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うちの弟子 裏設定資料 禁魔法編


【禁魔法】


 西方の魔導研究所ですら、その全貌が明らかになっていない禁断の魔法。


 大精霊の秘魔法 緑一色グレイトフルグリーン

 創造神魔法 天地崩壊アースクエイク

 始まりの魔法 星海スターオーシャン

 空間魔法 世界逆行ワールドリバース

 名前すら失われた究極魔法 無名ネームレス

 そして、秘匿中の秘匿、六つ目の禁魔法 六花ロッカが明らかになった。


 どれも他の魔法とは一線を画す超魔法であるが、その代償も大きく、世界に重大な災害をもたらすものまで存在する。



【第一の禁魔法 緑一色グレイトフルグリーン


 大精霊の秘魔法 緑一色グレイトフルグリーンは、平和の魔法と呼ばれ、その効果が発動すれば、どれだけ争っている人々でも、心に緑が溢れ、闘争心が消えていく。

 しかし、その代償は禁魔法の中でも群を抜いておぞましい。※1


 まだ世界が五つの国に別れていなかった時代。

 強大な二つの国が百年にも及ぶ戦争を繰り広げていたが、それを解決しようと、中立の立場だったかつての大賢者が、一度だけ緑一色グレイトフルグリーンを使ったと記録されている。

 長きに渡った戦乱は、その瞬間に終わりを告げ、子々孫々、何代にも渡り続いていた怨恨は全て絶たれ、敵対していた兵士たちは、手を取り合い、平和を誓い合う。だが、失われたのは闘争心だけではなかった。


 緑一色グレイトフルグリーンをかけられた兵士たちは、闘争心と同時に様々な活力も失われていき、だんだんと動くことすら億劫おっくうになり、最後には食べることすら、放棄してしまう。

 やがて、日に当たるだけで光合成ができる身体に変化をとげ、全ての兵士たちは争いのない植物のように生まれ変わってしまった。


 ルシア王国に広がる大草原は、緑一色グレイトフルグリーンによって変えられた、かつての兵士たちと言われている。



【第二の禁魔法 天地崩壊アースクエイク


 創造神魔法 天地崩壊アースクエイクは、創造神が、この世界を創造する時に使った禁魔法と記録されている。


 世界中の地形を自由に操ることができ、海を真っ二つに割ったり、何もない平地に大きな山を作ったり、それを消したりすることも可能だ。

 タクミ襲撃の際に、アザトースがボルト山を丸ごと消し去ったのは、この禁魔法を使ったのではないかと推測される。※2


 代償として、強引に地形を変化させたことにより、なんらかの天変地異が起こると言われているが、それがいつ、どこで起こるか、西方の魔導研究所でも明らかになっていない。

 まったく関係ない場所でランダムに代償が発動するなら、まさしく世界に重大な災害をもたらす、超迷惑な禁魔法だ。



【第三の禁魔法 星海スターオーシャン


 始まりの魔法 星海スターオーシャンは、エルフ一族、最大の禁忌きんきであり、大賢者ヌルハチの故郷であるヌ族に代々伝わってきた禁魔法である。※3


 使用者はこれまでのすべてを失うと伝えられてきた原初の魔法。


 手と手の間に、世界中の光を収縮するように集め、そこに小さな、銀河にも似た空間を誕生させる。

 そこから溢れ出した、数えきれないほどの無限の星々を標的に向けて放つ、禁魔法最大の攻撃魔法だ。


 一度放ってしまえば、使用者にすら止めることができず、無限の星に自らが撃ち抜かれて消滅することもある極大魔法。

 使用者は魔法使いとしての経験値をすべて失い、レベル1の初心者まで巻き戻される。


 ゆえに、始まりであり終わりの魔法。

 最後の最後にしか使ってはならない、と言い伝えられてきた。



【第四の魔法 世界逆行ワールドリバース


 西方の魔導研究所で、唯一、その発動が確認されている禁魔法。


 生涯で一度だけ、全ての魔力を使い切り、1分間だけ時間を戻すことができるが、代償として二度と魔力は戻らない。


 シロクロ戦でタクミを守る為にリンデン・リンドバーグが使い、それ以来、魔法が使えなくなった。※4


 だが、正確にはリンデン・リンドバーグは、魔力が戻らなくなったのではなく、魔力を使い切ったままの状態で周りの時間が止まってるようだ。

 魔力は水や土、草や日など、自然にある様々なものから吸収して回復しているので、時が止まったままだと、魔力を吸うことができず、現在も解除方法は見つかっていない。



【第五の禁魔法 無名ネームレス


 名前すら失われた究極魔法 無名ネームレスは、禁魔法の中で、唯一、その存在がまったく判明していない。


 どのような魔法で、どのような代償があるかも未知であり、無名ネームレスという名称も、おそらく仮の名称で、本当の術名すら不明のままだ。


 この世界が創造されてから、一度として発動された記録はなく、その存在自体が疑われている。



【第六の禁魔法 六花ロッカ


 今回の物語における最大の鍵を握る、やり直しの禁魔法。


 正しく発動しなければ世界が終焉に向かうとまで言われている。


「六枚の花びらは順番に開かなければならない。最後の花びらが無理矢理開いて、それは不完全な形でタクミの前に現れたわ」


 というシャサの言葉が正しいなら、ロッカ自身が不完全な形で発動した禁魔法に間違いない。


 六つ目の禁魔法が、順番を守らず無理矢理解放されてしまい、その影響で終わったはずの物語が歪んだ形で繰り返している。


 不完全なまま、禁魔法を発動させた黒幕は一体誰なのか。

 真相はまだ明らかになっていない。





※1 緑一色グレートフルグリーンのお話は、第七部 一章 「二百二十話 緑の国」に載ってます。


※2 アザトースがボルト山をまるごと消したお話は、第四部 四章

「百二十七話 四神四凶 王女の契約」に載ってます。


※3 ヌルハチが星海スターオーシャンを唱えたお話は、第七部 一章 「閑話 レイアと大賢者」に載ってます。


※4 リンデンさんが世界逆行ワールドリバースを使ったシロクロ戦は、第三部 転章 「百三話 1分間」に載ってます。

よかったらご覧になって見て下さい。


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