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15、合流後帰還を目指す

階段を上がったら、ゴブリンたちのモンスターハウスだった。

ゴブリン達を殲滅し、ムニ坊に魔石を回収してもらってる間の少しを休憩に費やしている。

「魔石、拾ってきたよ」

ムニ坊が集め終わったようだ。ムニ坊がミミックマの姿で駆け寄ってきた。そして手を出し、魔石を出す。ムニ坊の指の無い丸っこい手から溢れるように出る魔石を鞄の口を広げて中に入れてもらう。

「ありがとう、ムニ坊」

声をかけて立ち上がる。

「ではそろそろ、進むとしよう。身体強化の魔法を忘れないようにね」

ジェダイド様の忠告を聞いて進む。




この階層はゴブリンが多い。先制攻撃で簡単に倒せていいが、前回見たゴブリンより体が大きいと感じる。だがオークよりはかなり小さい背丈だ。

今しがたも6匹の集団を狭い通路で倒した所だ。ゴブリンの悪臭と血の匂いに鼻が慣れてしまったのか、麻痺しただけか匂いを感じづらくなった気もする。

「また魔石だけですね。父から聞いた話ですと、ダンジョンって魔石の他にもドロップするものがあるって聞いたのですが…。見ませんね」

「ドロップがないのはダンジョンの魔力で生み出された魔物が、この世に完全な定着を果たしていないからだろう。定着すれば体の一部などの魔力の強い部位が魔石と共に残されると言われている。そして定着した魔物はダンジョンから出てくる事がある。これが魔物が溢れる所以だな。このダンジョンはまだ生まれたばかりなのだろうからドロップがないのも頷ける所だ」

ジェダイド様の説明で納得する。

「この階層でもトラップなどの黒いもやを見かけません。上層にあった落とし穴はなんだったんでしょう…」

「ダンジョンの抵抗…まさかな。ダンジョンには意思があるという。案外、前回来た時に不利益でも被って悪意を持たれたのかもな」

「すごい、理不尽。でもマリーじゃなくご主人が狙われたのなんでだろう」

少し雑談を挟みながら上層階を目指して進む。

ジェダイド様を先頭に私、ミミックマのムニ坊という順番で進んでいる。この隊列が何だかんだ一番早く進めるようだった。足手まといの私が真ん中で守られる位置にいるのはしょうがないと諦めている。しかしトラップを見るのだったら私が先頭の方がいいのだがね。敵に怯んで戦うことに一歩遅れる私は普通の感性をしているが戦闘には向いてないのだろうな。それに比べてムニ坊はなかなか好戦的な性格をしていた。元々は野生の魔物だったからかなのかね。











ゴブリンを倒し、魔石を回収して進んでいく。階段を発見したがどうも階段の直ぐ上にはまた魔物が大量にいるらしい。ダンジョンの階段のある部屋は階層のボス部屋的なものなのかな。

「ダンジョンのボス部屋か。可能性はあるかもしれないな。この階のボスはゴブリンキングだったが、上階層にはもう少し弱い魔物がいるはずだ。ゴブリンだらけで小精霊からみて、見分けがつかないのも問題だな」

「前回と同じ方法で突破できませんか?進むならそれがいいと思うのですが」

「僕も戦う!いっぱいやっつけるよ」

「まあ何にしても、彼等との合流と脱出が最優先だな。進もう」

緊張しながら階段を上る。


前回よりも範囲が広く部屋の全てに行き渡る様に風が範囲内の対象を切り裂いてき、大半のゴブリンがダンジョンに直ぐに吸収される。それでも血のにおいは簡単には消えなかった。それと敵で残っているのは再びゴブリンキングだ。

ゴブリンキングはやはり棍棒を持って私達のほうへと迫っくる。私は集中してゴブリンキングの足下の岩を槍の様にして突き出す。岩の槍は2、3本当たったが外したものも多い。そして数秒で足元へと戻っていった。

岩の槍で足止めしている間にムニ坊がゴブリンキングに駆け寄って、不定形のスライム状になり飲み込んだ。オレンジ色の粘体はなかで暴れられているらしく、形がグネグネとよく変わる。それもしばらくすると収まり、ミミックマの姿にもどった。

「勝った!でもいっぱいは倒せなかった…」

「ムニ坊、気にしないでいいよ。そこいらじゅうに落ちている魔石を拾って持ってきてくれる?」

「はーい」

ジェダイド様の風魔法の範囲が前回よりも広く、ゴブリンの生き残りはいないようだ。

再びムニ坊が不定形のスライム状になり床を滑るように移動して魔石を回収してゆく。

ムニ坊が帰ってきた時のために鞄の口を広げていると、ジェダイド様が側に寄ってきて声をかけた。

「とりあえず、大丈夫そうか?」

「今のところ体調不良にはなっていません。…知らない人に会って話さないとならない時は、頭痛や腹痛があるのが常態ですが、今回は非日常過ぎるのか、単に生存本能が仕事してるのか体調不良になっていませんね。なるべくこれ以上に足手まといにならないよう、気をつけます」

「足手まといという程でもないぞ。君は出来ることをしている。…君を失う事が恐ろしいんだ。しっかりついてきなさい」

精神は不思議と落ち着いているが不安が無いわけでもない。そういう時はジェダイド様の手や袖でも掴みたいが、正直、行動を阻害する邪魔になるだろうと不安ごと気持ちを押さえつけている。

ジェダイド様も不安になってるんだなって、少し以外に思うが護衛とも引き離されている今それも当然かと納得した。ジェダイド様もハイエルフとしては、かなり若いのだと思い出した。友達とは違う存在だが家族同然で師匠だが、まだエルフの寿命程も生きていなくて遺されていく経験は慣れる程にはないのだと。

「魔石回収、終わったよー」

ムニ坊が帰ってきてミミックマになる。そして私に向かって手を突き出した。鞄の口をムニ坊の手の下に持っていく。そして魔石をざらざらと鞄に落としていった。

風の小精霊の案内で上層への道を進んでいく。途中、遭遇するゴブリンは接敵する前に精霊魔法で倒して進んだ。




「階層ボスはゴブリンキングが2連続だったね。次の階もゴブリンキングいるのかな?」

唐突にムニ坊が疑問をなげてきた。

「ダンジョンはそんなに育ってないのだから、繁殖力の強い魔物を生んでダンジョンの守りを強化しているのがダンジョンコアならば次もゴブリンキングは居るかもしれんな」

「ゴブリンの大集団が階層毎にいるなんて、絶対ダンジョンの外に出てきて欲しくないですね」

繁殖のために女性を狙う魔物はダンジョンの外に拡散すると、もともとの繁殖力の強さもあり殲滅が難しい。被害がずっと出続ける事になるのだ。

「このダンジョンは斃すか、定期的にずっと狩り続けねばならないものだが、ダンジョンとは本来そういうものでもあるよ。魔石以外定期的に採れるものがないなら斃してしまった方が良い気もするがな」

「ダンジョンコアか…。あるとしたらオーク階層よりもさらに下の階層なんだろうな…」

雑談も挟みながら進み、階段の前に到着する。

『ゴブリンたくさん戦ってる』『人がいるね』『エルフだよ』

小精霊が階段の上について教えてくれる。人に知られていない新しいダンジョンで人がいるとは彼らだろうと推測し結論をだす。

「合流できそうだな。しかし広範囲魔法は使えんな、人に当たる」

「地道に確実に近接戦闘だとゴブリンが多いと危ないかもしれませんね」

「酸弾投げていい?いっぱい、倒すよ」

「ちゃんと的を絞って当ててね。流れ弾が人に当たると怪我じゃすまない事もあるから」

少し相談して階段を上る。


上階では部屋の入り口にアランとゼフとイリアが陣取ってその後ろにラウスンさんがいた。ラウスンさんは風の精霊魔法で8、9匹の後ろの方にいるゴブリンを倒し、イリアは剣でアランの右横を守りながら剣で戦っている。ゼフもアランの左横で剣で戦っているが、マリーの姿が見えない。向こうは生活に広く使えると普及した明かりの魔法で照らされれいるがゴブリンに群がられて見え辛い。それでもゴブリンの数は下階層よりも少なくてまず、ゴブリンを殲滅する事にした。

ジェダイド様とムニ坊が前衛で私はまだ階段上の少し奥まった所にいる。

ジェダイド様が剣でゴブリンを切り、ムニ坊が酸の泥玉を投げつけている。私は風の小精霊に頼んでゴブリンを攻撃している。

ゴブリン達にとって背後である階段側からの攻撃に、近くにいたゴブリンキングがこちらにやってきた。

私が風の精霊魔法で攻撃するが、取り巻きは蹴散らせてもゴブリンキングは止まらず棍棒を振り回してきた。

ジェダイド様も精霊魔法の氷の槍で攻撃する。私と違って発動が早い。ゴブリンキングは棍棒でガードしたが、当たった先から氷が育ち腕と棍棒を固めてしまった。それでもまだ氷は育ち足を含め、体全体を氷で閉じ込めた。

「風の刃は届かなさそうですね」

「しばらく時間が稼げるが、凍死するほどでもないな」

ジェダイド様が指揮するものがいなくなり、混乱しているゴブリンと剣で戦いながら応える。

「ムニ坊、氷ごと飲み込んで、勝てる?」

「頑張るー」

そう言ってムニ坊が不定形のスライム状になり器用にゴブリン達の足元をすり抜けて、凍りついたゴブリンキングを飲み込んだ。

私も階段を上りムニ坊がいた、ジェダイド様の隣の位置へ行きナイフでゴブリンの攻撃を受け流すことに集中した。身体強化の魔法を使ってないと多分無理だっただろう。

少ししたらムニ坊が不定形のまま帰ってきて、私が抑えているゴブリンを後ろから飲み込んだ。

ジェダイド様のほうも粗方片付いたらしく剣を鞘に収めている。部屋の入り口の騎士達もゴブリンを倒し終えたようだ。

「ジェダイド様!オランジュ嬢!ご無事ですが!?」

アランが叫んで駆け寄ってくる。ジェダイド様が応じて、聞いてくれる。

「私もオランジュにも怪我はない。トラップに掛かった後、何があった?」

「トラップを発見できなかった事、誠に申し訳ございません。あの後下階層へ落ちる罠は動きませんでしたので、急ぎ下階層へ参ろうとし、マリー殿は足手まといになると入り口に引き返しました。我らはそのまま進んだ次第です」

とりあえずマリーが無事にダンジョンから脱出できているといいのだがね。私の時のようなトラップを仕掛けられないといいんだが、確認できないからダンジョンから早く脱出したいな。

「此方はオークのいる階層に落とされた。その後直ぐに上層階への階段と目指して進み、ゴブリン集団の階層を2つ越え、3つめのここで合流した」

部屋の入り口へ歩きながら説明し合流する。

その時、ムニ坊がミミックマになって私の側に来た。

「魔石、集め終わったよ」

鞄の口をあけてムニ坊の手の下に持っていく。ムニ坊は回収した魔石をざらざらと鞄に入れた。

「ありがとうムニ坊」


「副ギルド長、ダンジョンの有無の確認は取れたはずだ。これより帰還し、詳細な調査の準備としては如何か?」

「はい、詳細な調査は後日、国からの依頼という事でお願いします」

ジェダイド様とラウスンさんは話を纏めてダンジョンから脱出する事になった。

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