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11話 冒険者ギルドの初依頼 薬草採集と狂うほどの生を添えて

「強引に決闘を申し込んで済まなかったな!俺様はリンがこれくらいの頃からグレイ商会の品を買ってたから、俺様としちゃぁリンは姪みたいなもんだ。あの3人が殺られるような奴らだとするなら、アンタらの実力は怪しかったし、リンが騙された脅されている可能性もあった……だが俺様の真意を読み取り!その上手放す気の無かった木剣を弾き飛ばすとは、中々やるじゃねぇか!」


わっはっは……って笑いながらデムランが悪意の化身の背を叩いた。何か飲んでるけど、軽く酔ってるから多分アルコール入り。


「で……デムランさん…………昼間からお酒は体に悪いかと……」

リンが心配そうな声を出した。絡み酒……


「大丈夫だ大丈夫!何故かは分からんが、さっきから体の調子が良いんだ!」


悪意の化身が木剣を弾いた後、デムランがお詫びをしたいとして冒険者ギルドにある長テーブルと長椅子が無数にある場所に連れてこられて、今に至る。白いけど、ある意味厄介な人間……


「そろそろ、初心者向け依頼を受けたいのだが……」


困っている悪意の化身なんて珍しい。無力とまでは行かないけど、いつもは人間の内に秘める悪意を流用して攻撃とかに利用しているから、ああ言う聖人相手は苦手だと言ってた。それがまさに今。


悪意の化身が立って私に行くか、っと言った。言ってた通りに初心者向けの依頼を受けに行く。それが今の目的。


「あ、私は一度ここで商会に戻ります。色々と、やらなければいけないことがありますので」

「そうか」

「……分かった」




「初心者向けの依頼の内容は薬草採集。描かれた絵と同じ草を街の外で必要量を摘んでくれば依頼完了となる…………っで、ここが薬草とやらが取れる森か……」


「さっき通って来た森……」

「……だな」


緑生い茂るさっき見た森。また来るなんて思って無かった。


確かあの絵と同等の野草を一定数回収すれば依頼……目的完了……


「……あった」


足元に見覚えのある植物……それで…………どの部位を使うのだろうか……?薬草という名称なら何かしら効能のある部位があるはず……葉?茎?根?


「そう言えば、薬草の何処を採取すれば良いか教えられなかったか。仕方ない、全部余さず回収採取しよう」

「分かった」


まずは足元にある植物を抜いて……あ……千切れた。


……生を流せば再生するか――――


『パンッ!……………………!!!』


……流し過ぎて周りが吹き飛んだ……地面が抉れた……周囲の木々が全部折れた……正直これは予想外……


「……適度に生を流してここを元に戻した方が良さそうだ。薬草採集は、全て俺がする」

空中に退避した悪意の化身が降りながらそう言った。


今の破滅的なエネルギー波……多分あの植物の再生を促す何かに私の生の力を流した結果、キャパオーバーと成って今の大爆発を引き起こした……手作業でやるしか無さそう。


この場の再生は……これくらいの生を継続的に流せば…………治った。阻害するものが無いからすぐに終わった。




20。薬草の採集目安。私が何度やっても千切れたから、採集は悪意の化身に任せて私は取った薬草を持つ。


「必要量には達したか。さて、日もかなり傾いて来たことだし、そろそろシュッダの街に戻ろう」

「分かった」


『……ドッ……』


……心音?


『……ドッ……』


ずっと、ずっと、ずっと下から心臓みたいな音が聞こえる。悪意の化身も音に気付いた。


でも軽く数百mの地点から。どうしよう……でも感じた限り無視でも良さそう……


「気にする必要……無くても良い……かな?」

「……生と死の化身がそう判断するなら、俺もそうしよう。まずはその薬草を持って行くか」

「分かった」




薬草を手に持って街に戻った。さっきの至近距離エネルギー波で服が多少破損したけれど、素材が生物由来なのか、生を流して調節して元の形に戻った。破損した箇所も元通り。


街に入る時に門を通過したけれど、冒険者カードとやらをそこの人間にみせたらすんなりと通してくれた。


仮身分証はもう必要無いから返却した。


「……19、20。確認しました。それでは薬草採集の依頼完了による報酬をお渡しします」


冒険者ギルドに薬草20個を渡したら、受付の人間が銅の塊を5つ出した。


「薬草の状態が良いので追加で銅貨5枚。合わせて銅貨10枚が報酬となります」


金銭……これが高いのか安いのか全く分からない……後でリンに聞けば分かるだろか……?


「依頼を受けるには、あそこの紙を取ってここに持ってくれば良いのか?」

「はい。そうです。ですが、日が落ち込んで来ましたので、宿に泊まるなりした方が良いと思いますよ。冒険者になりたての新人が、よくそうやって無茶をしますので……」


「忠告ありがとう。それなら、すぐに終わりそうな依頼を受けに行こう」

悪意の化身が10個の銅の塊を受け取りながらそう言った。そして紙が貼られている壁に向かった。私もついて行く。


「かなり少ないな……いや、無理も無いか。日中に貼り出された依頼は金を稼ぎたい冒険者が依頼を受けるだろうからな……」


もう数枚しか残っていない壁を見つめて、悪意の化身は呟いた。


悩んでいるようだし……目的作りの為に、私もどれか選んだ方が良さそう……


……これが良さそう、かな……?どうだろう……


「これは……」

悪意の化身は壁から剥いだ紙を横から見つめた。


私が選んだのは、かつて大量殺人が起きた廃墟屋敷の調査、報酬銀貨20枚、推定ランクC。

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