うちの弟子 用語解体新書 その4
【誤将棋】
特殊なルールを追加した将棋。
普通の将棋にはない、【誤】と書かれた駒が一枚ずつ追加されている。
通常は【王】という文字を表にして並べるが、この将棋は裏向けて並べる。
そして、【誤】も王と同じように裏にして並べ、一つは定位置に、もう一つは自陣の空いてる場所ならばどこに並べてもいい。
【王】も【誤】も裏返してしまえば、何も文字が書かれておらず、【誤】は【王】とまったく同じ動きができるので、駒を取るまでは、どちらが【王】でどちらが【誤】かわからなくなる。
【誤】を取られても勝敗は決まらず、【王】が取られるまで試合は続く。
【誤】を必死に守って【王】に見せかけたり、【王】を敵陣に攻め込ませ、【誤】に見せかけたりもできる騙し合いの戦略性をプラスした新しい将棋になっている。
【コードネーム】
【現実世界】から【異世界】に来ているものは、皆、コードネームをつけらている。
誰が名付けているのか、まだ不明だがネーミングセンスは壊滅的らしい。
【コードネーム一覧】
ナギサ ➡︎ カセイフ
ドラマの題名からとったみたいだが、毎回、名乗るのが恥ずかしいらしい。
昔のドラマのようで、ナギサ自身はそのドラマを見ていない。
本名は桐谷渚。
ダガン ➡︎ ダンガン
銃を使うので弾丸から取ったコードネーム。
ダガン自体は特に気にしていないようだ。
本名は東兵悟。
アサとヒル ➡︎ シスターズ
姉妹なのでシスターズというひねりのないコードネーム。
一人ずつ呼ぶ時は、アサ、ヒルと普通に呼ばれてるので、明らかにコードネームの意味がない。
本名はまだ不明。
マキエ ➡︎ マキA
マキナ ➡︎ マキB
過去転送の際、なんらかの事故で二人に分かれてしまったため、マキA、マキBと呼ばれることになる。
本名はまだ不明。
アザトース ➡︎ アザトース
アザトースは、コードネームでしか呼ばれていない。
クトゥルフ神話からとった架空の神性で、「魔皇」「万物の王」「白痴の魔王」とも呼ばれる神々の始祖の名称。
アザトース自身は結構気に入ってるようだ。
本名は久遠という名字のみ判明している。
アリス ➡︎ ルイス・キャロル
【異世界】の人間でアリスだけがコードネームをつけられていた。
不思議の国のアリスから取っていると思われる。
想定外の産物、イレギュラーなどと呼ばれており、特別な存在ではある事は確かであり、まだまだアリスには底知れぬ謎がある。
タクミ ➡︎ なし
何故かタクミにはコードネームはつけられておらず、皆、本名で呼んでいる。
ただ単につけ忘れたのか、タクミにはコードネームをつけたくなかったのか。
その真相はまだ不明である。
本名は久遠匠弥。
【四神】
柱に宿らせ、その場を神聖な場へと昇華させる秘術【四神柱】の神獣。
アザトースは、これを柱に宿らせることなく、具現化して召喚した。
【四神】は、中国の神話、天の四方の方角を司る霊獣で、天之四霊、四獣、四象ともいう。
南の朱雀、西の白虎、北の玄武、東の青龍と言われており、四体揃うことで、強力な防御結界を張ることができる。さらに、一体ずつ、異なる能力を持っている。
【朱雀】
紅蓮の炎を纏った神鳥。
不死鳥、フェニックス、とも呼ばれる【四神】のリーダー的存在。
死んだものを蘇生させる能力を持ち、全ての生と死を管理する最重要システム。
発動範囲内で亡くなったものは、データとして保存され、いつでも復活させることができる。
現在はシロの力により、タクミの中へ封印中。
一人称はワレ。
【白虎】
雪のように白い氷の神虎。
武神とも呼ばれ、四神の中で唯一、凶暴性を持つと言われている。
あらゆる不正を見抜く力を持っており、卑怯、卑劣な行為は一切許さない。
発動範囲内で不正を働いたものは、問答無用で引き裂き、バラバラにすることができる。
【玄武】
蛇の尾を持つ黄金の神亀。
水神とも呼ばれ、亀は「長寿と不死」、蛇は「生殖と繁殖」を現している。
致命傷となるダメージを肩代わりする力や、老化を無効化する力を持っている。
冥界と現世を往来して、冥界にて神託を受け、現世にその答えを持ち帰ることが出来ると言われているが、その真意は定かではない。
【青龍】
透き通るように蒼い巨大な神龍。
蒼竜とも呼ばれ、「龍族」の始祖とされているが、古代龍との関係性は明らかになっていない。
欠損した部位を治療する力を持っており、発動範囲内であれば、粉微塵となっても元通りに戻すことができる。
【禁魔法】
世界の摂理すら破壊しかねないとして、アザトースがシステムごと破棄した魔法。
大精霊の秘魔法 【緑一色】
創造神魔法 【天地崩壊】
始まりの魔法 【星海】
空間魔法 【世界逆行】
の四つが確認されている。
本編では第三部終盤にリンデン・リンドバーグが【世界逆行】を発動させ、1分間だけ時を戻しているが、その代償として一切の魔法が使えなくなってしまった。
他の三つは効果も発動条件も明らかになっていない。
「第三部 七十三話 タクミ魔法は止まらない」で名前だけが登場している。
口伝のみで伝わる【緑一色】
魔法の歴史が覆くつがえる【天地崩壊】
人類が誕生する前に失われた魔法【星海】
さらに、正式な名前は出ていないが、伝説の召喚獣イフリートを呼び出す【禁魔法】もあるようだ。
【裏四神・四凶】
ルシア王国王族のみに伝えられてきた最凶の悪神。
暴挙の限りを尽くした四体の獣は、やがて、中国という異界を滅亡寸前まで追いやり、【四凶】と呼ばれるようになったと伝わっていた。
その姿はどれも見るに耐えない、凶悪で醜悪な獣。
アザトースは、『この世界にあるものは、すべて復元させることができる。そういうふうに創ったからだ。四凶の手により破壊したものは、完全に消去され、二度と復活することはない。この世界に最初から存在しなかったことになる』と語っている。
【渾沌】
目、鼻、耳、口の七孔がない六本足の犬。
いつも自分の尻尾を咥えてグルグル回っているだけで前に進むことなく、空を見て、くっくっ、と笑っている。
触れたものを、ぐずぐずに溶かし、この世界から消滅させる。
顔に目、鼻、耳、口の七孔をあければ消滅すると言われているが、その正確な位置は誰もわからない。
【饕餮】
羊の身体に、人の顔、目がわきの下にある怪物。
曲がった角、虎の牙、人の爪などを持つ。
饕餮の「饕」は財産を貪る、「餮」は食物を貪るとされ、目の前にあるものは、何でも食べる。
饕餮が通った後には、草木一本でさえ、残らない。
【窮奇】
針鼠の体毛を持つ翼の生えた虎。
【四神】の【白虎】とは対を成す存在で、その性格は真逆。
正しい者や、誠実な者を引き裂き、悪人がいると野獣を捕まえて贈るとされている。
風を操る能力があり、風神のあだ名を持つ。
【檮杌】
人の頭に虎の身体、猪の牙を持つ獣。
尊大かつ頑固な性格で、荒野の中を好き勝手に暴れ回り、戦う時は退却することを知らずに死ぬまで戦う。
常に天下の平和を乱そうと考え、「難訓」という別名がある。
【ステルス迷彩】と【筋肉スーツ】
現実世界で、タクミを助けるためにナギサが用意した二つのアイテム。
【ステルス迷彩】は、光の屈折により、その姿を景色に溶け込ませ、カメレオンのように消すことができる。
ナギサ以外に使っている者がいないことから、組織全体に行き渡っているものではなく、個人的に所有している物のようだ。配給先は不明。
【筋肉スーツ】は、その名の通り、筋肉ムキムキに見せかけるリアルなシックスパックスーツ。
実際に、筋肉がつくわけではなく、むしろ、重たいので身体の動きは鈍くなる。
マキエを騙すためのハッタリで、タクミはこのスーツを着てVRのボクシングをしていたが、ほとんど限界間近だった。




