表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
424/429

三百二十六話 ど根性チョビ吉

 

「ソッちっーーーーんっ!!」


 魔法少女の一撃で、魔装備を使う間も無く、屋根裏(バックヤード)まで飛んで行くソネリオン。


「ミラクル魔法セラキュアパンチっ!!」

「それ魔法じゃないよねっ! 絶対違うよねっ!!」


 え? 魔法ですけど? なにか? みたいな顔で胸を張っている魔法少女。

 いいだろう。そっちが物理ならこっちも物理で押し切ってやる。


超宇宙(ちょううちゅう)薄皮(うすかわ)芋剥千極剣(いもむきせんごくけん)


 ソネリオンが持って来た魔装備の一つ、斬れ味の鋭そうな剣で、レイアの奥義を繰り広げる。芋の皮を剥くが如く、神速の斬撃が魔法少女を斬り刻む。


「ちょこざいなっ! ミラクル魔法セラキュアバリアっ!!」

「それバリアじゃないよっ! 強引に力で(はじ)いてるだけだよねっ!!」


 斬撃を無視して、そのまま魔法少女が突っ込んでくる。怖い。身体は欠けていくのに、まったく血が出ていない。※ 魔法少女はフィギュアなので血はでません。


「ミラクル魔法スペシャル、フルスイングビンタっ!!」

「うわぁあああああああああっ、不可侵領域っ!!」


 文字の力、最大の防御壁で防ぐも、そこにビキビキと亀裂が走っていく。


 強いっ! 全然魔法使わないけど、コイツ超強いよっ!!


「こ、ここはいったん退却して……」

『落ち着いてください、タクミ様』

「え?」


 突然頭に鳴り響く、ソネリオンの声。

 どこにいる? さっき、屋根裏まで吹っ飛ばされたはずじゃないかっ!?


『ここですよ、ここ。私は今、タクミ様のお腹にいます』

「え、ええっ!!」

『肉体を遥か彼方まで吹っ飛ばされたので、咄嗟に魂を抜いてタクミ様のシャツに憑依しました。いわゆる魔装備状態です』

「お、俺のシャツにっ!? う、嘘だろっ!?」


 恐る恐る確認すると、着ていたシャツに、にん、と笑ったチョビ髭の顔がプリントアウトされている。


「いやぁああああっ! 気持ち悪いっ!!」


 いくら魔装備を愛し魔装備に愛された男でも、咄嗟に魔装備化するなんてっ!!


「大丈夫なのかっ!? いろんな意味で大丈夫なのかっ!? てか、これ、生きてるのっ!?」

「はい、すこぶる元気で快適でございます」


 これ、ずっとこのままじゃないよね? 戦いが終わったら俺のシャツから出ていくよねっ!?


『きますよ、タクミ様』

「わかってるよっ」

「ミラクル魔法猛烈タックルっ!!」


 砂煙をあげながら暴走機関車のように突進してくる魔法少女。まともに喰らえば骨も残らない。だけど、今は……


連層千枚ノ盾(シールドミルフィーユ)無限アンリミテッドっ!!」


 リックの得意技を文字の力で模倣する。

 魔法少女の前に数えきれないほどの盾が何層にも重なり並べられていく。


「そんなものでウチのっ、ちがった、アタシの魔法は止まらないっ」


 パパパパパパパパパパパパンッ、と破裂音が鳴り、魔法少女の突進で次々と盾が砕かれていく。だが、その中の1つに違った盾が混ざっていた。


『魔盾ビックボム』※1


 一定以上の攻撃を受けると、使用者を巻き込んで巨大な爆発を起こし自爆する魔装備の盾。魔法少女の突進で、その許容量を突破し、カチンとスイッチが入る。


 どおごぉおおおおんっ、という爆発音と共に、あたり一面が全部ぶっ飛んだ。

 連層千枚ノ盾(シールドミルフィーユ)の間にはさみ込むことで、使用したソネリオンはダメージを受けない。

 爆発で飛び散った盾の欠けらがパラパラと舞い落ちる。


「やったかっ!?」

『まだですっ、油断しないで下さいっ』


 爆発で舞い上がった砂煙が徐々に引いていく。

 そこにはボロボロになりながらも両足でしっかりと立つ、魔法少女のシルエットが残っていた。


「やるじゃないの、悪党のくせに。アタシも本気を出さないといけないようね」


 爆発の衝撃で、魔法少女の頭に連層千枚ノ盾(シールドミルフィーユ)の欠けらが刺さっていた。腕も片方もげているし、足も変な方向に曲がっている。


「ミラクル魔法キュルキュル全回復っ!!」


 俺の再生リバースみたいに回復するのかと思ったけど、まったく変わってないよね? ただ気合いだけで、回復した気になっているよね?


『魔装備ですからね、中の魂に直接ダメージを与えるか、器を完全に破壊しないと止まりません』

「器破壊しても、また別の器に入らないか?」

『魂を捕獲して、こちらの装備に入れましょう。これだけ強い魂ならきっと超有能な魔装備になりますよ、ふふふ……』


 シャツにプリントされた顔から不気味な笑い声が聞こえてくる。敵に回すと恐ろしいが味方になると頼もしい男だ。


「ふんっ、悪の手先になるくらいなら、お前たちを巻き込んで自爆してやる」

『できますかね? 少しでも遅れれば、私の下、タクミ様のズボンに閉じ込めてさしあげますよ』

「やめてっ、そんなところに魔装備を作らないでっ! おしっこいけなくなるよっ!!」


 どこからかアニメのオープニング曲が流れてくる。

 魔法少女が物理という名の最大の魔法を解き放った。



※1 魔盾ビックボムのエピソードは、第一部 四章 「二十三話 街の名は」に載っています。ぜひご覧になってみてください。

コミックス4巻が、2025年12月25日に少年チャンピオンコミックスから発売されます! 小説版とはまた違ったオリジナル展開になりますので、ぜひぜひお手に取ってみて下さい。よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この技をバリアと言い張るよりはマシ・・・か?(スットボケ https://www.youtube.com/watch?v=ldMvJW7uhXA 処刑BGM流れ出したか~(棒
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ