うちの弟子 裏設定資料 禁魔法劣化版編
【禁魔法劣化版】
長きに渡り、魔法王国、西方ウエストランドの王であった六老導が禁魔法を研究する過程で生み出された劣化魔法。
禁魔法ほどの威力はないが、通常の魔法とは比べ物にならない大魔法であり、絶大な魔力を消費する。
それぞれが六老導一人一人の専用魔法であり、他に使える者は存在しない。
年老いた六老導たちの魔力では、もはや発動させることはできなかったが、若返ったため、再び使えるようになった。
【第一の劣化禁魔法 大睡眠】
六老導の壱老導、イップクが生み出した劣化禁魔法。
人間から闘争心を奪い、最終的には植物にしてしまう【大精霊の秘魔法 緑一色】の劣化版。
かなりの広範囲に渡り、人間を深い眠りに誘うことができ、どのような強者でも魔法防御がなければ抗うことができない。
大規模な戦場でも、ひと呼吸の間に敵陣営すべてを眠らせ、味方は無血のまま敵を殲滅できる。
西方ウエストランドが魔法王国として、他国の侵略をすべて阻止してきたのは、この魔法があったからといっても過言ではない。
相手を無気力にするという意味では限りなく本来の禁魔法に近く、劣化版の中でも最強の魔法とされている。
【第二の劣化禁魔法 大地崩壊】
六老導の弍老導、ニシンが生み出した劣化禁魔法。
世界中の地形を自由に操ることができ、海を真っ二つに割ったり、何もない平地に大きな山を作ったり、それを消したりすることも可能な【創造神魔法 天地崩壊】の劣化版。
自分が見える範囲の地形に地震を起こすことができるが、その場にいる本人も影響を受けてしまうため、ある程度威力を調整する必要がある。
最大震度はマグネチュード9。直下型のため、建物内で使うと自分諸共、敵を葬り去ることになるだろう。
【第三の劣化禁魔法 石海】
六老導の参老導、サンポが生み出した劣化禁魔法。
数えきれないほどの無限の星々を標的に向けて放つ、禁魔法最大の攻撃魔法【始まりの魔法 星海】の劣化版。
星ではなくその場にある岩などを砕き、無数の石礫を放つ。
ダメージこそ、本来の禁魔法、星海に遠く及ばないが、雨のように降り注ぐ石礫は脅威であり、集中して当たれば致命傷は避けられない。
また、細かい石が敵の視線を遮るブラインドになり、仲間と連携して、他の魔法を当てやすくなる。
六老導の攻撃の起点として、多様されてきた劣化魔法だ。
【第四の劣化禁魔法 世界加速】
六老導の肆老導、ヨロズが生み出した劣化禁魔法。
生涯で一度だけ、全ての魔力を使い切り、1分間だけ時間を戻すことができる【空間魔法 世界逆行】の劣化版。
時間を戻す魔法を研究してしたが、習得したのは皮肉にも真逆の時間を加速させる魔法であった。
自分の周りの時間を加速させることにより、通常の魔法を超スピードで発動させることが可能となる。
だが、世界加速の真の力は、加速させる速度に制限がないことだ。
千年前に起こった西方ウェストランドと南方サウスシティの魔機械戦争では、西方に進行した南方の若い兵士、数百人が一夜にして、ヨボヨボの老人に変わり果てたという恐ろしい記憶が残っている。
劣化版というよりも本来の禁魔法に並べてもおかしくないほどの威力を持つが、その代償も大きく、時間を加速させた本人も同じように年老いてしまう。ゆえに世界加速の真の力は、世界逆行と同じく生涯で一度しか使うことができない。
【第五の劣化禁魔法 忘却乃庭】
六老導の伍老導、ゴカンが生み出した劣化禁魔法。
まだその全貌が明らかになっていない、【名前すら失われた究極魔法 無名】の劣化版。
無名の存在自体が怪しまれ、その魔法を誰かが歴史の記憶から消したという仮説が立てられた。
その原因を探る過程で忘却乃庭が生み出される。
人の記憶を一秒間だけ消すことができるだけの単純な魔法だが、一秒前に投げられたボールのことを忘れてしまうと、誰もそれをキャッチすることはできない。突然、目の前にボールが現れることになるからだ。
強力な魔法を一撃必殺で当てられるため、かなり重宝されていた。
さらに忘却乃庭は、出会った瞬間の記憶を消すことにより、人の認識を狂わせ、姿を見えなくすることも可能となる。
【第六の劣化禁魔法 六道輪廻】
六老導の陸老導、ムロマチが生み出した劣化禁魔法。
秘匿中の秘匿、【やり直しの禁魔法 六花】の劣化版。
やり直しという世界の理を覆す魔法を研究するうえで、偶然発動した輪廻の魔法。
輪廻とは車輪の回転のように、無限に生死を繰り返すもので、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道の順に、それぞれの魔法が発動され永遠にループする。
地獄道では、紅蓮の業火で焼かれ、
餓鬼道では、絶対零度で凍らされ、
畜生道では、猛獣の群れに襲われ、
修羅道では、針の山に串刺しにされ、
人間道では、無数の剣に貫かれ、
天道では、強烈な光に身体を溶かされる。
説明だけを聞くと、この第六魔法の劣化版こそが最強と思えるが、実際には、これら全ては幻覚によるもので、実際に肉体を傷つけることができない。相手の精神を壊すことが目的の魔法となっている。




