俺と勝負(デュエル)しろ!
38「俺と勝負しろ!」
どうしたものかこれは・・・
今現在俺の腕には右腕にしがみつくエル
そして、左腕にはミラがその小さな体を丸め込んであり、その左腕にはレイラがしがみついていた
そして俺の目の前には顔を真っ赤にして怒っている男が立っており
「おい!お前!
その女を賭けて俺と勝負しろ!」
などと、言ってくるのであった
どうしてこうなった・・・
時は少し遡って、俺は野次馬の先頭からミラを抱くレイラが冒険者風の男に言い寄られている現場を目撃した
レイラは相手にすることなく断っていたのだったが、段々としつこいその男に嫌気がさしたのだろう
そんなレイラが言い放った言葉が気に入らなかったのか、男が更にしつこく言い寄ってきたみたいだ
それを見て俺は日本にいた時の感覚で
「おい、ちょっとあんた
彼女が嫌がってるだろうが、人が集まってきてるしその辺でやめにしとけ」
俺は日本にいた時の感覚で、一応知り合いでもあるレイラを助けようとすると
男はそれを聞いて俺の方にああ?と顔を向けてくる
そしてそいつは俺の前までズカズカ歩み寄ってくる
「なんだ兄ちゃん? こいつと俺の話なんだよ
オメーに関係ねーだろうが」
とまあ、ある意味予想通りの反応をしてくる
だがハイそうですかと引き下がるわけにはいかない
「いや、関係ない事はないんだが
まあとりあえず、嫌がってるんだからさ
女の子が嫌がる事はしたらいけないだろ?」
すると男は小馬鹿にするようにフンと鼻を鳴らし
「ヘッ、そんなもん関係ねーんだよ
女は男の所有物、黙って従ったけばいいんだよ!
わかったら関係ねー奴はどっか行ってろ!」
といった様子で、全く相手にしようとしない
な、なんだよコイツ
もしかしてこの世界の男はこんな奴らばっかなのか?
軽く呆れながら男を見ていると
「ふん!あんたなんかよりレンの方が何倍もカッコいいんだよ
それにあたしはもう彼の女なんだよ
だから、あんたに構ってる暇なんてないんだ!」
レイラは俺のひじのあたり腕を絡まさせ、俺の肩にしなだれかかってくる
そして好機と見たのか、レイラの腕にいたミラがハイハイしながらエルとは逆の腕に収まる
右腕にエル、左腕にミラ、そして左ひじのあたりにレイラと幼女、幼女、美女というとんでもない状況だ
そして当然そんな俺を見て目の前の男も黙っちゃいない
「おい!お前!
その女を賭けて俺と勝負しろ!」
まあ、当然こうなるわけだ
勘弁してくれ・・・
その後男と話し合ったところ、やつは一体一の決闘ではなく、冒険者らしく「迷いの森」でのモンスター討伐競争という事になった
まあ、俺としてはあんまエル達の力を見られたくないので丁度いいぐらいだ
相手は俺を初心者と舐めているようなので、楽に勝てたらいいなぁ




