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ときめき☆くらいまっくす

4「ときめき☆くらいまっくす」


「えーと、君の話によるとあんたとこの幼女ちゃんは精霊で、人間には触ることどころか、見ることも難しいものだと?」


俺はあの後、言い訳のために使った嘘を謝罪し、先程彼女が言った「精霊」と言うものの説明を受けた

触るどころか見ることも難しいと言われても現実感がない

俺からしたら、ただ幼女が浮いていること以外はいたって普通の人間に見える

それが「精霊」と言われてもピンとこない



「しかも、私はある程度の精霊だから、魔力量の多いものには見えるかもしれないけれど、その子はまだ下級精霊だから、見えるのもおかしいのよ?

それどころか、見るだけじゃなく触ることも出来るなんて・・・ あなた何者?」


そんな気はしていたがこの女性も精霊なのか

そしてやはり、この幼女ちゃんはやはり精霊の中でも幼体であるようだ

まあ、質問には答えたいが俺の方が混乱してる

そもそも、数時間前にこっちに来たばかりだしな



「えーと、俺の名前は佐藤さとう れん19歳だ

俺自身も信じられないが異世界から来たんだと思う

それで、その幼女ちゃんとはさっき会ったばかりなんだけど、普通の子供だと思って触ったり、見たりしてたから」


「「精霊」って言われても正直ピンとこないよ

だから、触れないはずなのに触れるのがなんでなのかは俺にもわからない」


俺は一応はじめての異世界?でのマトモな会話なので出来るだけ誠実に答える

まあ、最初の印象としてはロリコンの変態にしか見えないだろうしな・・・



すると女性は

「あ、あなた異世界人なの?もしかしてつい最近召喚されたっていうあの?・・・いや、でも、こんなところに一人でいるなんて・・・」



なんだかわからないが、女性は難しそうな顔をして独り言を呟いている

もしかして、他にも俺のような人間がいるのか?

というか異世界召喚?寝て起きたらここだし、王女様にも会ってないんだが・・・



「うーん、うん!まあ悩んでいてもわからないものはわからないわ

ごめんなさい、改めまして私の名前はエルニ、一応上位精霊に部類されているわ

精霊が真名を教えるのはあまりないけれど、エルが懐いているようだし、あなたのことは信用出来そうだわ

よろしくねレン」


彼女、エルニはそう言って、俺に右手を差し出して握手を求めてくる

近くで見るとやっぱり美人だな

トキメキがクライマックス状態だ・・・

俺は少し緊張したが、どうにか平静を装って握手に応える



「こ、こちらこそよろしく

えーと、上位精霊ってことはエルニ様?の方がいいのかな、というか敬語の方がいいの・・ですか?」

俺は精霊というものがどういう存在なのか未だわかっていないが、とりあえず物凄い存在であることは確かだろう



「! やっぱり私にも触れられるのね・・

いいわ、貴方なら敬語もなしで気軽にして貰って構わないわよ

ふふ、なんだか不思議な感覚ね

あなたは普通の人間なのに、同類たちと同じように、見たり触れたりするなんてね」

エルニはなぜか嬉しそうに噛みしめるように呟く



「おっ?いいのか?俺としてはそのほうがやりやすくてありがたいよ

よろしくなエルニ、あと・・・?

なあ、この子って何て名前なんだ?」


ドタバタしてて、忘れていたけれどこの子の名前は聞かされていない

というかさっきエルニと話すために膝の上から降ろしたはずなのにいつの間にか

再び俺の右太腿辺りにしがみつき、顔をこすりつけている

なかなかきわどい位置に手を置いているので少々落ち着かない



「あらあら!その子相当あなたに懐いたみたいね

その子は私と同じ木の精霊で、名前はエルよ

改めて言うけど、その子は下級聖霊よ

普通なら人間には触ることも見ることもできないのだけれど・・」


「なぜかレンには触れるようね

だからかしら、その子あなたのこととても気に入ったみたい」



自分の話をされたからだろうか

「んん?うー・・」

エルは少し顔をしかめたかと思うと、あろうことかつついていた指を片手で握りしめてしまった


うおお!!これって赤ちゃんが差し出されたものをついつい握ってしまうっていうアレでは?

まあまあの力で握りしめているし、俺自身も無理に話すのも可哀想に感じる



「ふふ、まるで本当の親子のようね

この子も完全に安心しきった顔をしているわ

レン、あなたは不思議な人ね

何故だか、私も安心していられるわ」

エルニもそう言って俺の膝のエルを覗き込むように

身を寄せてくる



「お、おい!そんなに近寄られたら落ち着かないんだが・・

というより、エルニ達は何のためにここに来たんだ?

何かを探していたようだが・・」


エルニが近づいて落ち着かないが、ここでドキドキしてても始まらない

俺自身もこの状況の理由を知りたいし



「うーん、まあいいじゃない

その子のこともあって私もあなたの事興味あるのよ

なんだかいい匂いもするし

なんだか年甲斐もなくドキドキしちゃうわ」


「あっ、ごめんなさいこんな話じゃ無かったわね

それで私達はこの森にあるキノコを探しに来たのよ

とても貴重で見つけづらいのだけど、精霊であれば見つけやすいの

でも、どこにあるのかわからなくて・・

そうして迷ってるうちにエルが駆け出したから、それを探していたらあなたを見つけたわけよ」


なるほど、それにしてもキノコか・・

もしかして、俺が食おうとしていたキノコ?のことなのかな

でも、普通にいっぱい生えてるし・・



「もしかして、そのキノコってこれのことじゃないよね?流石に・・」

俺が控えめにエルニに尋ねると



「そっ!それは!・・・・・・

毒キノコじゃない!?ま、まさかたべてないわよね!?」


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