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助け合いの心/焦る心

42「助け合いの心/焦る心


それからも少しずつ俺たち、俺、エル、レイの

3人で、迷いの森の奥に進んでいったのだが・・・



「流石にこの量は絶対おかしい・・・

エル、レイ、ちょっとここぐらいで

入り口の方に帰ろう」



俺は2人に指示を出し、援護してもらえるように

伝えておく

エルとレイも「あい!」「ガァー」と頷いている


よし、ちゃんと目印もつけて行ってるし

地形もちゃんと確認してたから比較的簡単に

戻る事が出来る



そしてそのまま森の中を歩いていると


「ガァ!?グ、グガァ・・・」



突然頭の上のレイが声を上げ、そのままペタッと

俺の頭にへばり付くようにぐったりしだす

俺は慌てて、頭からレイを下ろし「大丈夫か!?」

と呼びかける



するとエルがレイの背中を見て


「おとーしゃん!れーのここ!」



エルがレイの背中から血が滲んでいる部分を指差す


確かにそこがぐったりしてる原因なのだろうが

なぜそれだけの怪我で?

俺はその事を不思議に思っていると



エルは俺の腕をてしてしと叩き

興奮した様子で話し出す


「えう、こえしってうよ

れー、どくなの!えうみたことあうの!」



えっと、エルによると・・・

レイは今毒状態って事か? 前にその症状を

エルが見たことあるって事か?


確かにエルニも状態異常とか回復系に関して

知識があるって言ってたし、エルも俺よりは

詳しいのだろう



俺はそう思い、自身の背中のバックパックから

毒解消の薬を取り出す

改めて、今朝知識を入れといて良かったと

心から思うのだった



そしてレイに毒解消の薬を飲ませると


「グガァ・・・、グガァ!ガァ!!」



最初はぐったりしてたレイも息を吹き返した

ように翼をパタパタしている

よし!回復出来た!

俺はエルの知識に感謝して、優しくエルの髪を

撫でる


「偉いぞ!エル!

これでレイが助かった!」



するとエルも無邪気に笑い


「よかたー!れーげんき!」



と、天使の微笑みを浮かべながら

レイの頭を優しく撫でている

そしてレイもエルに感謝するように

エルの可愛い手にその顔を擦り付けるのだった



娘同士の暖かい光景を見て、俺はこの時だけは

非常事態な事を忘れて3人で笑い合うのだった・・・





レイが毒状態になってしまうという緊急事態

も起きたが何とか、俺たちは入り口付近の場所

まで戻ってこれた


そして俺たちが森を出ると


「あれ?何でエルニとレインしかいないんだ?

他のみんなは?」



俺が森を出てスタート位置に行くと、エルニ

とレインの2人しかいなかったのだ

最初にいたリリナとレイラ、そしてミラが

いなくなっている


するとレインが近寄ってきて


「おかえりなさいませ!主人さま

それがですね、あの赤毛の娘とひまわり娘が

主人さまを探しに行ってしまいまして・・・

それに審判の娘もギルドに戻ってしまいました」



と、至って冷静に理由を説明してくれる

けど、何で?探しに行ったんだ?

その理由を聞こうとすると、横からエルニが

内容の補足をしてくれる


「つまりはレイラたちはあなたたちを心配

して助けに行ったってことよ

確かあの男、誰か忘れたけれど、そいつが

森に敵を溢れさせる薬を使ったみたいで

それを知ったみんなが大慌てしているって訳よ

まあ、私たちはあなたたちが大丈夫な事ぐらい

知ってるから動かなかったのだけれど」



なるほど、あのナンパ野郎がとんでもない事

を仕出かしたから、それで俺が危ないと思って

レイラたちが動いちゃったって訳か・・・


それで運悪く俺たちと入れ違いになったって訳だ

あっちゃー、もっと周りを見て帰ればそうならずに

済んだかも

俺は少しその事を後悔したが、こうしてる場合

じゃない


「悪いがエルニ、レイン

俺たちもレイラたちを探しに行こう!

そんなに敵が強くはないがその分数が多い

だからお前たちの力を貸してくれ」



するとレインは「はっ!」と頷き、エルニは

「しょうがないわね」と言って、俺について来て

くれる


やっぱりみんないい娘たちだ


俺は不満1つ言わず、手伝ってくれる仲間に

感謝しながら、レイラたちを迎えに再び森の中に

入って行くのだった・・・









ーーーー迷いの森・レイラ・ミラ視点ーーーー


あたしはレンを探しに、かつてない程の速度で

森の中を駆け抜けていた



どこにいるの?レン!レン!



あたしは自分でも不思議なぐらい必死に彼のこと

を探していた

そしていつもこんな速度で走れば何かしら

不満を訴えてくるミラも、何も言わずに運ばれる

がままになっている


「ミラ、だいぶ揺れてるけど我慢してくれ

レンを見つけるまでの辛抱だよ」



あたしがそう声をかけると、「あい」と言って

また前を向く、目をキョロキョロしているので

レンのことを探しているみたいだ


そうしてあたしたちはレンを探して

森を奥に奥に進んでいったのだった・・・





そうしてある程度奥まで進んだのだが


「どこだい!?どこにいるんだい?

レン!レーン!!」



あたしはそう大声を出して、レンのことを呼んだ

が返事は返ってこない

そうしてどうしよう?と少し足を止めると



「「「「「ウガァァ!!!!!」」」」」



前方の草むらの陰から数頭のブロスが現れた

あたしは閃光の異名の元であるレイピアのーサクラー

で敵をまとめて一閃する


シャッ!!



ブロスたちはまとめて一閃され、その一撃で

全て絶命する


あたしのレイピアにはそのヒットした手数の

多さで、相手へのダメージが増幅するという

魔法が付与されている

そのため一閃に見える一撃は、実は多段ヒット

しているのだ

そしてこの手数の多さは、あたしの疲労にも

繋がるので、長期戦や多勢相手にはかなり相性が

悪いのだ



あたしは先を急ごうと、そのまま進もうとすると



「「「「「ウガァァ!!!!!」」」」」



先程よりも大量の、そしてデカイ個体のもの

が大群で現れたのだ


クソッ!戦うしかないのか?



その親の仇を見るような目を見て覚悟を決める


そしてあたしはその大群を相手するため

レイピアを構えて、ブロスたちに襲いかかるのだった・・・









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