森を歩いている 1日目
あれから夏の日差しを遮る森を歩いている
ガキっぽい俺をドーラ街に届けてくれるために
かなり距離があるため3日はかかるそうだ
ありがたいが俺はガキじゃない
「僕はもう25ですからガキ扱いはやめてください」
「強がんなってどう見ても20もたってねーよ。それよりユウキ、結構歩いたが疲れてないか?」
「大丈夫ですよ」
「そうか」
信じてくれない、まあ理由はわかる
俺は日本人の近藤勇気だ
14のときなぜか交通事故で死んでしまったはずなのに異世界レクシアにいた
意味がわからなかったけどなんとかまわりのおかげで生きてこれた
16になったとき神殿の連中に捕まり人体改造されてしまった
そのときから衰えない身体になってしまった
レクシアに転移してから俺はずっと鍛えた
憎しみやら怒りもあった
守りたいひとを救えるようになるため
けど9年間レクシアにいたのに人神の一撃で世界を飛ばされた
どうしようか······
軽くため息が出た
「アレックス、レーラ、おそらくウルフ2匹くるよ」
「あいよ」
「わかったわ」
森からウルフ二匹が現れた
大型犬くらいの大きさかな、アレックスとレーラに襲いかかった
アレックスは長剣を両手に持っている
そのままウルフよりも速く動き横一線で首をとった
「エアランス」
レーラがそう呟いた瞬間 風の槍がウルフを貫いた
素材を剥ぎ取るのかと思ったがたいしたお金にならないらしくそのまま放置された
ライヤの灯火というパーティリーダー
アレックスは年は31の大男だ
赤髪で茶目のいかつい顔で面倒見がいいのだろう
ごりごりの剣士だ
レーラも31らしい
しっかりと教えてくれなかった
やはり女性に年齢は聞くものじゃないな
茶髪、茶目で凛々しい顔立ちだ
おそらく一番しっかりものだろう、盾と片手槍で少しだか魔法も使える
アレックスとはドーラ街で育った幼馴染みだ
カンは純粋なエルフではなくハーフエルフだった
80になるらしいのに一番若々しくおっとりとしている
緑目、緑髪の見た目20の青年がピッタリだ
弓で牽制しながら魔法を放つ
一番魔法の扱いが上手い
俺は
「僕も戦えますから心配しなくても大丈夫ですよ、これでも鍛えてありますから」
「うーん·····」
アレックスは心配なのだろうがここまで弱音をはかずに夕方まで歩き続けている俺を見て考え直してくれてる
「ゴブリンが来るので僕にやらせてください」
「あっ、本当に一匹来るね」
カンが俺の後に気づいた
三人が意外な眼差しで俺を見ている
「よし!やれ」
アレックスは言って俺は無手のままゴブリンの方向に歩き出す
俺は右手をフォトンで刃の形にする
ゴブリンならこれで充分だ
ゴブリンが近づき棍棒を上段にあげながら来る
人体改造されている俺なら素の状態でもアレックスと同じくらい動ける
一瞬でゴブリンの懐に入る
「ギャッ!」
ゴブリンは驚きの目で見開いている状態で固まっていた
俺は右手の刃で首を落とした