアも分かる。シュシアがあれの知ってる情報を話して冒険者達を先導したから。だからこそ、何故私が担ぎ上げられているのかが分からない。


あの生命体の身体が脆いことを伝えただけなのに……


正直意味不明。


それとデムランとの臨時パーティーと依頼の件については、この状況だと後回しにされそうだし現在進行形でそうなってる。


ん……?街の中心にある一番大きな屋敷の声……たしかシュッダの街の領主が貴族だっけ……それで山賊と繋がってた貴族のはず……今重要そうなことが聞こえた気がする。ちゃんと聞こえるように、耳を澄まして、集中……


お祭り騒ぎのせいで街中うるさい…………聞こえた。


「どう言うことだ!山賊共が何処かに消えたばかりか、苦労して復活を手助けしたドラゴンさえが倒されただと?!順調に進んでいたのに何故強引に復活を解いた?!あの馬鹿ドラゴン!かつて我ら悪魔族の野望を阻止した厄介な勇者共を、育ち切る前に始末する我輩の崇高な計画が全て頓挫しおった!」


あれ?発してる言葉……元凶?あと、勇者……もう意思を踏みつぶされた単なる道具になり果ててると思うけど。


「しかも下級悪魔の報告によれば、愚かな人間を利用し人間界に顕現し勇者が召喚されたという情報を掴み単独侵入したあのカースが、完全消滅だと?!信じられん、これではあのお方に顔向けできんでは無いか!」


あのお方……?悪魔……?……私の知り合いに当てはまる者がいるけど……


「クソッ!何の為に我輩が領主に成り変わり、悪魔封印を行った人間の血筋を持つ家系の力と権力を削ぎ、シュシアとか言う人間に人間の魂に化けてアンノウンの封印を解かすキッカケを作った。しかしアンノウンは完全消滅。失敗だ……」


あー……元凶……近いうちにあの悪魔の殺害が目的になりそう……いや、今やっても良さそうかな……?


「我輩の計画を阻んだ者は、少なからずそれをするだけの力があるだろう……復活させたあのドラゴンには我輩は手も足も出ぬ。ならば、ドラゴンを討ち倒した者から――――」


「呼んだ?」

遅かれ早かれ目の前の悪魔が私のとこに来そうだから、世界移動で悪魔のいる屋敷の部屋に現れてみた。悪魔は口を限界まで開いて驚いてる。


「?!き、きき!貴様、何処から現れ……はっ!もしや貴様が我輩の計画を……!こうなれば最終手段!」


あ、逃げた。

『ドカンッ!』

急に部屋全体が爆発して煙が異常に出て視界が遮られた。


「はははっ!どうだ?!悪魔族の中で随一の作戦立案者、策士のサクダーシとは我輩のことだ!逃走用の策は既に構想し足止めの罠も街中に張り巡らしている!」


結構不味いかも……




部屋出て屋敷出て追いかけて路地の奥に見つけて足を地に着けた瞬間に隣のごみの山が私に向かって倒れた。取り敢えず避ける。


見失った。しょうがないから今度は音で察知……何故かあの悪魔の足音と心音が2つに分かれて別々の方向に向かって行った。分裂した……?


世界移動でまずは片方。確実に消し去るほどに死を込めて……


「〈牙怨〉」


目の前の悪魔は溢れんばかりの死に敵わず消滅……でももう片方は消滅してない。そして魂を死に堕とす手応えが無かった。偽物かな。


もう一回世界移動を挟んで、もう一回。


「〈牙怨〉」


別の場所の路地に逃げ込んだ悪魔は消した。でも魂が無い。こっちも偽物。


逃走用の策は既に構想してると言ってたから、今の偽物は私に無意味な深追いをさせる為かな。今の内に本体が逃げる為の時間稼ぎの可能性もある。それが可能なのは2つに分かれた瞬間……あそこに戻ろう。


2つ分かれた地点の路地に戻った。でも特に何かあるのかは分からない…………後ろの大きな木箱から微かに音。


「見つけた」

私がそう言ったら、悪魔が隠れるのを止めて自身が入ってた木箱を私に投げ付けた。


「今首が180°は曲がったな?!畜生!人間では無いのか、やはりここは全力で撤退させて貰う!」


既に200m離れた位置で悪魔が愚痴った。


身体を動かせるよりも早いと思って首だけを後ろに向けたけど、悪手だったかな、人間じゃ無いってバレちゃった。

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