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悪意ある仕掛け/緊急事態

41「悪意ある仕掛け/緊急事態」


「おいおい、勘弁してくれよ・・・

この数はマジで反則だろ

ブロスの群れってもっと奥の方に

いるって書いてなかったか?」


俺は先程二頭のブロスをなんとか倒して

その達成感で一息ついていた所なのだが・・・

エルの声に顔を上げると目の前には数え切れない

ほどの数のブロスの大群がそこにいたのだった


そしてそのどれもが親を殺されたのか?と

聞きたくなるほどに鋭い目つきでこちらを睨んで

いるのだ


「おとーしゃん!きたお!」



エルの声と共に、ブロスたちが俺目掛けて

殺到してくる

俺はそれをハードルの要領で躱していきなんとか

ノーダメージで乗り切る


そしてバラバラでくる個体には反転を使い

奴らの群れに向けて弾き飛ばす


「ガァ!!フゥー!!」



レイも頭の上からブレスを吐き、俺の援護を

してくれる

そして、俺に突進を続けるブロスをエルが

木の葉のバリアで防いでくれる


攻めと守りを3人で両立しているのでかなり

戦いやすくなっている


「よし、エル、レイ!

最後の一体だ!俺に任せろ!」


俺はそう言うと、最後のブロスを弾き飛ばして

戦闘不能にするのだった・・・





その後も続々と現れる敵を倒しながら進んでいった

それにしても・・・


「ちょっとおかしくないか?この数は

しかも、あのナンパ野郎の姿も見当たらないし」


俺は大体1時間程だった頃だろうか?

これまで現れた敵の多さに疑問を覚えていた

エル、レイがいたから危険はなかったが

俺1人だと絶対大怪我してたという場面が

かなり多かった


「この森で何か起こってるのか?」


そんな俺の呟きが深い森に消えていったのだった・・・









今日あたし(レイラ)は、迷いの森にレンの

応援に来ていた

そして私の腕の中にはミラがいて、レンの方に

ふよふよと小さな手を振っている


「ミラもレンのことちゃんと応援してるんだね」



あたしもミラを真似て、「頑張れ」と手を

振ってみる


な、なんかこれ

若い娘が恋人を応援するみたいでなんだか

気恥ずかしい


こんなのあたしの柄じゃない

そう思い手を振るのをやめようとすると


「おう!ちゃんと勝って帰ってくる」



レンがこちらに気づいて、笑顔で手を振り返して

くれる


「っ!?」



一瞬だが、その笑顔にドキッとしてしまった

なんだか本当の恋人みたいに思えて



そして少し経ったのち

あたしをナンパしてきた奴とレンの対戦が

始まったのだった・・・





そして1時間経った頃だろうか?

早くもナンパをしてきた男が森から帰ってきたのだ



なぜ?まだあと1時間もあるのに・・・

あたしはそう不思議に思っていると



審判をしていたリリナがその男に話しかける



「どうされました?まだ1時間も残って

いますが

何か問題でもありましたか?」



すると男はニヤッと見ていて不快になる

笑みを浮かべて



「はっ、もうこれでいいんだよ

だって、俺の勝ちだからなこの勝負」



と、なぜか勝利宣言を言ってきたのだった

あたしは訳がわからずその男に尋ねる



「何でそんなことあんたが言えるのさ?

レンがあんた以上に倒してくる可能性だって

あるじゃないか」



するとあたしの言葉を聞いた男は

突然ニヤニヤとしだす


なっ、なんだコイツ

あたしが引いているのを他所に

その男はとんでもない事を言い出したのだ!



「はっ、だってこの勝負は討伐して帰ってきた

奴が勝ちになるだろ?

なら、帰ってこれないやつは勝つことが

出来ないよなぁ?」



などとふざけた事を言い出したのだ


なっ!それはもしかして!



あたしはレンの状況を理解して、その男に詰め寄る


「あんた!一体何をしたって言うんだい!

ほら!サッサと吐け!」



あたしは必死にその男から聞き出そうとする

すると男は、あたしの圧力に日和ったのか

話し出す



「な、何にもしてねーよ!

ただ森の奥に増魔剤を大量に撒いただけた!

何も直接何かした訳じゃない!

これなら何とか凌ぎきれば生きて帰れる

かもしれないだろ!

あいつが悪いんだ、あいつが俺に恥をかかせる

から!あいつには痛い目を見せねーと

気がすまねー!」



男は開き直ったようにそう喚き散らすのだった



増魔剤?あたしは知らないので

リリナの方を見ると


「な、なんて事をしてくれたのですか!あなたは!

増魔剤は、普通の場所で使う分にはちょっと

モンスターたちが集まるぐらいで済みますけど

こんな大きな森で、それも森の奥でそんなこと

をすればAランク以上でも手こずるようなモンスターたちが山程暴れ出すのですよ!?

レンさんのこともそうですけど、この森の

モンスターたちが街にまで殺到するかもしれません!

わ、わたし!ギルドに応援を呼んできます!」



リリナは真っ青な顔で、慌ててギルドのほうに

応援を呼びに行ったのだった



あたしもリリナの話に危機感が募る

街やそこに住む人たちが危ない!

そして何よりも・・・


「レンが危ない!」



あたしはレンが危ないと思うと居ても立っても居られなくなって、ミラを連れて慌てて迷いの森

の中に入って行くのだった・・・




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